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針とメモのゆめ

針をさしてもらった。
頼んだのは背中のマッサージなのに、針灸の心得があるだかでエミコ先生は針をさしていった。長い針はぷらぷらしている。

水まきホースが事件の鍵だ。とりあえずぐるぐる巻いてしまって、囮にする。見張ってて、と頼み二年目の男を集める。先の先を読んで罠はるから、見張りも気づかないところで警備して。多分、見張り破られるから、破ったらすぐ捕まえて。

ささってる針がじゃまで引っこ抜く。細くて長い、ああ、随分体がすっきりしている。肩が楽になった。ごりごり。

でも唯一の入り口に警備がいなくて、ホースを奪って逃げてきた男を捕らえたのは私。もう、ちゃんと言ったのに。私は背負い投げして男は目を白黒、しょうがない、もうひとつ罠を張るか。

わざとそいつを逃がす。裏口と入り口固めて、こいつは私が追うから、多分、黒幕がいる。走るそいつを追いかける。実はこれは演技で、走り回って黒幕の居場所を特定したいと思っている。だってここはそいつらの居城だから。

走りながら男がメモをよこす。見ずにポケットに突っ込む。走って走って、また。計三枚のメモ、あ、男が捕まった。
男の肩を掴み、にっこり笑う女。

行け、そう言われて私は走る。メモを届けて解読しなければならない。そうじゃないと被害は拡大してしまう。男はどうなるのか、多分、もう会えない、考えを振り切って走る。走る。速く走れない。けど、ああ、外だ。

一年後、再潜入。男の遺品のメモ帳、最後のメッセージは破られていた。微かに残るペンの跡、もしかして、鉛筆でこする。やはり、文字が。破られたページを探す。こする。文章が。犯人は、

なにをしているの。

肩を叩いたのはあの女、男を捕らえたあの女、しまった、これは罠、メッセージを解読させるつもりで。
このメモ帳は持って出なければ。

私は走る。入り口は近い、出れば仲間がいる、私は助かる。事件が解決する。
走る、しかし女が追う。遠い、まだ走る、すぐそこなのに進まない。

もう少しなのに。
あと少しなのに。

ピアノ・プール

ピアノの音は好きだけど、弾いているのを聞くと辛くなる。
自分はピアノを習っていたけど、弾けるってほど弾けなかった。「主よ、人の望みの喜びよ」の第一楽章が精一杯で、本当は「月光」が弾きたくて楽譜も持っていたのに、変調するところまで(つまり冒頭のくらーいとこ)で諦めた。

私の手のひらは大きくて、指は長くはないけど関節が柔らかく、1オクターブと2、3音まで届く。それも第一関節を曲げられるのでフォルテで叩ける。

ピアノのあのたくさんの音は好き。

それでも、本気でピアノをやっている人とは指が違う。

本気のピアノの人の指は、先が丸くてトンカチの頭のように潰れていて、固い。爪なんか楕円に丸い。指先より爪は伸ばさないらしく、慣れないと深爪にし易いと言っていた。
バイオリンの人は中指が長い。それでやっぱり、爪は伸ばせないらしい。

水泳の人は手のひらが大きい。個人差があっても水掻きが残る人が多かった。水を掴むから水掻きがあるほうが有利らしい。
脚力が弱い私は手のひらで水をかく力でほぼ泳いでいた。水しぶきをあげない泳ぎ方は得意。

水の中のあの圧力は好き。

でもね、ピアノやってると、水掻き消えちゃうんだよね。

ピアノや鍵盤楽器する人の中には水掻きを切って指が広がるようにする人もいると聞いた。
なんだかんだで、良くないことをやってたんだな、と。

ピアノにも。水泳にも。



ピアノの音は辛くなる。プールに私は行かない。あの日々を私は懐かしまない。惜しまない。
うん、大人になった。
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