執事は、部屋の鍵を開けてくれた。
いや、それは中からも掛けられる普通の鍵で…自分で掛けたに過ぎなかったのだけれど、
「外しましたよ。…ご主人様」
何故か、自分では外せないような気がしていて、扉は遠かった。
黙っていると、不思議そうに
「どうして、お出になろうとしないのです?」
執事が、促す。
理由は。
「外が、怖いから…」
文の末尾は消え去りそうだった。
「前も…言ったでしょ……外で、何があるか、分からないのだから……僕は、非力だから、きっと…」
言葉に、詰まる。
「はい、確かに前にも言っておられましたね。ご主人様は」
無表情は、摂政をしている弟に叩き込まれたものだろうか。
この執事は、元はどこかの属国から送り込まれた間者か暗殺者であった。それを一晩かけて弟が―どんな手を使ったか知らないが―寝返らせた。
かつては敵だったものをどうして側に置いておくのだろう?また殺そうと図るかも知れないのに。と、弟に言った。
―かつては敵だったからこそ側に置くのです。
と、弟は答えて、
―私を殺すなど、愚かなことをするはずが無いよな。
静かな落ち着いた口調で、執事に話を振った。
執事は、はい、と答えた。
以来その話をもう蒸し返すことはなかった。
「僕は、外のことを何も知らないんだ」
強く、繰り返す。
「ほう」
執事は頷くと丁寧に返した。
「そうでしょう、ご主人様は、この部屋からお出になることがないのだから」
その小馬鹿にしたような物言いに、ムッとする。
「…ニュースは……見ているから…知っているもん…」
矛盾を承知で抗弁する。
「これはこれは…失礼」
眼鏡の奥の目を細めて、執事は、笑う。
「しかし、ニュースは偏向しているから、全てを伝えていないと怒ってもおいででしたが」
「…」
むすっと、押し黙る。
「百聞、一見にしかず。実行に勝る徳は無い、と、古今東西、行動の美学が言われておりますよ」
―籠の中の鳥はいついつ出やる?
東洋の歌をなぞって、冷涼な声でうたう。
その様子が彼を苛立たせた。
「……僕は時を、待っているんだ」
口を尖らせて、言う。最早、このような抗議の繰り返しが自己表現だった。
「ふむ…待っている、のですね。政変を、ですか?」
ぎくり、とした。
「そうとは、言ってないよ。でも、分かるだろ?こんな世の中じゃ、何したって……」
屈伏させられるだけなんだ。
「そうですか。しかし、待っていても政変など起こらないのは、ご主人様が良くご存知では?」
身を屈め、顔を近付ける。
「こうして、今までもずっと…待ち続けてきたのですから」
きりりと痛みが走る。
「…お前は一体、私に何をしろと?言いたいことがあるなら、率直に言えよ」
いつもの「僕」という一人称が「私」に変わり、些か声が荒くなっていた。
幼い見かけに合うように、甘ったるい話し方をしていたのに。
くくっ、と執事は声を立てて笑った。
「鍵の開いた扉から、出ていくことは、簡単ですよ」
徐に、執事は扉を手で引き、開ける。
外が、見える。
暗い、廊下が。
「行って、らっしゃいませ」
何だか急に、マイネリーベツヴァイがやりたくなったのでやりました。
二年前に買ったんだけども、鉄道爆破のミニゲームで失敗しまくり投げていた(w
ところが今回はすいすいクリアできちゃったよ。
その後一度選択肢をミスったのでもう一度やったけどクリアできちゃったよ。
というわけで、計2回クリアしたのですよ。w
あ〜えっとね、戦争という硬質の世界観ではあるけども…なんか腰が落ち着かないのね。
でも作戦に参加してるぞ!って気持ちが味わえる面白さはある。
個人的には面白い(w と思う。
他の人でガンダムと似てるからこれが好き!というレビューを見たけど頷けた。
全然違うように見えて共通点が…ww
ドイツもどきやミリタリーもどきが好きな人や乙女ゲームに戦いを求める人は…やってみてくれ。
遥か3と戦争が舞台な点では共通しているがちょっと違うらしい。
以上wikiやブログの受け売り。
あ〜お腹減った。
今日リアル世界で運命のイベントが起こるはずだったのだが、水面下で動いているはずのフラグが立たなかったのか、今日は起こらなかった。
ちぇーっ。
予定が立たん。