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A閑話休題(土方さん+新八くん)

*前記事の続き*


新八くんはそうやってうっかりと土方さんに己の心を露呈してしまったんですけど、土方さんのハンカチを借りてぐすぐす泣いてた訳ですけど、それからはたまに警ら中の土方さんに会ったりするようになり、少しずつ己の恋路を相談する仲になっていくのだろう。土方さんも土方さんで、何故なのか新八くんは放っておけないと言いますか。
目元を赤く染めて、無防備にぐすぐす言ってた新八くんの切なげな顔が忘れられない。

新八くんの事が心配な土方さんは、警らする時は絶対ハンカチを忘れないようにして出歩いてます。とりあえず新八くんに会った時用として。新八くんがまた泣き出したらすぐに貸せるように。土方さん……良い奴か(良い奴だよコノヤロー!)

けれども、土方さん的に一番ムカついてんのは銀さんがこんないたいけな新八くんに手を出してたってところですよ。

「(あんな未成年の、しかも男のガキに何をトチ狂ってやがんだあの糖尿野郎は。まともじゃねえ)」

って事です。でも不安定な新八くんの様子を見守っていると、何かその……銀さんの気持ちが分からなくもない。だって新八くん無防備なんだもん。その大きな瞳から溢れた涙のことを、ぽろぽろと涙をこぼしてた新八くんのことを想うと、何故なのか銀さんの劣情に共感できなくもない。
……あれ?土方さんも晋助と同じ経路で新八くんの事が気になっちゃってますけど!?さすがノンケ落としの異名をとる新八くん。


「(まあ……確かにどうも胸がざわつくっつーか、妙に居た堪れねェような感じはするな。あいつといると……)」

などと思い、ハッとしてぶんぶんと頭を振ってる土方さん。

「(な、何考えてんだ俺は?!違うからな、俺は万事屋の野郎とは違うんだからなァァァ!!??)」

って、テンパってる。そんな自分にめっちゃ嫌悪感を覚える土方さんなのです。そして、そんなざわつく心を鎮める為に鍛錬に精を出す。足繁く屯所の道場にも通います。おお、健康的。酒や煙管に逃げるんじゃなく、己の肉体を鍛える方向に行く土方さん。
てか普段からの激務の傍らに鍛錬もだから、そうとう己の肉体をいじめ抜いてます。自分の中にある劣情とか、絶対認めないのが土方さんなんです。


だから決して他のメンズのように新八くんを乱暴に押し倒したり、

「一回、一回出せば俺も話せるから。てかそうしねえと落ち着けねーんだよ、な?」(必死)

などと言って無理やり迫ったり、

「てめえはどうも頭が弱えなァ。まあ抱き心地に頭の良し悪しは関係ねえか(くっくっ)」

などの意地悪を言って新八くんをいじめて悦に入ってたりはしない(他のメンズ特定可能)


でもまあ、土方さんも健全な男子ではありますよ。だから新八くんとの会話の流れで、新八くんと銀さんの肉体関係についてに話が及んだ時はね、思わず煙草をギリィって噛み締めてる筈です。何かムカつくしやるせないし、でもまだ銀さんを庇っている新八くんがとてもかわいそうで。でも必死な顔の新八くんは可愛くて、何かモヤモヤして、ギリィって歯噛みしております。

けども、相手は新八くん。土方さんのそんなやるせない男心になんて気づけないから、結構普通に赤裸々な事実を喋っちゃいそう〜。晋助には絶対に絶対に喋んないのにね(警戒心の有る無しの違い)


「どうせお前のことだ。万事屋の野郎に無理に迫られたんだろ?無理やり……その、抱かれたのか?」

などと、バツが悪そうに目を逸らした土方さんから尋ねられましたら、新八くんも目元が朱に染まった恥ずかしげで色っぽいお顔をそっと伏せて、

「さ、最初だけは……そうでしたけど。でも銀さんだけが悪いんじゃないです。後々は僕だって……(もごもご)」
「……あ?何だ?お前……もしかして、野郎とは同意の上だったって言いてえのか?(愕然)」
「同意の上っていうか、僕も……銀さんが好きだから、銀さんとの行為自体は嫌じゃなかったです。むしろ待ち望んでた時すらあって。でもだからこそ、そんな自分が情けなくて、嫌で嫌でたまらなくて……(赤面)」

なぁんて、別に喋らなくていいことを喋ってるんですよ〜。優しい土方さんにはどんどん喋っちゃう。

この新八くんの告白に、土方さんは煙草を唇からポロリする勢いですよ。だってこんな幼げな新八くんの口から淫らな事を語られ、土方さんがビビらない筈がないんですよ。銀さんの気持ちが自分に向いてこないから関係を絶っただけで、好きな男に抱かれること自体は嫌じゃなかったとね、今の新八くんは言ってる訳で。

『どうせこいつの事だ。まだまだネンネだろうしな……そこを万事屋の野郎にいいように踏み散らされて。ひでえ事しやがる』

くらいに思ってた土方さんの予想とは違ったんだもん。大幅に違う。

それに土方さんはマジ動揺。唇から落とした煙草は諦めて次の煙草に手を伸ばすが、中々火をつけられない。カチカチカチカチとライターを忙しなく鳴らすが、全然つけられない。
しかしそれもそのはず、

「あ、あの。土方さん?煙草……逆に咥えてますけど。それじゃ火は点きませんよ」

って土方さん動揺し過ぎいィィィ!!??そりゃ逆に咥えてたら、煙草も火がつくどころじゃないってば!(土方さん)

「あ?……ああ、お前に言われんでも分かってる。その、これはこういう煙草なんだよ。リバーシブルだ」

っておいおい、動揺し過ぎて誤魔化しもおかしな方向に言ってるよ!んなおかしな煙草ある訳ねーよ!煙草にリバーシブルもクソもあるかよ!(だから土方さん)
でも新八くんだから、

「ああ、そうなんですね?ごめんなさい。どっちからも火がつくリバーシブルの煙草なんてあるんですね。初めて見ました」

おいおい、信じてんの?!土方さんが嘘言ったり誤魔化したりする筈ないって、信じきってるよ!(新八くん)
なんだかここには攻め不在ですよ。土方さんも新八くんも大概ピュアです。ピュアネスなお二人。

しかし土方さんはまだ信じられない。この清廉な新八くんが、こんないとけない新八くんが、銀さんとそんな事をしていただなんて。だから新八くんにまた尋ねてみて、やはりドカンと地雷踏んでしまう土方さんはカワイイ。


「まあ、なんだ……でも、お前も嫌だったんじゃねーか?なんだかんだ言ってお前も男だ。同じ男に乗っかられるなんざ、」(←必死)
「ええ。確かに……嫌な時もありました」
「だろう!?そうだろ!?ほら、嫌だったんだろ!」(←すごく必死)
「そ、外でとか……神楽ちゃんがいつ帰って来るか分からないのに、とか。そういう時は凄く嫌で。でもそういう時の銀さん、あの……僕じゃ絶対止められないんです(引き続き赤面)」
「っ?!」(絶句)


って、銀さんロクでもねえええ!もう大好き!青姦かよ〜そのうち書くよ!!(書くんかい)まあ興奮しきってる時の銀さんをね、こんな新八くんが止められる訳ないから。銀さんの手綱を取れる訳がねえ。
新八くんも新八くんで、土方さんの質問の意図を全然汲んでないね。基本はツッコミだけど、自分のことには天然ボケな新八くん。すげーかわいい。そんなんだから銀さんも晋助も以下略


まあ土方さんは絶句するわな。絶句して、もはや火がつきそうにない煙草をそっと携帯灰皿に捨て、青い空をふっと物も言わず見やって世界の不条理をギリギリと噛み締めて、絶句に次ぐ絶句ですよ。だって新八くんのたどたどしく幼い言葉で、そんな淫らなことをぽつぽつ語られてね。体格差も考えずにブチ犯してくる銀さんに色々されてた事をね、新八くんのちっちゃいお口が赤裸々に語る訳です。何かうっかりすると鼻血出そうにさえなりますよ(土方さん)

しかし、これが土方さんでなく晋助だったら、
「てめえは頭が足りねえどころか、堪え性すら足りねえな」
だのと嘲笑って新八くんをいじめ抜き、最終的には新八くんを犯してます(晋助)(お前も手ェ早えよ)



そうやって絶句する土方さんに感付き、新八くんはますます必死になって墓穴を掘ってしまう。

「で、でも、ちゃんと拒絶できない僕も良くないんです。いつも銀さんに……その、触られたりすると、だんだんと何も考えられなくなっちゃうんです。頭が真っ白になっちゃって。だから結局は銀さんの好きなように……」
「……。オイ」
「え?ハイ。何ですか、土方さん」
「誰の話をしてんだ、お前は(真剣)」
「ええ?いや僕の話ですよ」
「もう一度聞くぞ。それはてめえの話なのか?(引き続き真剣)」
「あ……はい。ごめんなさい。僕……いやらしくて」(土方さんの迫力に泣きそう)
「……いや、ガキのお前にそんなことしてる野郎が一番いやらしいから気にするな」(←正論)

土方さんはこの話が信じられないから、何回も確認しちゃう。そんな土方さんの真剣な顔はイケメンだからこそ迫力が凄くて、新八くんは泣きそうになっちゃうんだな。

「ったく、何考えてんだあいつは。お前みてェな何も分かんねーガキ相手に(イライラ)」
「……僕、たぶん自分でも思っている以上に頭が悪いのかもしれません。この間、別の男の人にもそう言われました。『お前がそんなんだから男の方もおかしくなる』とか何とか……」(←改めて晋助は何てこと言ってんの)
「あ?……ま、まあ、そういう見方もあるな。てかそいつ自体が既にお前にいかれてる可能性もある」(←正論)
「えっ!?いやそれはないと思いますけど。本当に意地悪っていうか、自分の意思を貫く強さはかっこいいんですけど、僕のことはいつもからかうようなふざけた人なんです」
「あん?……どうもお前の周りの男は似たような野郎がごろごろしてやがるな」(訝しげ)
「あれ?そうですかね?」

晋助の名前を伏せて恥ずかしげに語る新八くんに、整った眉根をひそりと寄せる土方さん。しかし新八くんのキョトンとした可愛らしい様子には最早何も突っ込めず。

「ああ……(色々悟り)……ま、お前の交流関係はだだっ広いしな。でも俺はこれだけは言わせてもらう。てめえの頭が悪いことはねーよ。むしろお前は聡いガキだ。総悟とはまた違った賢さがある。万事屋もそこを気に入ってんだろう」
「そうでしょうか」
「ああ。そうに決まってる。あと、てめえは何も悪くねえ。悪ィのは全部万事屋だ」

土方さんがあまりにもキッパリすっぱり言い切るので、新八くんもたじたじです。

「そ、そんなすっぱり言い切っちゃいますか?」
「当たり前だ。お前は何でも自分のせいにしやがる。その優しさが万事屋を増長させてんだよ。もっと毅然としてろ」
「は……はい!僕、もうちょっとしっかりします」

でも土方さんの厳しくも優しい眼差しで見つめられ、しゃんと背を伸ばします。新八くんは本当に素直。誰にでも心開くし。そんな新八くんに気付き、少しだけ柔らかな笑みを浮かべる土方さん。

「その意気だ。だからもうそんな顔すんな。てめえがそんなんだと俺まで……(もごもご)」(ちょっと頬赤い)
「あの、土方さん?」
「ん?」
「土方さんって本当に優しいですね。銀さんとも、たか……じゃなくて、さっき話に出てきてた人とも違います。土方さんとお話ししてると、僕……凄く心があったかくなります。元気付けてくださって、ありがとうございます。やっぱり土方さんは格好いいです(キュン)」
「だ、だから、礼なんざいらねーっつってんだろう。よせ。慣れてねえ。……まったく、うちの総悟にもてめえのような殊勝さが少しでもあればな(ふう)」


にっこりと微笑んでお礼を言う新八くんから、やっぱり土方さんはプイッと顔を背けてます。照れてる。ほら、身近に居る年下の子が沖田くんですからね。こんな風に素直な子にはあまり慣れてないの。
だからね、土方さんも新八くんを可愛く思ってるんですよ。すごくかわいくてね。すごく心配で。


土方さんは新八くんのことをそっと見守るナイトなのでしょうね。そんな土方さんが大好きだ。

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