全力疾走注意報

＊楽しかったので、遊廓な土新の妄想続きます＊


新八は、たぶん他のお客さまから、土方さんが真選組の副長さんであることを知るのでしょうね。何だろう、モブ隊士でいいや(いや適当)。
別の妓のお客で真選組のモブ隊士さんがいて、

(あ、土方さんが来てる服に、何か雰囲気似てるなあ……)

と思った新八が、名代(本命の妓がいないときの場繋ぎの役目)でついた時にでも聞いてみればいいよね。そして、土方さんのお仕事を知る、と。

新八は土方さんに聞いてみると思うよ。いつものように登楼した土方さんと、

「あの、土方さんは、“真選組”の人なんですね？しかも、副長さんとか」

「……何で知った」(ギロリ)

「いえ、あの、すみまっせんんんん！怒らないでください！(超絶怖いィィィ!!)」
(とりあえずすぐに謝る姿勢ができてる)

「いや、怒ってはいねェ。素だ」

「……は、はい(素でアレなのこの人ォォォ!!)」

というような会話を交わし(ツッコミ入れられない新八のやきもき感ったら)、

「他のお客さまから、ちょっと小耳にしました……」

とね。土方さんは、はあ、と嘆息し、

「知らなくていい」

と、短くなった煙草を灰皿に押し付けるんだ！でも新八は、知りたいからね！土方さんのことを知りたいよ。恋してるから。でも、知らなくていいなんて。遠ざけられたみたいで、胸が痛くなります。つかユカリ、本当に土新のすれ違い好きだな！飽きもせずにずっと好んでるな！(はい)

でもねえ、土方さんとしては、新八といる時は“真選組”の“副長”っていう看板は下ろしておきたかったんだよね。まあ、隊服で来てるからいずれかはバレるんだろうけど。

新八くんはね、胸の痛みを感じつつも、言いますよ。

「僕は、土方さんがどこの誰でも関係ないですよ。土方さんは、土方さんですから」

ふと優しく微笑みますよ。そしたら土方さんはさ、たぶんここで恋に堕ちた。咥えてた煙草も落ちた(やけど！)(色んな意味でな！)。

まあ、恋に堕ちたとは気付かないんだけどね(清々しく土方さん)。
でも新八のことを、何となく別のところに区分したはずですよ。心の中で。


それでね、土方さんは特に深くも考えずにこう言うの。

「お前は確か、ここから出られないんだな」

「？……はい。そうですよ。詳しくは、大門の外には出られないんです」

「出るにはどうしたらいい」

「ええ？出るにはって、……身請け、ですかね」

「“身請け”？」

「あ、請け出すってことですよ」

「じゃあ、身請けすればいいのか」

「……は？」

「お前を身請けする」

すんごい大真面目に言うよ。でも新八は目を真ん丸くして、

「止めてくださいよ、そんな。……身請けとか」

って、辞退すんのね。内心は凄く嬉しいんだけど！

「身請けって、凄くお金もかかります。僕の借金を全部見世に返して、その上でまた、見世にお金を払うんですよ。……それに、僕を囲いたいってことですか？」

少し切なそうな新八に、

「違う。……囲うとは考えてねえ」

と、やや憮然とする土方さん。

「なら、止めた方がいいです。身請けって、そういうことですよ」

「お前を外に出してやりたい。これだけじゃだめか」

「だめですよ。気持ちは凄く嬉しいですけど。気持ちだけでいいです。……ありがとうございます。でも、廓育ちの僕のことを請け出すなんて、社会的立場のある男のひとが言うのは間違ってます。世間に何て言われるか。それに、」

新八は、少し潤んだ目で土方さんを見つめて、

「僕を好きっていう気持ちがなければ、身請けするなんて簡単に言わないでください」

と。はっきりと傷付いた声で、表情で、言う。そりゃあね。新八は嬉しかっただろうけど。土方さんのやさしさで同情されたんだって、思っているからね。そんなの傷付けられるだけだからね。

土方さんはちょっと黙って、その日はもう話もしないで帰るよ。でも何か、新八のことをよく考えるようになるんじゃないかな！


……つうか、まだここまで二人は手もつないでないですよ！(どんだけ！)

やっぱり遊廓パロが好きなんですよね、相変わらずね(いや知らない)。この前妄想していたのは高新だったので、土新でも妄想してみた。

新八くんは廓の色子ということでいいですね、皆さん(当然のような切り口)。やっぱり売れてないと萌える。割りとお茶挽いてる子なんですよ。そして土方さんはまずね、花街に行かないでしょうね(始まらない！)。でも行かなきゃ出会わないので、そこはホラ、接待とかでね、仕事の関係で行ったことにしよう。

山崎だったら監察だから、潜伏とかもありだよね。昔っから、秘密話は座敷で、ってあるでしょ。攘夷浪士とかもね、馴染みの遊女が居るでしょうから、その手の捜査で花街に足を踏み入れたと。もしくはお偉方に付き合っての、完全な接待。または、幕臣の花街遊びの警護とか。

土方さんは結構、つーか一番仕事していますからね。その対比は、うちだと天パとテロリストですが(まったく比較にならない！)。

まあ仕事で仕方なしに廓にあがっていますから、当然まったく土方さんにその気はない。むしろ、そういうとこは凄く苦手だよね。だから指名、って言われてもピンとこなくて、

「適当なのでいい」

「いやお侍様、それはないでしょう。好みとか、もうちょっとないと。こちらとしましても……」

「じゃあ、大人しいのにしてくれ。うるさくねえ奴」(寝ようかと思っている)(お疲れ様っス！)

みたいな会話を、入り口で遣り手(客あしらいする人)としているといいな！きゃっきゃっ！(楽しくなってきた)

土方さんはねえ、本当にこういうの苦手。マジで(真顔)。部屋に通されても隊服の上着も脱がないね。刀も帯刀したままだし。会話も最低限だし。花街ではまず野暮の極みなんだが、見目が麗しいので許される。むしろ歩いてたら黄色い声をあげられています、花街でも(いやマジ得な人)。

それで、部屋に通されますよね。“大人しいの”っていう注文にならい、新八が来るんだけどね。

「ようこそいらっしゃいませ、土方様」

としずしずと三つ指ついてお辞儀をした新八が、お酒を注ごうとしても、

「酒はいい。仕事で来てるからな」

と、無下に断る土方さん。え、と固まる新八(だろうな)。

「あの、お侍さんなんですね？その、腰の……」

「ああ」

会話が広がらない、広げない土方さん(好き！)。新八は困っちゃうよなあ。

(何なのこの人、やたら格好いいけどメチャメチャ怖いんですけどォォォ！！)

と内心ガクブルしつつ、何とか話を広げようとしても、

「じゃ、じゃあ、台の物(お食事)でも取りますか？僕、速攻で頼んで来ますから」(焦るあまりちょっと素が出てる)

「いらねえ。……布団敷いてあんだろう、どこだ」

ふう、と紫煙を吐き出し、事も無げに立ち上がる土方さん。普通に隣の寝間に続く襖をスパンって開けそう。客がそうするとか、たぶん廓の作法的にありえんよな(土方さん！)。

そしたら新八はめっちゃビクッとして、

「え？！は、はい、ただいま！」

とか言って、着物をやにわに脱ぎにかかるんで。

(何なのこの人ォォォ!!色々すっ飛ばした！すっ飛ばして布団行った！)

とか考えてる(素直な子)。でも土方さんは普通にそんな気はなく、

「オイ待てガキ、脱ぐんじゃねーよ」

と。「へ？」と顔を上げる新八にですね、

「一時間だけ寝るから、時間が来たら起こせ。そしたら出る」

って言い付け、普通に一人で寝ます。紅の三つ重ねの布団でね！(パロでも土方さんは土方さん)。


いやー、疲れてるんでねえ。副長は。仕事に追われてますから、仮眠できる時にしたいんですよ。かと言って接待中に仮眠とか、しかも廓でとか、色々間違ってる気がしなくもない(いや間違ってるよどう考えても)。でも土方さんだからいいの。土方さんだから許そうや(やっぱりな！)。

新八はねえ、普通にびびるわ。高いお金払って寝に来たよこの人、とか思ってガクブルですよ。でも面倒くさくはないので、変わったお侍さんだなあ、と思いつつ、そっと寝かせてあげるんだろうな。

それでね、土方さんが次回も、その次も登楼するようになったら、かならず新八を指名するからね！最初は新八の名前も知らないんだよ。知るつもりもないし。情を移したくないからね、他人に。だから呼び掛けるのも、「おい、眼鏡」か、「おい、ガキ」くらい(萌え)。新八も、「土方様」だから。

でもだんだん、少しだけ打ち解けて、「新八」「土方さん」呼びになるんだ！そのうち！そしたら他愛もない話もするようになっていって。

「土方さんはどんなお仕事をしているんですか？」

「一言で説明できねえ。まあ、帯刀が許されてる仕事ではあるな」

「今のご時世に帯刀してるんだから、エリートですね」

「んないいモンじゃねえよ。刀振り回して死んでくエリートなんざいるか」

「えっ、死？！……はは、土方さんが言うと冗談に聞こえないですよ」


……あれ、ちっとも他愛もない話じゃないんですけど(真顔)。おかしい……でもまあ、土方さんだからね？(合言葉か何かか)。

新八が土方さんが真選組の副長さんであることを知った時とか、どんななのかな！つかこの二人にラブは生まれるのか、否か(そこから)。

うん。でも、生まれると思う。つうか、アレ、最初は新八が片想いすんだろうな。好きになっちゃうわ。今までで初めて見たタイプだろうしね。

……すんごい長くなったから終わる！(ここでか！)