けんちゃんに痛いくらい掴まれた。

今さら私に何の用があるというのかしら。


『僕はねーさんとずっと一緒にいたいんです! ホントです!』



まだそんなこと言ってる。


だんだん腹がたってきて、
ガマンしてたものが爆発した。







『私だって、けんちゃんと一緒にいたいよ!

ずーっと一緒にいたい。

どこにも行ってほしくない。

けんちゃんが遠くに行くなら私もついて行きたいの!』





なりふりかまわず泣き叫んでしまったんだと思う。

気付くと
しゃくり泣きしながら、
けんちゃんに抱きしめられていた。




さっきまで、
けんちゃんの涙を拭ってた私が、

今度はけんちゃんに
涙と鼻水を拭いてもらってる。




バカな男と女の、
情けない姿が 露呈されたカタチとなった。




でも、
この時口から出た言葉は、
きっと私の本心。


頑張って夢を叶えて、
とか

他に好きな人が出来たら、
私のことなど忘れてね、 とか…



もっともな事をたくさん言ってきたけれど、

全部キレイごと。