本日二度目まして(*・ω・)ノ
今週は実家に帰らない為に彼氏さんと一緒にお布団ごろごろなうな私です。ご機嫌よう!
さてさて。絶望花お題も、これでようやっと締めでございます(´∀`)長…かった…
もう、最初から最後までシリアス尽くしの、後味悪いぜ系ばっかりだったので、最後は、少し後味を気にして書いてみました(・ω・)ほんの少しですが←
因みに、このお題、総覧すると
イトスギ「死」朝
現パロ蘭光 シリアス死ネタ
ムスカリ「失望」夜
信光 狂気まじりシリアス
ケシ「忘却」夜更け
三光 ダークシリアス
メハジキ「憎悪」薄明
長光 シリアス
鬼灯「偽り」黄昏時
幸光前提兼光 シリアス裏
金盞花「悲嘆」夕
濃→光 シリアス
アリウム「無限の悲しみ」昼
家光 シリアス
マツムシソウ「私は全てを失った」午後
コタ光 シリアス死ネタ
睡蓮「滅亡」正午
慶光 狂気シリアス死ネタ
クワ「ともに死のう」午前
親光 ゆったりシリアス
…と、こーんな感じになります。
あ、これ見てないかも…とかございましたらカテゴリの『バトンお題小説』で探されましたら見付けやすいかと思いますので、どうぞ(*^_^*)読んでみてください。
で、なんとなーく気付かれてた方もいらしたかもしれませんが、これ、全部カップリングと時間帯を変えて書いてました(・ω・*)
まあ、時間帯はどうしても被ってしまうとこがでるので、時間の呼び方に差が出るところで名前を変えたりしましたが(´∀`;)
でも、カップリングは頑張りましたよ!
なるべく主要なとこを全部いれようと思いまして(・ω・´)…まあ、OROCHI系の方は出せませんでしたが。←こら
…と、長話はこの辺にして、そろそろ本題に入りましょうか(*^_^*)
↑でチラッと…でなく堂々と書いちゃいましたが、最後は、親光のゆったりシリアスになりますです(・ω・´)新しいでしょ!←←
時間軸的には天海時代も最後の方、天海さんが亡くなるちょい前くらいです。死ネタ…になるかは、怪しいラインです。元親さん既にお亡くなりになってますし…。
で、お題ですが『ともに死のう』と、いまの時間帯『午前』でいきます。
ではでは。大丈夫そうな方は追記へどうぞ。
『クワ』―――ともに死のう。
ヒュッと吹いていった寒風に身を晒し、ある墓石の前に静かに佇む。
「では、天海さま。お昼頃になりましたら、お迎えに参ります」
「ありがとうございます」
案内の者に礼を言うと、用意してきた花束と火を付けて運んできた線香を供えた。
「摩訶般若波羅蜜多心経…。観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄…」
そっと手を合わせ、彼が好きだと言ってくれた声が少しでも綺麗に通ってくれるように気を遣いながら、経を唱える。
「…十方三世一切仏、諸尊菩薩摩訶薩、摩訶般若波羅蜜」
一通り唱え終わると、静かに目を開き、墓石を見た。
「…本当は、音律の美しい四弘誓願のほうが貴方好みでしょうが、あれは、ちょっと墓参には適さないので、此方で我慢してくださいね、元親殿」
くすっと笑み、まるでそこに彼が佇んでいるかのように墓石に甘く視線を送る。
彼が亡くなり、私だけが生き残って、家康殿お抱えの僧なんかになって、なんだかやたらと私を敵視してくるお坊さんに睨まれながらも日を過ごして…、一体、どれくらい経ったのだろうか…。
こうして月に一度、元親殿のところにやってくるのだけが楽しみの、霞のような生を…、私は、あとどれだけ重ねたら、元親殿の元へ行けるのだろう。
「…元親殿、…私、もう疲れちゃいました」
惰性的に生を生きていくことも、お寺の中でさえ起こる、覇権争いにも…。
「…何故、私の脱け殻を摘んでくださらないのです、元親殿…」
明智光秀という男は、確かに、貴方とともにこの世から消し去れました。でも、私は…?愛した貴方のいない世界に独り取り残された私は、どうしたらいいのです。
す…と腕を伸ばして墓石に指先を触れさせ、軽く引っ掻くようになぞる。
「…"私"も、貴方とともに彼岸にありたい、元親殿…」
あの時、本当に死んでしまえたら良かった。…そう思ったのは一度や二度じゃない。
でも、秀吉殿や家康殿に無理矢理生かされ、今では、首に刃物を当てただけで、どこの誰とも知れぬ忍に後ろから取り押さえられるという始末だ。
「…剣の腕には自信があったのに、自害すらできないなんて…、情けないですよね…」
自嘲するように呟くと、ひとつ息を吐いて、蒼く澄む空を見上げた。
ともに死のうと決めたあの日、確かに私の心はあの場所に置いてきた。けど…、
「脱け殻だけが此方にあるのも、存外、辛いものですね…」
貴方のことですから、それもまた凄絶に愉しめーとか彼岸で言っているのでしょうけど。
頭の中に流れた元親殿の声に、くすっと笑みを浮かべると、屈んでいた膝を伸ばした。
「…でも、もうそろそろ潮時ですよね。私も随分と年を取りました」
たくさんの人に愛でられた黒髪も、白くなってしまって久しい。
「よっこらせ、とか言っちゃう程度には確実にお爺ちゃんになってます、私も」
呟きながらも苦笑する。
市井にまことしやかに流れる、大寺院の僧侶は七十八十になっても艶めかしいとかいう噂は私を指すものだとか家康殿には言われましたけど、その家康殿さえ亡くなって随分経つんです。七十八十どころか、百の字も見ました。
「私、恐ろしく長く生きましたよね…」
その半生を走り抜けるように駆け、たくさんを得て、たくさんを失った。
「老後は貴方と気儘に船旅、なんて夢見た日もありましたが、未だに働かされていますし、世間は年寄りを働かせすぎです」
…まあ、それは、昔からそうだったか…と、元就殿を思い出して苦笑する。あの方も凄いお年まで働かされていたし。
「彼岸では、若い頃の見た目に戻れるといいんですけどねぇ…、どうでしょうかね」
蘭丸なんか、多分ものすごくピッチピチだと思うし、私だけお爺ちゃんなのは、ちょっと嫌だなぁ…とか思いながらため息を吐く。
多分、お爺ちゃんのままでも、貴方が愛でてくださるだろうことは確実でしょうが、やはり若い方がいいです。見た目的にも。
うん。と頷いていると、遠くから、案内の者の近付いてくる足音。
「…お迎えが来ちゃいましたか。…また参りますね、元親殿」
最後にもう一度墓石を撫でると、私は、また苦界に戻っていった。
fin.