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空を飛ぶあの人に
私は手が届かない

けれどもあの人は
ほんの少しの優しさをもっていて
私の足元に
掴めない影を落とした

触っても
その温度はあの人のものではなく
地面という別の温度

掴みたくても
手にとるのは小石や砂ばかり
あの人ではない


あの人に触れたくて
あの人を掴みたくて
爪をボロボロにしても触れることは許されない


雫がぽとり
あたたかい涙がぽとり

地面を湿らせれば
あの人の影と一緒になれる


けれどもそれを照らす太陽が
地面にこぼした雫を拭い取って
「お前はひとり」と言い放つ


そのうちあの人はまたどこかへ飛び立って
その地面に取り残されるのは私だけ
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