長編の名前変換を一括でできるように設定しました。
一気に読む時とか面倒だと感じた時があったので、これは嬉しい設定だと思い、ただ手直しが面倒だという事で今まで直していませんでした。
これなら章ごとに名前設定しなくて済むから管理人からしても楽かも。
明日は親とディズニーランドに行ってきます。部活の追いコンの準備は全て他の部員に投げて、自分だけ楽しみに行くのですよ(笑)
バレるといろいろ面倒なのでお土産云々もなし。ただ、お店巡りは好きなので自分のお土産は買います。
アー楽しみ。もうじき親が来るけど部屋の片づけしてないという惨劇。絶対怒られるー。
白い部屋、白いベッド、白い服、白い髪、白い肌。
生まれた時から、おれの周りはその色しかなかった。
目の色は知らない。抉ってみれば見れるのかもしれないけど、痛いからしなかった。
ニンゲン達は白いマスクに白い帽子、白いゴーグルをかけていたから、ニンゲン達がどんな色をしているのかを、おれは知らない。
生まれてからずっと空腹で、それが満たされる事はない。
何か食べたいけれど食べるものなんか此処にはないし…ああ、血が飲みたい。
…あれ?チ、って、何?
どうして“此処には”なんて言ったんだろう?
おれは生まれた時から此処にいた筈で、此処以外の世界を、知らない筈なのに。
あれ?此処以外の世界を知らなければ、そんな表現はできない。
おれは、違うセカイを、知っている?
おかしい、可笑しい、オカシイ。
何かが、違う。
歯車が一つ足りなくて空回りする樞(カラクリ)のように、ピースが足りなくて完成しないパズルのように。
何か大事なものが欠けて、全てが噛み合わない。
“ ”
誰かの声が、聞こえた気が、した。
あなたは誰?何を言っているの?
聞こえない、思い出せない。
あれは誰で、何を言っていたのか。
くるくる、狂々
噛み合わない歯車が、それでも必死に回り続ける。
“ ”
あなたは、ダレ?ナニを、言ってイルノ?
がんがんと頭が痛む。それはまるで警鐘のようで、これ以上思いだしてはいけないような気がする。
それでも、おれは、知りたい。
例えそれがパンドラの箱であったとしても。
シュレティンガーの猫のように、箱を開けてみなければ、わからない。
“ ”
ニンゲンが慌てて白い部屋に入ってくる。
もう少し、もう少し。
“ ”
床に組み伏せられ、注射器が迫る。
“ ”
あなたは、きみは、おまえは、
“ ”
おれの、愛した、
“ ”
ああ、それは、
“ ”
その、言葉は、
“ ”
おれの、名前だ。
赤くなった部屋、赤くなったベッド、赤くなった服、赤くなった髪、赤くなった肌。
そしておれの目は、赤い色だ。
赤くなったニンゲン達は、動かない。
“ ”
愛しいあいつが、おれの名を呼んだから。
おれは全てを思い出した。
背中から、黒い翼が現れる。
腹は満ちた。時も満ちた。
さあ、全てを壊して、貴方に、君に、お前に、逢いに行こう。
end