ゆうじクンと
喧嘩をした



アタシの後輩が
ゆうじクンに
相談事をした


内容はいっしょに
やっていたバンドに
ついて



「○○さん、可哀想だょ」


仕事から帰って
一番最初に
ゆうじクンから
そんなことを言われた



なんで
ゆうじクンに
そんなこと言われなきゃいけないの
と、一瞬イライラしたものの
冷静に事情を話した



だけど
ゆうじクンの意見は変わらず


最終的には
誰かのこだわりで
誰かが傷つくなら
そんなの間違ってる
と言われた



なんだかもう
何にも言えなくなって


アタシは
あ、そう
と呆れてしまった



仕事着から
家着に着替えて
ゆうじクンに背中を向けたまま
目をつむった


ただ、後輩と
後輩ばかり
味方するゆうじクンに
モヤモヤする自分が情けなくて
気がついたら泣いてた



夜中、ふと
目を覚ますと
ゆうじクンがアタシのお腹を触っていた


びっくりして
起き上がろうとすると
羽交い締めにされて
口を塞がれた



「嫉妬したなら嫉妬したで素直になれょ。置いてけぼりにされたのはオレの方だぞ」



暗闇でゆうじクンの
声だけが間近に感じた


アタシは上がった息を
整えるとゆうじクンの方へ向き直った



そこからは
お互いにしっかり
話し合いをした


後輩に
嫉妬しただけでなくて
アタシがどんなとこで
イライラして
何に引っかかっていたのかを説明した


ゆうじクンも
冷静に話して聞いてくれた



結果
ある程度
お互いにお互いの
主張がわかった


「何だか寂しかったょ。オレはいつでも構えてるのに、まゆは何だか冷静で、嫉妬とか甘えたりとか全然しなくて」


それを聞いて
過去にユウトにも
同じことを言われたのを
思い出した


他責にしない性格は
自分としては
他人に誇れる部分だけど
それだけぢゃ
寂しい想いをさせる
人がいるってことに
改めて気がついた