(藤原眞莉 著)

4冊目は前世将門編。
葛葉と保名の最後の会話は印象深かったです。
保名と晴明を想って離れた葛葉と、葛葉の想いを汲み取って戻れと言えない保名の掛け合いが歯痒いですね。好きです。
京の四角四面が息苦しくて好きじゃない。保名は何も持っていない。東の地や将門と京の保名を比べて無いものを探し出して今の自分を正当化しようともがいても、結局は保名を愛してやまないのに将門に惹かれてしまうどうしようもなさを噛み締めることになる葛葉。
しかし、以前読んだときは保名健気や…と思っていたのですが、今は罵られた方が楽になれるという葛葉の心境も十二分に理解できるようになりました。不実な事を理解しながらも止められないときは、いっそ罵倒でもされた方が冷静にスッキリ区切りもつけられるよなーと。
ある意味で永遠に葛葉の心に残り続ける形になったのはまさに呪詛。

青臭い晴明も可愛いです。