「あ”?」
紅千小話の総称を「星屑コミュニケイション」にします。次からは紅千の表記とか取っ払います。ベースは紅千なのは通してです。
スーパーノヴァ感想の時に妄想していたヒーローと悪役の友情ENDステージのネタを引っ張ります。
「ヒーローになりたいたった一人君にとっての〜♪」
はい。たった一度だけの千秋さんだけのヒーローな紅郎さん。悪役のX仮面ですけどね。そのデザインが↑です。嫌々ながらもそれっぽい演技してくれるはず。
スパノヴァ感想の時は「千秋さんが紅郎さんに勝負吹っかけて勝った」という設定にしていましたが、『四獣』にて無敗と言っていたのでこの設定変更します。
千秋さんに借りというか負い目がある事態が発生して、その借り返しにこのステージに立った流れになりますが、その辺出せたらな。と思います。
じゃあ『硬派』での演技初めてっぽい部分は?と考えるとあさっての方向を向きます。これ、オルタの時の紅郎さんだから、鬼龍紅郎での演技は、また別のお話…(苦しい)
バレないように髪の毛黒にして、バイザー装備。ほらこれで誰にもバレない。ご都合まかり通る。
バイザーキャラ…と初めに思い浮かぶのが「鉄コミュニケイション」のアンジェラさんです。てつ、じゃなくて、くろがね、って読みます。てつコミュだったらまんま紅郎さん。
98年のアニメーション作品ですね懐かしい。主人公は堀江さん。
というわけでX仮面のデザインもアンジェラさんを意識しつつです。
タイトルもオマージュさせて頂きました。あんまり重たくないタイトルだからこちらも気軽です。
明日からの追憶、紅郎さんが出るので語られなかった過去が出てくるかと思うとザワザワします。
2017-7-30 23:57
あんスタ紅千「総称決めました」
2017-7-30 08:28
あんスタ紅千「皐月事変4」
2017-7-29 08:48
あんスタ紅千「皐月事変3」
鬼龍がレッスン室の扉を開くと第一声に。
「で、隊長は今回なにやらかしたんですか?」
「また何をやらかしたでござるか」
「あらら〜」
「俺にもさっぱりわからん!」
「……お前が原因って所は否定しないのかよ」
「あ。大将!」
流星隊一同はレッスン室のど真ん中で頭を付き合わせていた。
「大まかなことは皆に説明したっす!」
鬼龍の来訪により件の二人が揃ったのだ。状況を初めて目にする仙石と高峯、深海は事の真相を見守る。まず誰彼に元気の良い挨拶を第一声目に行うところだが、それがない。何時もと違うことだけは伺えるが、見慣れた光景を光景を目にしている面々にはにわかには信じがたいものだ。
南雲の視線の先を必死で追うようにして守沢が鬼龍の位置を辿ろうとする。
「あの、隊長…本当に全く鬼龍先輩のことが見えていないんですか?」
「拙者から見たら何時もの光景に変わりないようにみえるが…」
高峯と仙石が一緒に頭をひねった。
「そうっすよねぇ…正直未だに変な感じっすよ」
「う、うむ……。俺には鬼龍がどこにいるか、全然…まったく分からないんだ。お前たちがいたら何となく視線の持っていき方で方向は分かりはするのだが、正確な位置は分からないし、なんと言っているのかも、分からないんだ…」
言葉にしながら困惑してきた。わからない状況が多すぎて、どこから手をつけて考え始めればいいのかすらわからなくなる。
「『あかおに』さんはちあきのことはっきり『みえる』んですよね?」
「おう。ほらよ」
「うわっ!」
肩に手を置いただけで幽霊にでも触れられたような叫び声だ。ようやく南雲から受けた説明が現実のものだと飲み込めた。
「ずっと一緒なら手を繋いでおけばいいと思うけど…」
「それは羨ましいっす!俺も大将と手を……?う〜みゅ、それは何だかいけない気が…」
「手間はかからねぇが、俺達が手を繋いで歩き回ってちゃぁ変な目で見られるだろう。守沢以外には普通に見えてるんだからよ」
「っすよね」
後輩は三者三様に仲良くお手手つなぎながら学園を往来する二人の姿を思い浮かべる。決して微笑ましく眺められる光景ではない。しかもただでさえ学園内で名の知れ渡っている二人だから目立つ事この上ないだろう。
「『ばつ』げーむのたすきをかけておきますか?すこしくらい『かもふらーじゅ』できますよ」
「なるほどな。タスキ作りなら任せろ」
「そこ頑張らなくていいっすから!もう!」
脱線しつつある会話に脱力する。確かに一日中程度ならそれでなんとか誤魔化せるかもしれないが、当面終息の手が見つからないのである。明日ぽっと治ればそれに越したことはないのだが。
さて。目の前で交わされるやり取りに頃合を図りかねている守沢の様子に南雲が気付いた。鬼龍は何か言ったのか?と聞きたくてうずうずしている様に一つ咳払いし、そうでしたね、と鬼龍の言葉を復唱する。別に声音を真似しなくてもいいのだが、南雲なりに鬼龍の言葉をできる限りそのまま伝えようとしている。
「手旗信号みたいなものがあれば…いいと思うんだけど。イエスかノーくらい伝われば…」
「手旗……信号……合図…………あ!それなら!」
高峯のその言葉にはっと何かひらめいた仙石が鞄を漁る。取り出したのはカエルの人形と小さな鈴のついたストラップだ。
「これは如何でござろうか」
「わぁそのカエル可愛い」
「転校生殿からいただいたでござる。鬼龍殿にこれを持っていてもらうのはどうだろう?忍とは例え闇の中でも音さえあれば動きを感知するもの。隊長殿も音を頼りにすれば幾分か鬼龍殿の姿も認識できるやもしないでござる」
鈴を二回振ってみた。
チリンチリンと軽やかな音に守沢の身体がピクリと反応する。
「お!聞こえるぞ!」
その声にまたチリンと鈴を鳴らす。
「おお!凄いな仙石妙案だ!鬼龍!」
相槌を打つように鈴が鳴る。守沢が嬉しそうに顔を赤らめた。会話とまでは行かないが、誰かを介せず意思の疎通ができることだけでも心苦しさが和らぐ。
三人寄れば文殊の知恵。まさか忍者の極意が役に立つ日が来るとは!お役に立てて拙者も嬉しいでござる、と感涙しながら深海からいい子いいこ、と頭を撫でられる仙石。うちの子供たちはこんな俺のために知恵を振り知り絞ってくれて…っ、目の端に涙を浮かべ息子の成長を見守る父親のような心持ちで眺めた。
一つ前進に向かったところで改めてライブの練習に入るようリーダーは促した。まずは柔軟に取り掛かる面々の後ろ姿を見ながらそれでも未知に対しての不安は消えはしない。
「…戻るよな、きっと」
ポツリと呟いた。その言葉は誰に聞かせる為のものでは無かったのだろう。独白はすぐそばに居た鬼龍にだけ聞こえたものだった。
「…そうだな」
と、返した鬼龍の言葉は守沢には届いていない。
-------------------------------------------
閑話。
一年ズに癒される。
「で、隊長は今回なにやらかしたんですか?」
「また何をやらかしたでござるか」
「あらら〜」
「俺にもさっぱりわからん!」
「……お前が原因って所は否定しないのかよ」
「あ。大将!」
流星隊一同はレッスン室のど真ん中で頭を付き合わせていた。
「大まかなことは皆に説明したっす!」
鬼龍の来訪により件の二人が揃ったのだ。状況を初めて目にする仙石と高峯、深海は事の真相を見守る。まず誰彼に元気の良い挨拶を第一声目に行うところだが、それがない。何時もと違うことだけは伺えるが、見慣れた光景を光景を目にしている面々にはにわかには信じがたいものだ。
南雲の視線の先を必死で追うようにして守沢が鬼龍の位置を辿ろうとする。
「あの、隊長…本当に全く鬼龍先輩のことが見えていないんですか?」
「拙者から見たら何時もの光景に変わりないようにみえるが…」
高峯と仙石が一緒に頭をひねった。
「そうっすよねぇ…正直未だに変な感じっすよ」
「う、うむ……。俺には鬼龍がどこにいるか、全然…まったく分からないんだ。お前たちがいたら何となく視線の持っていき方で方向は分かりはするのだが、正確な位置は分からないし、なんと言っているのかも、分からないんだ…」
言葉にしながら困惑してきた。わからない状況が多すぎて、どこから手をつけて考え始めればいいのかすらわからなくなる。
「『あかおに』さんはちあきのことはっきり『みえる』んですよね?」
「おう。ほらよ」
「うわっ!」
肩に手を置いただけで幽霊にでも触れられたような叫び声だ。ようやく南雲から受けた説明が現実のものだと飲み込めた。
「ずっと一緒なら手を繋いでおけばいいと思うけど…」
「それは羨ましいっす!俺も大将と手を……?う〜みゅ、それは何だかいけない気が…」
「手間はかからねぇが、俺達が手を繋いで歩き回ってちゃぁ変な目で見られるだろう。守沢以外には普通に見えてるんだからよ」
「っすよね」
後輩は三者三様に仲良くお手手つなぎながら学園を往来する二人の姿を思い浮かべる。決して微笑ましく眺められる光景ではない。しかもただでさえ学園内で名の知れ渡っている二人だから目立つ事この上ないだろう。
「『ばつ』げーむのたすきをかけておきますか?すこしくらい『かもふらーじゅ』できますよ」
「なるほどな。タスキ作りなら任せろ」
「そこ頑張らなくていいっすから!もう!」
脱線しつつある会話に脱力する。確かに一日中程度ならそれでなんとか誤魔化せるかもしれないが、当面終息の手が見つからないのである。明日ぽっと治ればそれに越したことはないのだが。
さて。目の前で交わされるやり取りに頃合を図りかねている守沢の様子に南雲が気付いた。鬼龍は何か言ったのか?と聞きたくてうずうずしている様に一つ咳払いし、そうでしたね、と鬼龍の言葉を復唱する。別に声音を真似しなくてもいいのだが、南雲なりに鬼龍の言葉をできる限りそのまま伝えようとしている。
「手旗信号みたいなものがあれば…いいと思うんだけど。イエスかノーくらい伝われば…」
「手旗……信号……合図…………あ!それなら!」
高峯のその言葉にはっと何かひらめいた仙石が鞄を漁る。取り出したのはカエルの人形と小さな鈴のついたストラップだ。
「これは如何でござろうか」
「わぁそのカエル可愛い」
「転校生殿からいただいたでござる。鬼龍殿にこれを持っていてもらうのはどうだろう?忍とは例え闇の中でも音さえあれば動きを感知するもの。隊長殿も音を頼りにすれば幾分か鬼龍殿の姿も認識できるやもしないでござる」
鈴を二回振ってみた。
チリンチリンと軽やかな音に守沢の身体がピクリと反応する。
「お!聞こえるぞ!」
その声にまたチリンと鈴を鳴らす。
「おお!凄いな仙石妙案だ!鬼龍!」
相槌を打つように鈴が鳴る。守沢が嬉しそうに顔を赤らめた。会話とまでは行かないが、誰かを介せず意思の疎通ができることだけでも心苦しさが和らぐ。
三人寄れば文殊の知恵。まさか忍者の極意が役に立つ日が来るとは!お役に立てて拙者も嬉しいでござる、と感涙しながら深海からいい子いいこ、と頭を撫でられる仙石。うちの子供たちはこんな俺のために知恵を振り知り絞ってくれて…っ、目の端に涙を浮かべ息子の成長を見守る父親のような心持ちで眺めた。
一つ前進に向かったところで改めてライブの練習に入るようリーダーは促した。まずは柔軟に取り掛かる面々の後ろ姿を見ながらそれでも未知に対しての不安は消えはしない。
「…戻るよな、きっと」
ポツリと呟いた。その言葉は誰に聞かせる為のものでは無かったのだろう。独白はすぐそばに居た鬼龍にだけ聞こえたものだった。
「…そうだな」
と、返した鬼龍の言葉は守沢には届いていない。
-------------------------------------------
閑話。
一年ズに癒される。
2017-7-22 14:58
あんスタ紅千「皐月事変2」
「紅郎ちん、今日はずっと携帯気にしてるな。何かあったのか?」
「おう。仁兎。いや、ちょっとな…色々とな…」
どれくらい呆けていたのか。手の内に収まる携帯の真っ黒になった画面をぼんやりと眺めていたようだ。辺りを見渡せば放課後のHRも終わり、教室は自分と仁兎だけになっていた。
面倒事、といえばかなりの面倒事ではあるが、そう言ってしまえば事の当の本人が落ち込む姿が目に浮かぶ。
「言いづらい事は無理には聞かないけど」
濁した物言いに常とは違うものを感じ取ったのか、仁兎も深くは追求をして来なかった。
「もしも悩んで一人じゃどうしようもないときは俺が相談に乗るぞ。それで解決できるかはわかんないけど…言わないよりはマシになるかもしれないだろ。どんと頼ってくれ!何たって紅郎ちんよりにーちゃんだからなっ」
ニシシと犬歯を見せながら笑う。
仁兎は一ヶ月前に誕生日を迎えた。鬼龍の誕生日は年を越えてからだから、同輩といえど一年のうちで仁兎が年上と言い張れる時期は長い。
家では長男で、もちろん兄はいない。以前の荒くれていた頃には目上の人間を兄貴と慕ったことはあるが、こうやって穏やかな日常の中にも自分の兄たる存在がいるのか。
実際、色々抜けているところはあるが、仁兎は頼りがいのある男だ。Rabitsという自分の家を持ったからかもしれないが、元来このような兄貴分の素質は持ち合わせていたのだろう。
しっかり頼れと胸を叩く。いざとなった時に相談に乗れる存在があるだけでも幾分今の状況に気持ちのゆとりが生まれた。
「おう。そんときゃ宜しくな。頼りにしてるぜ兄貴」
兄という言葉が嬉しかったのか、「任せとけよ」と顔に似合わず男前な返事で鬼龍の眉間の皺をぐりぐりと一押しし、教室を去っていった。
「本当にな、何があったんだ?」
再び独りになった教室で事の顛末を振り返る。
『守沢千秋は鬼龍紅郎が見えなくなった』のだ。
昨日の昼の出来事だ。外傷もなく、目の異常でもない。打ち所が悪かったのかもしれないと念のため急ぎ診てもらったが、それでも特に異常はなかった。
その前の日までは普通に話していたのだ。なんせ近くに行われる流星隊のライブについての衣装を請け負う話を付けたばかりだ。
そして一夜経った今のところ原因も不明で一過性のものかも分からず解決の兆しも何もない。
鬼龍からしてみれば、守沢の姿も見える、声も聞こえる。なんら日常は変わらないのだ。
世界が変わってしまったのは守沢ただ一人である。彼の世界から鬼龍だけが消え失せたのだ。姿も見えず、声も聞こえないらしい。さっぱり意味が分からない。
(まあ、触ればいる事は分かるみてぇだが…)
逆に姿が見えないものに触れられるのだ。そりゃ驚かれる。どうにかして意思表示をした後に触れなければならない。声をかけても聞こえていないのだ。状況を知っている南雲がいるなら彼を通して伝えられるが。
『大将が腕を触るぞって言ってるッす。…ちょっとこれ恥ずかしいっすね』
だろうな。
四六時中南雲を通すわけにもいかず、どうしたものかと考えあぐね、現状は携帯のメールで意思表示をすることにした。
(横にいるのにメールでのやり取りってのがどうにも面倒くせぇ……せめてでも電話が出来たらいいんだが…声が聞こえないのはここでもみたいだしな)
日頃から頻繁にはメールをしない自分にとって、数分のやり取りだけでも辟易する。何時もは蓮見の旦那のメールに内容の是非の意を添えたメールを返すだけなのだが、今回は自分から文面を考えて発信することも増える。そこを気遣ってか、昼に守沢から午後の大まかな活動状況のメールが送られてきた。『何時くらいには何をしている、もしも尋ねてくる場合は連絡をくれ』と。その最後の文には『面倒ごとに巻き込んですまない』そう書き記されていた。
(お前ぇだけに原因があるって決まったわけじゃねぇんだから、謝んなよ…ってここで考えていても仕方がない。守沢のメールに書いてあった通りなら今からレッスン室でライブの練習だな。衣装の型あわせにでも行くか)
うっし!パンと顔を叩く。気合入れだ。
--------------------------------------------
閑話。
未だにスマホと書くのに抵抗があるので文面では携帯と書いてしまいます。
「おう。仁兎。いや、ちょっとな…色々とな…」
どれくらい呆けていたのか。手の内に収まる携帯の真っ黒になった画面をぼんやりと眺めていたようだ。辺りを見渡せば放課後のHRも終わり、教室は自分と仁兎だけになっていた。
面倒事、といえばかなりの面倒事ではあるが、そう言ってしまえば事の当の本人が落ち込む姿が目に浮かぶ。
「言いづらい事は無理には聞かないけど」
濁した物言いに常とは違うものを感じ取ったのか、仁兎も深くは追求をして来なかった。
「もしも悩んで一人じゃどうしようもないときは俺が相談に乗るぞ。それで解決できるかはわかんないけど…言わないよりはマシになるかもしれないだろ。どんと頼ってくれ!何たって紅郎ちんよりにーちゃんだからなっ」
ニシシと犬歯を見せながら笑う。
仁兎は一ヶ月前に誕生日を迎えた。鬼龍の誕生日は年を越えてからだから、同輩といえど一年のうちで仁兎が年上と言い張れる時期は長い。
家では長男で、もちろん兄はいない。以前の荒くれていた頃には目上の人間を兄貴と慕ったことはあるが、こうやって穏やかな日常の中にも自分の兄たる存在がいるのか。
実際、色々抜けているところはあるが、仁兎は頼りがいのある男だ。Rabitsという自分の家を持ったからかもしれないが、元来このような兄貴分の素質は持ち合わせていたのだろう。
しっかり頼れと胸を叩く。いざとなった時に相談に乗れる存在があるだけでも幾分今の状況に気持ちのゆとりが生まれた。
「おう。そんときゃ宜しくな。頼りにしてるぜ兄貴」
兄という言葉が嬉しかったのか、「任せとけよ」と顔に似合わず男前な返事で鬼龍の眉間の皺をぐりぐりと一押しし、教室を去っていった。
「本当にな、何があったんだ?」
再び独りになった教室で事の顛末を振り返る。
『守沢千秋は鬼龍紅郎が見えなくなった』のだ。
昨日の昼の出来事だ。外傷もなく、目の異常でもない。打ち所が悪かったのかもしれないと念のため急ぎ診てもらったが、それでも特に異常はなかった。
その前の日までは普通に話していたのだ。なんせ近くに行われる流星隊のライブについての衣装を請け負う話を付けたばかりだ。
そして一夜経った今のところ原因も不明で一過性のものかも分からず解決の兆しも何もない。
鬼龍からしてみれば、守沢の姿も見える、声も聞こえる。なんら日常は変わらないのだ。
世界が変わってしまったのは守沢ただ一人である。彼の世界から鬼龍だけが消え失せたのだ。姿も見えず、声も聞こえないらしい。さっぱり意味が分からない。
(まあ、触ればいる事は分かるみてぇだが…)
逆に姿が見えないものに触れられるのだ。そりゃ驚かれる。どうにかして意思表示をした後に触れなければならない。声をかけても聞こえていないのだ。状況を知っている南雲がいるなら彼を通して伝えられるが。
『大将が腕を触るぞって言ってるッす。…ちょっとこれ恥ずかしいっすね』
だろうな。
四六時中南雲を通すわけにもいかず、どうしたものかと考えあぐね、現状は携帯のメールで意思表示をすることにした。
(横にいるのにメールでのやり取りってのがどうにも面倒くせぇ……せめてでも電話が出来たらいいんだが…声が聞こえないのはここでもみたいだしな)
日頃から頻繁にはメールをしない自分にとって、数分のやり取りだけでも辟易する。何時もは蓮見の旦那のメールに内容の是非の意を添えたメールを返すだけなのだが、今回は自分から文面を考えて発信することも増える。そこを気遣ってか、昼に守沢から午後の大まかな活動状況のメールが送られてきた。『何時くらいには何をしている、もしも尋ねてくる場合は連絡をくれ』と。その最後の文には『面倒ごとに巻き込んですまない』そう書き記されていた。
(お前ぇだけに原因があるって決まったわけじゃねぇんだから、謝んなよ…ってここで考えていても仕方がない。守沢のメールに書いてあった通りなら今からレッスン室でライブの練習だな。衣装の型あわせにでも行くか)
うっし!パンと顔を叩く。気合入れだ。
--------------------------------------------
閑話。
未だにスマホと書くのに抵抗があるので文面では携帯と書いてしまいます。
2017-7-22 14:56
あんスタ紅千「皐月事変1」
その日、守沢千秋の世界は前触れも無く唐突に変わった。
「大将!隊長!大丈夫…じゃないっすね!わー大将鼻血が出てるっす!」
今、目の前で慌てふためく南雲が何をしているのかわからない。
「こんなときまで布の心配しないでくださいっす!血!血が出てるんすよ!ゴシゴシしないでください!隊長も!大丈夫ですか?頭強くぶつけたりしてないすか?ってかどうしちゃったんすか、あんなに勢い良く大将に突進していって!危ないっすよ!ああっ、ほっぺたのところちょっと血が出てるっ!もうっ、二人ともとにかく保健室に行きますよ!」
「南雲」
「隊長?大丈夫ですか動けますか?」
差し出された南雲の手。見上げたその表情はいつまでも立ち上がらない自分を訝しむ。
ただ尻餅をついただけだ。自分の中ではそれだけのことだが。彼がそう言い終わる前に、腕を握り潰すような強い力が食い込む。先程南雲もその敬称を呼んだ、この感触は覚えがある。世にも奇妙な状態だ。
「…隊長?」
どうしちゃったんですか?と顔色が蒼白に変わる。この状況のおかしさを彼は理解し始めた。
「南雲。ここに、鬼龍がいるのか?」
自分の言葉がひどくこの場にそぐわないことだけは分かった。
-------------------------------------------
閑話。
小話絵日記風にちまちま吐き出せたら、いいなー(まとめる気0)誰視点とか決めていないので思うままのネタ出しです。
スーパーノヴァあたりの紅郎さんと千秋さんのあれやこれ。勝手にノヴァは梅雨入り前だと想定して5月終わりから6月半ばまでの頃合いだと思ってます。その辺本文に載せろってね。
仮題でスターゲイザーってつけようと思ったのですが、すでに別ジャンル小話で使っていました。タイトルは…後でまとまったもの考える。
2017-7-21 01:40
とうらぶ
2017-7-6 20:10
とうらぶ「うちの本丸5」
2017-7-6 20:00
とうらぶ「うちの本丸4」
2017-7-5 06:45
とうらぶ「うちの本丸3」
2017-7-5 06:37
とうらぶ「うちの本丸2」
2017-7-5 06:32
とうらぶ「うちの本丸1」
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プロフィール
性 別 | 女性 |
誕生日 | 6月14日 |