6月の23の日。
2010-6-23 23:56
ニールとライル
「……ん、…?」
「目ぇ覚めたか?」
「…あ、れ?」
「今はあんまし頭使おうとするなよ。余計治りが遅くなるぞ」
「…あー…、風邪?」
「そうそう。お前は風邪っぴき」
「ごめん…」
「いいよ。飲みもん持ってくるな」
「ほら」
「ん。ありがと。うん、随分意識もはっきりしたみたいだ」
「それはよかった。でもまだ安静にしてろよ」
「でも、もう動けそうだし。1ヶ月に1回帰ってくる日に看病させっぱなしなのもなあ…」
「気にすんなよ。色々美味しい思いはさせてもらったし。シチュエーション的に大アリだと思うぞ」
「…ちょっと待て何をした?」
「まだしてない」
「その答え方も訳わからん!」
「まあ、落ち着け。ただ単に寝てるときに頬触ったら擦り寄って来たのにムラっとしただけだ」
「気持ち悪い!」
「ヒデェッ!」
「いや、それをした俺がだから」
「それはムラッとした俺の純粋な気持ちを否定されてるのと同意だ!」
「弟に欲情すんなよ」
「……もう一回」
「あ?」
「今の台詞をもう一回」
「弟に欲情すんなよ?」
「ムラっとするってのを欲情と言い換えるお前にさらにムラっとした」
「それは純粋に気持ち悪いな」
「でもムラムラを欲情と直結させるお前も、何想像したんだ?」
「…語源攻めはやめてくんない?」
「なあ?」
「回答は必須なのかよっ」
「なあ?」
「あ、あんま近寄るな。染るぞ」
「そう回避の仕方は逆効果だぞ、ライル。そうすると次の台詞は『汗をかくと治りが速くなるんだぜ』、という流れになる誘い文句な訳だ」
「いらん講座をドーモアリガトサン」
「まあ、実際の所、お前のこの熱はウイルス性のじゃなくて疲労っぽそうだし、ゆっくり休むに越したことはないだろうな」
「まともな思考回路の働きに感謝する」
「まあ、しかしにーさんの日な訳だし」
「うわ、もう根本を忘れ去ってるかと思ってたのに」
「ライル、今身体辛くないか?」
「…いや目が覚めたときよりは怠さは無いけど?」
「じゃあいいよな」
「何がだよ!?」
「何想像した?」
「またかよっ!」
「あっはっは、冗談冗談!」
「……ったく」
「うわっ」
「ほら、多分染らないから安心しな」
「…暖かいな、ライルは」
「兄さんの身体は冷たくて気持ちいいよ…」
「……」
「あー、…こうやってくっつくの何て、いつ以来だ?」
「そうだな、もう遠い昔だ」
「ああ…、本当に、冷たくて気持ちいい…」
「何だ?気持ち良くなると眠たくなったのか?」
「あ…?何か…そうかもしれない」
「帰るまで此処にいるよ」
「ない…う、ん…その時は、起こせよ…」
「おやすみ、ライル…よい夢の続きを」
.
「目ぇ覚めたか?」
「…あ、れ?」
「今はあんまし頭使おうとするなよ。余計治りが遅くなるぞ」
「…あー…、風邪?」
「そうそう。お前は風邪っぴき」
「ごめん…」
「いいよ。飲みもん持ってくるな」
「ほら」
「ん。ありがと。うん、随分意識もはっきりしたみたいだ」
「それはよかった。でもまだ安静にしてろよ」
「でも、もう動けそうだし。1ヶ月に1回帰ってくる日に看病させっぱなしなのもなあ…」
「気にすんなよ。色々美味しい思いはさせてもらったし。シチュエーション的に大アリだと思うぞ」
「…ちょっと待て何をした?」
「まだしてない」
「その答え方も訳わからん!」
「まあ、落ち着け。ただ単に寝てるときに頬触ったら擦り寄って来たのにムラっとしただけだ」
「気持ち悪い!」
「ヒデェッ!」
「いや、それをした俺がだから」
「それはムラッとした俺の純粋な気持ちを否定されてるのと同意だ!」
「弟に欲情すんなよ」
「……もう一回」
「あ?」
「今の台詞をもう一回」
「弟に欲情すんなよ?」
「ムラっとするってのを欲情と言い換えるお前にさらにムラっとした」
「それは純粋に気持ち悪いな」
「でもムラムラを欲情と直結させるお前も、何想像したんだ?」
「…語源攻めはやめてくんない?」
「なあ?」
「回答は必須なのかよっ」
「なあ?」
「あ、あんま近寄るな。染るぞ」
「そう回避の仕方は逆効果だぞ、ライル。そうすると次の台詞は『汗をかくと治りが速くなるんだぜ』、という流れになる誘い文句な訳だ」
「いらん講座をドーモアリガトサン」
「まあ、実際の所、お前のこの熱はウイルス性のじゃなくて疲労っぽそうだし、ゆっくり休むに越したことはないだろうな」
「まともな思考回路の働きに感謝する」
「まあ、しかしにーさんの日な訳だし」
「うわ、もう根本を忘れ去ってるかと思ってたのに」
「ライル、今身体辛くないか?」
「…いや目が覚めたときよりは怠さは無いけど?」
「じゃあいいよな」
「何がだよ!?」
「何想像した?」
「またかよっ!」
「あっはっは、冗談冗談!」
「……ったく」
「うわっ」
「ほら、多分染らないから安心しな」
「…暖かいな、ライルは」
「兄さんの身体は冷たくて気持ちいいよ…」
「……」
「あー、…こうやってくっつくの何て、いつ以来だ?」
「そうだな、もう遠い昔だ」
「ああ…、本当に、冷たくて気持ちいい…」
「何だ?気持ち良くなると眠たくなったのか?」
「あ…?何か…そうかもしれない」
「帰るまで此処にいるよ」
「ない…う、ん…その時は、起こせよ…」
「おやすみ、ライル…よい夢の続きを」
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