2013-5-21 08:27
フリーホラーゲーム、Ibに出て来る『無個性』のSSです。
…私も、まさか無個性メインでSSを書く日が来るとは思いませんでした(笑)
Ibネタは考えるのも書くのもとても楽しいのですが、不思議なことにイヴとギャリーの話が思い浮かびませんι
ギャリーさん大好きなのに…ッ(⊃Д`)
そんな訳で、今回もまたイヴもギャリーも出て来ません。
ほんのりホラーチック。
妄想全開。
それでも良いよって方は、追記へとお進み下さい。
『無個性』
無個性。
そんな名前でくくられた美術品。人の形を模しているものの、どの像にも頭は存在しない。
彼女たちを区別するのは、それぞれが身にまとう、色とりどりのドレスのみ。
何故顔がないのか。議論は交わされど、ゲルテナ亡き今となっては、答えは以前闇の中。
『別に、顔のない理由なんていらないわ。』
『理由が明かされたところで、顔がないという事実は何も変わらないもの。』
『顔がないのが、私たちの個性よね。』
『ねー。』
『…だけど、無個性、なんて言われると、個性が欲しくならない?』
『頭がないと、時々は頭が欲しくならない?』
『わかるわ、その気持ち。』
『欲しいよね、頭。』
赤青黄色。色とりどりのドレスがひるがえる。
パタパタパタ、と美術館を駆け回るのは、この世界へ迷い込んだお客様。
『薔薇はもう持った?』
あたし花占いがしたいわ、と、女が額縁から上半身を乗り出した。
『美味いもの、食いたい。』
じゅるり、と、絵からヨダレが滴り落ちる。
『友達になれるかなぁ?』
金色の髪をなびかせて、少女が無邪気に笑う。
『個性のある子かしら?』
無い頭をつき合わせて、ブルネットなら私、ブロンドなら私、と無個性が個性を主張する。
『さぁ、早くそのドアを開けてちょうだい。』
暗く静かな美術館。
一人のお客様を向かえ、美術品たちは胸を躍らせていた。
近付く小さな足音に、自分のお目見えを、いまかいまかと待ちわびながら…。
END
→あとがき
無個性が襲ってくる理由はなにかなー、と考えた末の妄想SSです。
頭がないなら貰えばいいのよ!って思考。
…次こそは、明るく可愛いギャリーとイヴが書きたいです。
(私には無理なのかなー orz)
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