2011-4-17 20:25
この前のバトロワの続きみたいなもん。起きた風丸さんたち見たさに頑張った。
ホントは円堂さんが仲間を撃ったオレなんかうわああ!ってなった時、豪炎寺が「お前は俺の大切な仲間だ、円堂。どんな事があっても変わらない。仲間の強さを教えてくれたお前がそれを否定してどうする。お前は円堂守だ、何があっても、円堂なんだ」
もちろん風丸もな!どや!とかなんか珍しくいっぱい喋って落ち込み円堂さんを引っ張るんだけどどこに入れていいかわかんなかったからなしで。豪炎寺も慣れないことせずに済むからこっちの方で良かったってよ!(笑
…そろそろ小説カテゴリを作った方が良い気がする。
ちなみに前のは
コレ
では追記からはじまるぜ(^O^)
どうしてこんな所にサッカーボールがあるんだ
そう疑問に思った時、寸前の記憶が蘇った
「(――…そうだ、あれは)」
オレが弾丸を放った前か後か、それとも同時かはわからないけど、風丸に向かっていった球体があった事を思い出す。
気付けば風丸は倒れていて、オレも混乱してて、そしたら豪炎寺が現れた。あの球体はきっとボールだ。それにあの威力を持つシュートを打てる奴のこともオレは知ってる。だってオレがはじめて見た、忘れるわけがない熱い心を持っている奴だから。
「…豪炎寺、が…?」
繋がりかけた糸が結ばれる。自分の声はまだ震えていた。ぐちゃぐちゃの頭で考えたことはうまく言葉に出来なかったけど、豪炎寺はオレが聞いていることがわかったようで強く頷いた。
「ああでもしないと、どちらかが死ぬまで止まらなかっただろうからな」
特に風丸は、と豪炎寺は気絶して倒れている風丸に視線を向ける。
豪炎寺が言ったように風丸の体からは撃たれた後は見当たらない。「死」という言葉が、さらりと出てきた事に再び胸の中にどろりとした気持ち悪さを呼び起こした。そんな言葉が出る状況にオレ達はいるんだと、見慣れたボールを見てあの頃との違いをハッキリみた。
オレと風丸が、どちらかが死ぬまでアレを撃つのをやめない
そんな事ないと言いたかった。でも、言えない。武器を取ったオレは、風丸が倒れるまで気付かなかったんだ。もしあのまま風丸がまた撃ってきたら、オレは…――
「…っは、…ぅ、あ…」
息がうまくできない。それ以上考えたくないといわんばかりに視界がパチパチと点滅していた。苦しい、苦しい、風丸、風丸は、何度あの鉛を引いて、何度この苦しさを味わったんだろう。どうしてその時、アイツの傍にオレはいなかったんだろう。こうやって背中をさすってくれる誰かは、いたのか?
「(…いたらきっと、こんな事にはならなかったはずだ)」
ぐっと唇を噛み締める。支えてくれる豪炎寺の手を解き、大丈夫だと伝えて立ち上がろうと足に力を込めた。だけど自分の足なのに命令を聞き入れてもらえない。足はまだ震えて、地についた手さえも震えていた。
それでも、このまま見てるだけなんてできない。
「…風丸、」
銃口を向けてしまったオレがアイツの傍にいて良いんだろうか。…きっと良くないんだろうな。オレは結局、アイツが言っていたように綺麗事を吐いていただけなんだから。でも、でもさ、それでも傍にいたいんだよ。
自分を責めることが得意なアイツの傍にいて、お前だけじゃないんだと言いたい。オレも一緒だって、だから一人で進もうとするなって言いたいんだ。
オレの我が儘にいつも付き合ってくれる大切な幼なじみに、伝えたい。
「(動け…動けよ!)」
はいずって格好悪くてもいいから、傍にいきたかった。やっとの思いで動いてくれた足は重くて、銃を持った時と同じぐらいずしりとしている。まるで足枷を付けているみたいだ。
ようやく辿りついたオレは地面に膝をついてうつ向けになっている風丸を見た。長い髪が顔にかかっていて、その表情は見え難いけど確かに風丸だった。安心している顔だ。優しくて、幸せそうな。
「かぜまる…」
小さな呼吸音と微かに動く肩が風丸の生を実感させられる。無意識に伸びた自分の腕の指先が顔に重なっていたさらりとした髪に触れた。指先は震えていて感覚が曖昧だったのに、その頬に触れた瞬間じわりと感覚が戻ってくる。 冷えた指先が暖かくなって、温度が伝わってきた
「…あったかい」
温かい、生きている証。
止まっていた涙が再び溢れて頬に流れる。指から、手の平から感じる人の温もり。ああ風丸は生きてるんだ。死んでなんかなかった。良かった、良かった、風丸は、生きてる。
「風丸…風丸、風丸…!」
口から出るのは名前だけで、それでも呼ぶたびに風丸の生を実感出来る気がした。もっと確かめたくて風丸の体をぎゅうっと抱きしめると、小さく動く鼓動がしっかり耳に届いた。
体中が暖かくなって、冷えていた心が奥から言葉にならないほどの温もりが広がってくる。
「…次期に目が覚める。一旦場所を変えよう」
オレの動作を見守っていた豪炎寺は地面に放り投げられていた拳銃二つをナップザックに直して言う。銃声の音を聞いて、乗っている奴らが来たら危険だからだ。オレと風丸のナップザックを背負い、豪炎寺は周りを見渡してからこっちに視線を向けた
「いけるか、円堂」
豪炎寺の目はしっかりと前を見据えている。
ぐって溢れ出る涙を拭い、鼻を啜る。多少目頭が痛くなることなんて構わない。今は泣くんじゃなくて、すべき事があるから。
風丸が目を覚ますまでは、オレが守らなきゃ。
目を覚ますまでじゃない、覚めた後もずっと守りたい。一緒にいたい。
もう、迷ったりしない。
「それ、頼むな。豪炎寺」
「ああ」
「――ありがとう」
今の気持ちを全部込めて言ったら豪炎寺はふっと笑って前を向き歩き出した。
豪炎寺の背には三つのナップザック、オレの背には風丸。温かい鼓動を感じながら、オレも豪炎寺に続く。もう脚も腕も震えは止まっていた。
「(…いつもなら風丸がオレを起こす側なのに)」
今回はオレが、風丸が目を覚ますのを待つ番だ。なんだか変な感じがする…けど、ちょっとだけ胸が軽くなった。
「おはよ、円堂。遅いぞ」
「悪い悪い、おはよう風丸!」
はやく目を覚ましてくれと願って、オレ達は前に進んだ