「グランゾート」と「レイアース」が似ているという話をしていた時、そういえば5歳(年長)の頃に「紋章の勇者」という設定を作って、友達となりきって遊んでいたことを思い出した。
当時自分は「ダイの大冒険」にはまっていた。
「紋章の勇者」は、ある日体の一部に光る紋章が浮いてくることでそれと分かって開花する。
そんな紋章など当然見えないのだが、その辺は予定調和で参加者には見えていることになっている。
黒歴史だから。
最終的には自分の女友達の殆どが紋章の勇者ごっこに参加していたので、12人は大袈裟としても結構な数がいた。
勿論、全員勇者。
紋章の勇者は遊具を難所に見立てて冒険をするが、戦わない。
いや相手がいなくて戦えない。
男性と違って戦いは望むところではないのだ。
ここで自分が作り出したニュー設定が自分の首を絞めた。
「誕生日が早い人順に紋章の勇者の強さは決まる」
この設定で1月生まれの自分は俺つえぇしようとしたが、誰かが気付いてしまった。
「あれ?4月生まれのほうが早く6歳になってない?」
……お蔭で、私は小柄で可愛らしい12月生まれと、体のスレンダーな3月生まれと一緒にひっそりしていないといけなくなった。
やはり邪な気というのは起こすべきではない。
現実主義者から先に紋章の勇者ごっこから覚めて自然にやらなくなった。
腐女子が一人いると周りが腐女子になるというのは本当だけれど、廃りも速い。
でも、今頃あの時の12人の紋章の勇者たちはどうしているのかと思うと感慨深い。