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タイトルなし


反転する彩りの中でも
君を見つけていたい

タイトルなし


菫が泣いた午後三時
傘を翳して雨の街
温んだ歌を口ずさみ
歩く背中に水が散る

片指 なくして何処へ行く

揺蕩う眸に花を咲かせ
病める空 裂けるのも知らぬふり
終わりの合図は今でもまだ
午後三時 並べた紅茶の中

タイトルなし


あなたには あたしのことなど
一切れたりとも 分かる日は来ないだろ
切り花の 匂いを纏って
伸ばした栗毛の 意味さえ気づかない

腫れた瞼に真珠を塗って
吐き捨てられた そんな言葉も

あの日から 今までだって
ここに在るのさと云うこと
君は 知らないだろ
つんざくような 声も風も
こんなにも憶えているけれど
断ち切った 髪を散らして
歩き続ける君には
本当の僕のことなど
一切れたりとも 分かる日は来ないだろ

紫苑の花 潰した君の
瞳の青が恋しい 春です

《エリゲロン》

タイトルなし


想像の星を掻き毟った
まっさらな紙の上で
願い事一つ 墜ちた
沙羅の花 濁して

タイトルなし


真昼の蛍は 私の瞳で
瞬くことが怖かった

眼差しの触れる 点に花は咲く
思いがそこへ飛ばぬ様に

煌めきだす心臓に手を
当てて 夜へ溶けよう

永遠さえ姿を見せゆく
見えないものたちの季節
眩しさに呑み込まれそうな私は
貴方の影から空を見た

《月虫》