スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

タイトルなし


飛行船 眠る宇宙
覗き込む コップの闇
日が落ちて また昇って
星屑の居場所はない

このまま時間が途切れずに進んだら
千年なんてさ あっと云う間だと囁く魔

限りない夜を降らせてほしくて
「さあ、物語を」と口にしたら
箱庭に螺子巻いて 彼方だって
迎えにきてよ いくよ 約束だ


タイトルなし

螺旋階段 昇る光に
逆らいながら 潜る私は

白い鰭で水をかき分け
あなたの底に 痛みの先に
眠りの果てに閉じ込められた
愛しい記憶 揺り起こしに
深く

タイトルなし


暗い 暗い
ほのかに明るい部屋の底で
うずくまって
二人は耳鳴りを甘く煮る

不快 不快
余計な言葉は全部削いで
確かめたい
ナイフを当てても錆びない愛

天井に 百合の束
地下室に 毒の森

さあ窓を閉めましょう
ここは温室だから
果てもなく根を張って
息をして
私にはあなただけいればいい



タイトルなし

月の出に囁く嘘が
一番綺麗と云ったのは
蒼白い頬で俯く君の
顔が見たかったから

棘のない手のひらでは
触れるのはとても簡単だ
角のない額と額 合わせ
ぬかるんだ言葉たち

愛し逢いたいだけなのに
小さな瓶は満たされない

優しく手を繋ぐたびに
心は渇いてゆく
些細な日々を重ねるだけの
幸せを享受できなくて
この指先に針をもって
君の心臓を 射抜けたらいいのに
そんな思いを隠しながら
僕はこの恋に溺れている

神様がもしいるのなら
月の出を待たずここへ来て
金色の繭でそっと包んで
僕を質してほしい

愛し遭いたい切望で
焼けつく胸に 早く雨を



タイトルなし

真昼の月を追いかけて
世界は少し傾いている
風車小屋に立つ君の影
波打つ草は思い出の匂い
prev next