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タイトルなし


ふつりと沸いた丸底の世界。錆びた金属に悠々と支えられていた僕のそれに波風を立てたのが、たった一人の女の子でした、なんて滑稽な話だ。

タイトルなし


揮発性の感情はほろほろ、こんなにも溢れているはずなのに言葉にならない。固まる前にどこでもない場所へ飛んでいってしまうそれを捕まえておきたくて、開いたり閉じたり、唇を動かした。

タイトルなし


我が儘を思いついたのは多分、君が不意に右足を止めた瞬間で、それを口にしようとした唇が咎めるように切れたのは、今となってはかなしかったのか嬉しかったのか、よく分からない。

タイトルなし


あいらぶゆー、あいらぶゆー
幸せになれる呪文だって聞いたのに
簡単に言っちゃだめなんですって

タイトルなし


あなたの眸が青いことを、私は今日まで知らなかった。それはなんともったいないことだったのだろう。

(だってそのひとつの事実で、この世界は私にとってまたひとつ美しいものになるのだもの)
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