オリジナルな余所者さん(♀)が出現する、長編が書きたいです。

あ、勿論その人(佳乃さん)と住人の間に恋愛感情は皆無。寧ろアリスを溺愛していて、ヤロー共は敵!な勢い。


以下プロローグ。続きは未定。リクがあるか、私がやりたくなったら続きを書くかも…?

「許し…許して!!」
「煩い。」
鬱蒼とした森の中、一人の少女がその姿に似合わぬ拳銃と冷酷な声と瞳で、生命の終焉を告げた。
「覗きか、趣味が悪いな」
ふと、誰かの気配を感じた彼女は躊躇いなく引き金を引き、彼の名を呼んだ。
「ブラッド=デュプレ」
呼び掛けとは、返事があることを前提としてすることである。つまり、彼女は彼に明確な殺意を抱きながら殺めることが出来なかったことになる。
「流石だな」
銃弾の当たった木を眺めて飄々とした声を出した彼に、また殺意が湧いた。この男は、彼女を苛つかせる天才だ。
「それはこちらの台詞だ。…時計を狙ってやったのに、擦ってすらいない」
時計を狙ってやったのに。憎しみを込めて、もう一声。忌々しいと表情にも出して。
「当然だろう?時間は、私の思うように動かせる」
命を狙われている上に、彼が銃を出す前に彼女は彼を撃ち抜く事も可能だと自負している。彼の余裕な態度は彼女の神経を更に逆撫でした。
「チッ、化け物め」
純粋な悪意を具現化したら、彼女の形になるのではないかと、ブラッドは思った。そして、彼の夢魔の言動についても…。
「化け物、か。随分な言い方だな。折角、君に朗報を持って来てやったのに…」
化け物呼ばわりされて怒ることもしない彼は、さぞ素晴らしい人徳者に見られるのだろうかと、思わないこともないが、彼はマフィアのボス。善人である筈がない。
「朗報、だと?」
この男の言うことはろくな事がないことは、今までの経験で学習済みだからか、彼女には聞く気が全くない。それどころか踵を返し、帰路につこうとした時、閃光が走った、気がした。
「…光、時計塔の方から…?…まさか!」
全く未知の筈なのに、どこか懐かしい。そんな矛盾した感覚が彼女を支配していた。走らないといけない。そんな気がした。
「余所者の再臨、と言ったところだな」
彼女の去った方向を眺め、ブラッドは楽しそうに呟いた。

さあ、楽しいゲームを始めようか!