西華の崩壊から早四年の月日が流れた。
新たにルドルフ・山吹・六角・不動峰・比嘉のグループが追加された。
とはいっても、ルイナ全体をまとめているのは、元から西華にいた4人である。
「はぁ……」
「お、幸村やん。南の方の連中はどうやった?」
幸村が本部に戻ってくると、白石が腕の包帯を巻きなおしていた。
効率よく見回りを行うため、氷帝・青学を中心としたルドルフ・山吹・不動峰はルイナの東と北の区域を、立海・四天宝寺を中心とした六角・比嘉は西と南の区域を徘徊させていた。
「何とかね。…そっち(西)は??」
「いっぱいいっぱい。さっき六角を応援に出したとこや。千歳は今怪我しとるで、出せん状態やしな」
「比嘉は?」
「今は仮眠中や。今日、あいつらは夜間番やからな」
大きな欠伸を漏らしながら、幸村の質問に淡々と答えていく。
いつ、どこで起こるか分からない紛争に、常に気を張っていなければならない。
「今日の見回り誰やった〜?」
「丸井と一氏で、西に応援で佐伯。次は真田と木更津亮だよ」
「…いい加減幸村も休んだらどうや?ただでさえ体強いわけやないんやし」
白石の言うとおりだった。
幸村は4人の中では一番強かったが、一番からだが弱かった。
生まれつき白石たちほど体が丈夫ではなく、少し病弱なため、長期戦には向いていなかった。
「わかってるよ。合間をみてちゃんととってるよ」
そうは言っていても、彼の表情が正反対だということを主張していた。
最近は敵も学習をし始めたのか、一筋縄ではいかなくなってきており、先ほども幸村は敵を2,3人潰してきたばかりなのだ。
いくら立海の戦力がほかのチームより秀でていたとしても、キリが無かった。
「……ならええけど。とりあえず、今日明日はもう見回りもないんやから寝とけ。ちなみに、真田に迷惑がかかるだとか、眠くないとか、そないな言い訳は聞かんで。今日は幸村が睡眠とるまで光にみはらせるでな」
白石は無関心のように見えて、すごく仲間思いだった。
メンバーの体調不良には誰よりも早く見抜くし、まわりをよく見ている。
だからこそ、個性的な人間が多い四天宝寺のリーダーをつとめられるのだろう。
-つづく-
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D.Cのつづきです。
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