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名前がわかんなかったけど、かけるちゃんから回ってきました〜♪
「ってか、楓姐さんどこやねん」
話の区切りがついたところで、白石は唐突に蜜柑に問いかけた。
家族のいない白石が姐さんと呼んでいるということは、彼の姉的存在なのか、それともただ年上だからそう呼んでるだけなのか、忍足には分からなかった。
実際は後者なのだが、それは忍足の知る由は無かった。
「楓さん??楓さんなら…」
「何か呼んだ?蜜柑」
カウンターの暖簾の奥から現れたのは、胸の辺りまである桜色のストレートの髪と蜂蜜色の猫目を持った、20代前半くらいの女性だった。
細身で身長も割と高く(170cm)、隣にいる蜜柑とは比べ物にならないほどの美貌の持ち主で、街ですれ違えば10人が10人振り返るほどの美しい女性だった。
「あ、楓さん。蔵が新人連れてきたよ」
「分かったから早く皿を拭きなさい。…で、2人とも新人なの?」
蜜柑を軽くあしらったあと、切原と忍足に視線を向け、見たことの無い顔ぶれだからなのか、白石に問いかけた。
「髪の黒い方はな。もう片方は樹海で迷子になっとった奴や。右が切原赤也、左が忍足謙也や」
ふーん……。
そういって、楓と呼ばれている女性はカウンターから出て、忍足と切原に歩み寄った。
身長は若干2人の方が高いのだが、2人は彼女が元々持っている威圧感に圧倒されそうになっていた。
「忍足ってもう一人いなかった?似非眼鏡の」
「あぁ、氷帝の奴な」
「アイツ、オレの従兄弟なんッスよ」
「へぇー。こっちのが性格も良さそうじゃない。私はこっちのが好み。…あ、自己紹介してなかったわね。私は秦崎楓。この店のマスターよ」
楓にもそういわれ、少し照れくさくなりながらも、忍足は軽く会釈をした。
先ほども言ったが、小さいときから何故か侑士の方がモテていて、自分は恋愛対象外のように言われていたこともあるからか、先ほどの蜜柑もそうだったが、こう率直に言われたことは無かったのだ。
それと同時に、自分の従兄弟が今までどんな行動を取っていたのかも疑問に思えてきたのだが、正直考えたくもないため、考えることを放棄することにした。
「ってか、此処どういうところなんッスか?喫茶店なのは分かるけど…」
切原は、今の今まで疑問に思っていたことを口に出した。
どう見ても普通の喫茶店には思えないし、何よりも、こんなところに喫茶店があるのも妙な話なのだ。
「まぁ、喫茶店っちゃー喫茶店なんだけどね」
「喫茶店ってのは表の顔。本来は情報屋なのさ。日都での政府の動きだとかをわざわざ現地まで調べに行って、それを蔵とか精君とかに垂れ流すのが仕事なわけ」
そう。
喫茶"花鳥風月"と言うのは、あくまでも表の顔。
本来は凄腕の情報屋として、先ほど蜜柑の言ったように、現地までわざわざ出向いて現状を探ったり、裏で動いている組織の情報を売買したりしているのだ。
彼らに任せれば、手に入らない情報はないと言うほどの腕前で、手に入れてくる情報はすべて正確のため、白石たちは彼らに情報収集を任せているのだ。
「まぁ、財前や柳だけじゃ補いきれん部分の情報収集をしてもろてん」
「へぇ…。でも、俺らが来ることと何の関係があるんッスか?」
「まぁ…恒例行事、って言えばいいのか?新人がルイナの生活に慣れたら此処に顔見せに来ることになってんだよ」
「謙也君は異例だけどね。私らもルイナで育ったし、話したことも見たことも無い人間がルイナの中にいるってのも、ちょっと悲しいからさ」
蜜柑の話を聞いて、この人たちもルイナの一員なんだと、忍足は感じた。
実際の戦いから一線ひいてはいるが、彼らも政府の連中と戦っているということは変わりないのだ。
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まさかの3話連続更新。
ちょっと夢だったD.C.の大量更新www
ダラダラ長くてすみませんιι
案外蜜柑と楓のキャラは好きです♪
侑士の扱いが可哀想すぎるのはスルーの方向でお願いします。
忍足侑士ファンの方すみませんιι
「ん゙〜〜…ッ。今日もええ天気やなぁ、謙也」
「まだ日も昇ってへんし…。眠…ッ」
早朝4時を40分ほど過ぎた頃。
白石と忍足と切原の3人は、西塔の玄関口にいた。
早起きに慣れている白石はいいとして、忍足と切原は慣れない時間に強制的に叩き起こされ、目はパッチリ起きているものの、脳内はまだ睡眠状態だった。
「つか、こんな早くに何処行くんッスか…」
「あー、森林浴?」
「森林浴、ッスか…」
「まぁ、これ以上は行ってからのお楽しみや。森林浴の前に行くとこがあるさかいな」
うやむやとはっきりとしない白石返答に、切原は首をかしげた。
しかし、どうせ彼に聞いても、これ以上のことは教えてもらえないだろうと言うことはすぐに理解したのか、それ以上は聞かなかった。
本当は忍足に聞こうとしたのだが、彼もよく分からないと言うような表情で溜息を吐いていたし、何よりも早朝に起されたこと事態に不満を抱いているため、聞くにも聞けなかったのだ。
実際、忍足はハイドシークに行く前に行く場所が何処か知らないのだ。
「なんでお前そんな元気なんや…」
「敵はいつ来るかわからんねん。頭はいつでもフル起動できるようにしとくもんやで」
そう白石は言っているが、実際、早起きが得意なのは彼の眠りが浅いからなのだ。
眠りが深いと身体が完全に起きるのにも時間がかかる。
反対に、浅ければその分目覚めはいいのだが、常にレム睡眠状態のため、疲れはあまり取れない上に、夢見が悪ければその分疲労も溜まってしまうため、あまり効率がいい睡眠とはいえない。
そのため、稀に跡部によって睡眠薬入りの飲み物を飲まされて半強制的にノンレム睡眠の状態で眠らされているのだが、彼の身体が睡眠薬に慣れるのも時間の問題のため、跡部たちの悩みの一つでもあった。
「さて気張っていくで〜」
「あー、ハイハイ…」
「…ッス」
忍足は超楽天的な白石に文句を言う気も失せ、切原は白石のノリについていけていなかったが、あまり考え込んでいても仕方ないと考えた2人は、サッサと景気よく歩き始めた白石のあとを追った。
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オリキャラは次回から…。
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こんばんは。
性 別 | 女性 |
誕生日 | 8月24日 |
系 統 | 普通系 |
職 業 | 大学生 |
血液型 | AB型 |