栄養ドリンクの色と愛の色って同じ色だと思う。なんともいえない、得体の知れない、けれど思わず摂取してしまう。
中身の配合など気にも留めない。いやいや私はいちいち成分を見るんですわよ。それはきっと溺れた愛を知らないひと。
不倫を「悪い」ように言うひともきっと愛で窒息していないひと。
愛に首を絞められ、肺に血と涙を注ぎ、煙草の先端から悪意を吐き出していく。副流煙は香水の味。秋だから、金木犀かな。
秋を言い訳にして黄昏たくもないし、落ち葉にわたしの心を覆われたくもない。
ただただ、落下する空気をかわして目的地に辿り着きたいだけ。
嗚呼、なんて青い散乱だ。そうして生まれかわったように陥る錯覚はきっと雨のせい。
そう。断層のベッドで海を眺めたかったんだ。
雪。足跡。なぞりながら指に糸を垂らして。