僕は詩を書いていたい。俗物に流されて大晦日を形作られたくない。


勝浦の海、空、風は新しかった。まだ止まってはいけない。まだ終わってはいけない。そんな言葉が幻聴としてふりかかる。



時間なんてなくなればよいのに。毎日が大晦日だと思えば、人はセミにだってなれる。 毎日わめいて叫んで謳歌して生きていく。それは短命だけど、永遠なんだ。音は風に取り残されていくからね。


足に触れた川の嘆きは悲しく、冷たい。せせらぎだなんて温かいものではない。それでも歩を進めて石ころになって、僕たちはしがみついていかなくてはならない。



夢が空に消えていくと、彼は歌う。僕はその雨を全身に受けたい。