ナルトとヒナタとサクラ
「ナルト君、何してるの?」
何をするでも無く座り込んだままの彼に声をかけてみれば、いつもみたいに無邪気な顔で笑って答えた。
「四つ葉のクローバー探してんの!」
「…クローバー?」
「おう!ヒナタも探すか?見付けたら願い叶うんだぜ!」
言われてちょこんと隣に座る。ナルト君は私なんかに見向きもせずに、相変わらず必死に地面とにらめっこしていた。
誰のために?
そんなことは野暮な質問だよね。
「あの、私も手伝うよ。」
ふいにナルト君の顔が上がった。ありがとうと、笑った。
「でもヒナタが見付けたヤツはヒナタのもんだからな!自分で見付けるから意味があるんだってばよ!」
あ、こういうとこ、好き。
「うん、分かった。」
「でもどうしても俺に貰って欲しいんならそうしてやらないこともな」
「さっきから黙って見てればアンタ言ってること目茶苦茶!うざい!」
「いってェェェ!!」
いつの間にそこにいたのか、ピンク色の髪を靡かせた彼女の横で、ナルト君は涙目になりながら頭を押さえている。彼女みたいにパワフルな女の子にはとても憧れる。
「全く、相変わらずなんだからもう!」
言いながらちょっと笑って、彼女も地面とにらめっこを始めた。
誰のために?
そんなの野暮な質問だよね。
三人一組。誰が欠けても成り立たない。
確かな絆があったはずなのに、それでも目に見えないそれは、時には脆く崩れやすい。
ナルト君とサクラさんとサイ君と、それから。
今はまだ1枚足りないけど、いつか必ず幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーになると私は信じてる。
勿論あの2人だって、きっと。
気付いたら、私は立ち上がっていた。足が勝手に動き出す。何だか、無性に、キバ君とシノ君に会いたくなった。
いつまでも探し続ける
君に近付くその日まで。
***
ヒナタが皆のこと何て呼んでるのかがイマイチ分からなかったですすいません…!´`