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Which do you like?



スザクとルルーシュ




「嫌だ。絶対に嫌だ。」

言いながらルルーシュは後ずさるが、目の前にはスザクがいて、直ぐ後ろに壁がある。あっという間に逃げ場を失ってしまった。

「仕方ないじゃん。公平にジャンケンで決めたんだからさ。」

にっこりと笑ってそう言うスザクを、ルルーシュは潤んだ瞳で睨みつけた。

「納得いかない!そもそもこんな大事なことをジャンケンで決めようと言うこと自体が間違ってるんだ!」

ルルーシュは必死に食らい付いた。

「…じゃあ、やっぱり止める?」

スザクがしょんぼりと下を向く。悲しそうに目尻から涙が溢れ、眉毛までしゅんと垂れ下がっている。

「いや、それは、その、だな。」

あまりにもその姿が可愛いくて、ルルーシュは今にも覆いかぶさって思いのままに襲ってしまいたくなった。

「…ルルーシュは僕が嫌いなんだね。」

「そんな訳ないだろう!?お前くらい可愛いヤツはこの世に存在しない!」

「じゃあ、僕としてくれる…?」

小首を傾げながら可愛くそう覗きこまれれば、ルルーシュにもはや選択肢など残されていなかった。

「好きだよ、スザク。」
「うん、僕も愛してるよ。」

そう言ってベッドにぽんと押し倒すと、スザクはルルーシュの上に馬乗りになった。

「…スザク?」

「だってジャンケンで決めたでしょ?」

「いや、でも今の流れは違うだろ!なんか雰囲気的に俺がこう抱き寄せるところだろ!」

ルルーシュは目の前のスザクに必死に言葉を並べる。スザクは可愛い。だからどうしても自分が抱きたいのに。

「やっぱり僕と一緒になるのは、嫌…?」

「いや、断じてそういう訳じゃないぞスザク!頼むから悲しそうな顔しないでくれ、な?」

ルルーシュはゆっくりとスザクの瞳から零れる涙を優しく拭う。

「ルルーシュ。」

「スザク。」

スザクは再びゆっくりとルルーシュを押し倒すと、にやりと笑みを浮かべた。

「じゃあ、美味しく頂くね!」

「…ちょっと待てスザク!」

「嫌じゃないんでしょ?さっきそう言ったじゃん。男に二言は無いよね、ルルーシュ!」

にっこりと笑ってそう言うスザク。完全に、一本取られた。
それでもそんなスザクさえ可愛いと思うのだから、自分は相当末期だと思う。
とりあえず今日のところは仕方がないと覚悟を決めたルルーシュは、おとなしくその身をスザクに捧げることにした。



(次は必ず俺がお前を抱くからな!)(えー!次も公平にジャンケンにしようよ!)(お前が可愛いすぎるせいでなんだかんだ不公平だから絶対ダメだ!)







るるくる!



*るるくる!の没ネタ。ちょっとルルーシュがデレすぎたため没にしました。




スザ子とルルーシュ






スザクと初めて出会ったのは、俺がマネージャーにスカウトされて直ぐのことだった。
俺もスザクもそれほど秀でた物があるわけでは無いので、せめてユニットを組ませてお互いに無いところを補い合うようにとの事務所側の意向だった。

「初めまして!僕、枢木スザクって言います!これからよろしくね!」

太陽のように笑うスザクを初めて見た時から、もしかしたら俺は彼女を好きになっていたのかもしれない。
流石足りないところを補い合えと言われただけのことはある。俺と彼女は正反対だった。

「…ルルーシュ・ランペルージです。よろしく。」

手を差し出されたのでその手を取ってこちらからも挨拶をする。
とりあえず今日の仕事は仲良くなっとくことだなどと適当なことを言われた俺たちは、とりあえず事務所の隅に座って話をしてみることにした。
向かい合う形で椅子に座れば彼女の可愛らしい容姿とそれに見合わぬ豊満な体が目に入って視線に困った。

「僕ね、こっちに出て来てあんまり友達出来なかったから凄く嬉しいんだ!」

「…あ、あぁ。」

「一緒に頑張ろうね!」

弾けるような彼女の笑顔を見た瞬間、今まで見てきたどんなアイドルより可愛いと思った。

「…ま、まぁ、そんなに言うなら頑張らないことも無い。」

気になる子ほどつい素っ気ない態度を取ってしまう。自分でもその度小学生かとツッコミをいれるのだが、17になった今でも一向に改善の兆しは見られなかった。

「とりあえず仲良くなりたい!今日の帰りパフェでも食べに行こうよ!」

「パフェ?」

「うん!友達と可愛いカフェで甘いもの食べるの夢だったんだ!」

金に釣られて女装することになったことを少し後悔していた俺だけど、彼女がこんなに楽しそうにしてくれるのなら、女でいるのも悪くないと思ってしまった自分がいた。

「スザクって呼んでね!君のことはルルーシュでいいよね!」

「あぁ。」

パフェを頬張りながら無邪気に笑うスザクと過ごす時間は、今まで多くの苦労をしてきた俺にとって久しぶりに心から安らげる空間だった。

病は気から




沖田と神楽と土方と銀時





「…あのー、うちになんか用ですかぁ?」

玄関の前で鼻をほじりながらそう言う銀髪の男を前に土方は溜息をついた。

「お前に用は無ェ。」

「じゃあ何なわけー?あ、言っとくけど新聞なら要らないよ。」

「別に勧誘しに来た訳でも無ェよ!」

声を荒げれば奥から見覚えのある顔が出て来て土方は眉をぴくりと動かした。

「土方さん、近所迷惑ですぜィ。」

「うるっせぇ!迷惑かけてんのはどっちだ!仕事サボって何やってんだお前は!」

玄関を跨ぎずかずかと部屋に侵入する。今だ座って茶を啜る後輩の姿を見ると怒りを通り越して悲しくなった。

「俺は悪くないんでさァ。コイツが風邪ひくから。」

沖田が指を指した先には具合が悪そうにソファに寝転がる神楽の姿があった。

「別に看病なんか無用ネ!」

強がるそぶりは見せるものの頬は赤く染まり、咳込む度に苦しそうに顔を歪ませている。

「万屋に任せときゃいいだろ?」

「沖田くんがどうしてもって言うなら俺は別に構わないけどね。」

背後からやる気の無い声が聞こえてきて土方はまたも溜息をついた。どうせ看病を誰かに押し付けたかっただけだろうと言う言葉は神楽の手前、すんでのところで飲み込んだ。

「まぁ旦那もそう言ってることですし。」

沖田が神楽の頬に手を当てる。神楽は口では毒を吐きながらも、気持ち良さそうに沖田の手に自分のそれを重ねた。
あぁあぁラブラブなこって。

「それに銀チャンは夕べから寝ずに看病してくれたアル。だから休んでほしいネ。」

言われて後ろを振り向けば、当の本人は壁に寄り掛かったまま眠っている。よっぽど疲れているのだろう。まさかこんなに熱心に看病をしているとは、さっきの文句は心の中に留めておいて良かったと土方は思った。

「おい、こんなところで寝るなよ。」

「あー?」

手を引き隣の部屋へ連れていく。触れたところがやけに熱くて、布団に寝かしつけてから額に手を当ててみた。

「…お前、熱あるじゃねぇかよ。」

「あーやっぱ?道理で具合悪いと思った。」

笑いながら言う銀時の横に本日三度目の溜息をつきながら土方が座った。

「土方くん、仕事は?」

「もういい。俺もサボりだ。」

「へ?」

「あいつの気持ちが分かった。好きなヤツが苦しんでるの知っててほっとけねぇ。」

腕を組ながら無愛想にそう言う土方を見て、銀時は嬉しそうに笑った。

「土方くんて時々大胆だよね。」

「うるせ。」

「神楽が気にするからあいつには言わないでもらうと助かるかなー。」

「じゃあさっさと治せ。」

そう言って、土方は銀時の熱い唇にキスを落とす。

「お前の熱ならいくらでももらってやるよ。」





沖田も同じことをして、二人仲良く風邪をもらうのはもう少し先の話。






(土方さん、病人相手にエロいこと考えるからでさァ。)(お前にだけは言われたくないわァァ!!!)

不器用マーチ





ロクサスとアクセルとシオン






「なぁアクセル、友達ってどうやったらなれるのかな。」

パシャリ。いつもの場所でアイスをかじる。

「さぁな。気付いたらなってるもんなんじゃないのか?」

パシャリ。また一口かじる。甘くてしょっぱい味が口いっぱいに広がった。

「じゃあアクセルとロクサスはいつ友達になったの?」

心底不思議そうな顔をしているシオンを横目に、またアイスをかじった。

「…わかんないなぁ。」

パシャリ。アクセルの方を見る。いつからだなんてよく分からない。アクセルは俺を友達だと言ってくれたけど、その時はそれがどんなものかが分からなかったから多分まだ違ったんだと思う。

「逆に聞くけどシオンとロクサスはどうなんだ?」

今度はアクセルがシオンに聞いた。シオンはちょっと悩んだあと、俺と同じように分からない、と答えた。

「でも俺嬉しいよ。今はアイス、美味しいから。アクセルもシオンもいなくて一人で食べた時は、あんまり美味しくなかった。」

そういう風に思えたら、友達ってことなのかな。

パシャリ。三人でアイスをかじる。シーソルトアイスの風味が口いっぱいに広がった。甘くて、ちょっとだけしょっぱい。
アクセルが好きな味。だから俺も好き。だからきっとシオンも好き。










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