普通にアップしようと思ってたんですが、いまいち気に入らなかったスザルルですー。勿体無いからこっちに投下←
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黒子と火神
体育館に着いてみたはいいものの、見渡してみたら何故か誰もいなかった。はぁ?練習あるよな、今日。
1人でシューティングでもしようかと思ったけど、一応確認のためにカントクに電話したらものすごい剣幕で怒鳴られた。
「黒子くんに聞いたでしょ!?」
いやいやいや、急遽練習試合になっただなんてそんなん一言も聞いてない。ムカつきながらもとりあえず相手校までひたすらに走った。
電車を乗り継ぎ全力疾走することおよそ30分。
到着した時には試合開始まで残り3分しかなかった。まぁこっちはアップ完了だからいいけど。
ってちっともよくねぇだろ。急いで黒子を探す。影薄すぎてなかなか見つからない。さらにイライラが募る。
「おい、黒子?」
やっと見つけて声をかければ、しまったって顔しやがった。一瞬だししかもあんま表情変わんないけど分かる。俺には分かるぞ。
「お前なんで言わねーんだよ。」
「…いや、既にご存知かと。」
「存じねぇよ!エスパーか俺は!あぁ!?」
「それは違うと思います。」
「んなこたぁ分かってんだよ…!素直に言うの忘れたって言えよ。」
「あぁまぁ、そうです。」
淡々とした表情でそういうこと言うからさらにムカついた。人の神経逆撫でするの本当にうめーなコイツ。っていうか。
「も少し申し訳なさそうに言えねーのか…!?」
「すいません、すっかり忘れてました。」
「影うっすいお前に忘れられるなんて暫く立ち直れねーよ!」
「そうですか。じゃあ是非あちらへどうぞ。」
「ベンチ指してんじゃねーよ!俺はスタメンに決まってんだろ…!」
くそ、喧嘩を売られてるとしか思えねー。弱いくせに。絶対こいつ後でぶっ飛ばす。
でもとりあえず、今は試合が優先だ。
「黒子お前覚えとけよ。」
「分かりました。大丈夫です、火神くんよりは記憶力に自信あります。」
「あぁ!?」
ぶん殴ってやろうと思ったけど、悪寒がして手を引っ込めた。同時に背後に異様な気配を感る。
「あんた遅刻してきたくせに偉そうね。そんなに走りたいなら行ってらっしゃい!さぁあっちでシャトラン50本ね!」
黒子、マジで恨む。
最高最悪のパートナー
その日一番のパスが誰から来たのかなんて言うまでもないんだけど。あぁくそ、ほんとムカつく。
ルルーシュとスザク
「人間ってね、忘れる生き物なんだって。」
大きな瞳をこちらに向けながら、ゆっくりゆっくり、一字一字丁寧に話した。
「辛いことや嫌なことを忘れて、でも楽しかったことだけはずっと覚えているんだって。」
何が言いたいのか分からなかった。だからただ黙って彼の話に耳を傾けた。
「今この時を忘れる日が来るのかな。それとも、いつまでもずっと覚えているのかな。」
忘れたら辛いこと。
覚えているなら楽しいこと。
「どうして忘れるのかな。何のために。」
呟くみたいに、彼は何度も繰り返した。きっと独り言なのだろうけれど、俺もまた呟くみたいに言う。
「そうしなければ、生きて行けないから。」
返事なんか必要無いし、きっと聞いていないだろうと思っていた。しかし彼は予想外に、にっこりと笑みを浮かべながらこちらを見ている。
「…とても狡くて、とても賢いんだね、人間は。」
どうせ君も、同じなんだろう。
反論する前に、肯定する前に。そう言って、彼は静かに目を閉じた。
君を忘れることはきっと無いと、
どうして言わせてくれないの?
スザクとルルーシュ
「本当に、告うのか?」
こくりと、頷いた。今ならまだ戻れると思う気持ちを押し込めようと、出来るだけ力強く。
「後悔、することになるかもしれないのに?」
「…このまま黙ってたって、きっといつか後悔することになる。」
もし彼に好きな人がいたとして、それをただただ指をくわえて見てる自分。頑張れって親友として応援する自分。きっとその方が自然で、そして簡単なことなんだと思う。でも。
「同じ後悔をするにしても、何もしないで後悔するんだったら、何かをして後悔した方がまだいい。」
本当は、強がって自分にそう言い聞かせてるだけかもしれない。
だって、怖い。君に拒否されたらと思うと震えそうになるくらい怖いよ。
だけど、そんな弱い自分を変えたいから。
「好きなんだ。だから、ルルーシュにちゃんと伝えたい。」
「…は?」
「君に相談してたのは、君ともっと近づきたかったからなんだ。本人に相談するなんておかしな話だってのは分かってたんだけど。」
こんなことばかり考える狡い自分。でも告白する決意をしたからこそ、少しでも長く君と一緒にいたかった。
ううん、きっと君がちゃんと話を聞いてくれたから、告白する決心がついたんだ。
君に思いが届かなくても頑張ったから悔いは無いなんて、そんな綺麗事は言わないよ。それでも、行動しなかった後悔よりは少しはマシかなって、そう思うから。
「…俺も!俺もここでお前を送り出したら一生後悔するかもって思ったんだ。でもダメだった。」
「…ル、ルーシュ?」
「だからスザク、ありがとう。勇気出してくれて、ありがとう。」
呆然としている僕の胸にルルーシュが飛び込んできて、訳も分からず思わず受け止める。
俺もずっと前からお前のことが好きだよ。
ルルーシュはにっこり笑って、それはそれは綺麗に泣いた。
だから、後悔なんていらないよ
だってこんな幸せな結末、考えたことなかった。