夏コミ(c88)
8/14(金)
西 も19a 『山本清』
ジャンル:テイルズ(オールキャラ)
新刊
『20周年だよ!主人公全員集合!』
・漫画と小説の合同誌。それぞれ主人公を分担して好き勝手に書いてます。
・追記に小説部分のサンプルを載せときます。
既刊
『女装男子にご用心』
『だんらん』
『女装主人公 前』
後は久々にポストカード(画像)作ったので手にとってもらえたら嬉しいです(無配)。
残念ながら私は家の用事で参加できませんが、相方たちが行くのでよろしくお願いします。
※ この話はクレスが他のテイルズ作品にいたらという前提で、 かなりのオリジナル要素が入っています。
※ ファンタジアは未プレイ、テンペストとハーツについては初めの三時間ほどしかプレイしていません。
※ その辺のところをご了承の上、大丈夫な方はお進み下さい。
【 守る強さを知る世界 】
此処は王都バロニアの一角にある騎士学校。
カァンカァンと木と木が弾き合う音の元を探れば、そこでは二人の青年が木刀を片手に手合わせをしていた。
「はあ!」
「くっ!」
赤いハチマキを巻いた青年、クレスが木刀を振り下ろすとそれを赤みがかった茶髪の青年、アスベルが同じく木刀で受け止める。
「そこだ!」
木刀を振り下ろしたおかげで隙のできた胴体にアスベルが蹴りを入れようとするが、それをギリギリで躱すとクレスはすぐさまアスベルから距離を取る。
再び向き合った二人は息を整え木刀を構え直すと視線を合わせ、一斉に飛び出した。
カァン!
一際大きな音が響くと続いてカラカラと地面に木刀が転がる音がする。
「僕の、勝ちだね」
結果は一目瞭然。
そこには膝をついたアスベルの首元に木刀を突きつけるクレスの姿があった。
「・・・參った」
呟くようにそう告げるアスベルの言葉にクレスは木刀を下ろすと、先ほどまでの殺気立った瞳を和らげ爽やかな笑みを浮かべ手を差し出した。
「コレで百二十八勝百二十五敗三十二分けかな」
「ああ〜また差が開いた」
クレスの手を握り返し立ち上がるアスベルは、悔しそうに顔を歪めたまま服についた土を払い弾き飛ばされた木刀を拾いに行く。
「でも、さっきの蹴りは危なかったよ。アスベルは体が柔らかいから体制が崩れた状態でもすぐに攻撃に移れるよね」
「その攻撃を躱したくせに何言ってるんだよ。それにクレスこそ見た目に反してパワーがあるよな。最後は完全に押し負けたよ」
額にかいた汗を拭いながら、早速今の手合わせについての考察をしあう。
騎士団の同期で年齢も同じ、さらに寮でも同室の二人は七年という年月を共に過ごした結果、騎士を志す同士であると共に大切な親友となり、お互いを高め合う好敵手という存在になったのであった。
そして時間があればこうして手合わせをしているのだが、最近はクレスの方が調子が良いようで僅かに生まれた差にアスベルは落ち込んでいた。
「もしかしてクレス、秘密の特訓とかしてないよな?」
「してないよ。というか訓練も自主練もいつも君と一緒にいるだろ」
そうだけどと言いながらどこか納得のいかないアスベルは、今回も負けた事が余程悔しいようであった。
「まあまあ、それよりも明日からマリク教官と実地任務だろ。もう準備はできてるのかい?」
「あっ!」
そう言われ思い出したとばかり声を上げるアスベルにクレスは呆れた顔をする。
「アスベル・・・」
「ははは、ちょっと忘れてただけだって」
誤魔化すように笑うアスベルだが、バツが悪そうに良かったら買い物に付き合ってくれない?とクレスに懇願する。
その言葉に仕方ないなぁと溜め息を吐きながら一緒に市場に買い物に出かけるのであった。
「他に行くところはある?」
「え〜っと、剣も研いでグミも余分に持ったし・・・」
ひと通り市場を回るとアスベルは他に準備する物はなかっただろうかともう一度買い物リストを見直す。
「うん、これで全部だ。付き合ってくれてありがとう」
「どういたしまして。アスベルは初めての実地任務だよね」
「そういえばクレスはこの間行って来たんだったな。どうだった?」
初めての実地任務に緊張しているのか、アスベルは少々不安気にクレスに訪ねてくる。
「う〜ん。僕はヴィクトリア教官とだったけど、やっぱり緊張したよ。でも教官がいつも通りやれば大丈夫だって言ってくれたおかげで肩の力を抜いてできたんだ。とりあえずあまり気をはりすぎない方が良いってことだね」
まあそれが一番難しいんだけど、と笑いながら言うクレスに確かにと思いながらアスベルも頷く。
さて、準備も整った事だしそろそろ帰ろうかと騎士学校に足を向けると突然アスベルが声を上げ走り出す。
「あ、ちょっと待ってて」
「えっアスベル?」
どうしたのかとアスベルが向かった先に目を向けると、そこには馴染みの店がありクレスは笑みを浮かべた。
そしてすぐに戻ってきたアスベルの手には想像通りのものが握られており、それを一つクレスに差し出してきた。
「はい、今日買い物に付き合ってくれたお礼」
差し出されたのは涼しげな色をした冷たいアイスキャンディー。
得意気な顔で差し出してくるアスベルが何だか子供のようでクレスは微笑みを浮かべる。
「ありがとう。でも本当はアスベルが食べたかったんじゃない?」
「そ、そんな事ないよ!」
分かりやすく動揺する姿に今度こそ声を上げて笑うと、アイスキャンディーを口に含む。
冷たく甘いその味に二人は笑い合いながら帰路に着くのだった。
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