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Many Classic Moments14 (攘夷高新)




*まとめ*



今日の新八くんは朝からお堂の拭き掃除をしております(今日はお掃除を担当する持ち回り当番)。廃寺なので汚れも目立つし、何なら板間も所々破れてひどい有様ですが、家事に関しては根っからの情熱を見せる新八くんのこと。目立つ汚れがあったら這いつくばって、キュッキュッと一生懸命に雑巾で磨いていたのですよ。たまに雑巾をジャーとバケツのお水で絞り、また汚れに戻っては磨くと。

そんなんやって一生懸命な新八くんか。這いつくばってね、へえ。そう……何か一生懸命にお掃除していると、ぷりぷりしてそうですねお尻。
とてもカワイイですね、お掃除してる新八くんのお尻は(いやどこに着目)


そしたら偶然通り掛かった晋助も、ん、とばかりに目を止めて、


「…………」

って、まじまじ新八くんのケツ見てんなやこんのむっつり助平がァァァァァァァ!!(お前こそな)

ほんっと普段からしてカッコつけてる分だけむっつりと言いますか、まあ晋助もいくら鬼兵隊総督とは言えども健全な18歳男子ですよ。無自覚ですが新八くんのこと好きだしね。

何かね、晋助も少し気が惹かれましたよね。男子としての性でね。もう行こう行こうと内心は思ってるのに、何か一生懸命に床磨いてる新八くんのお尻がこう、んしょっんしょっと張り切ってゴシゴシしてる新八くんのケツがこう、


「……。……」

って、だからもうさっさと立ち去れやこんのむっつり助平がァァァァァ!!(ガタタッ)
そりゃ新八くんのお尻はカワイイけどもな!

ほんっと何でしょうねコイツ、晋助ってばほんと視線ストーカーもいいところですね。新八くんが別のものに集中してると思った途端に、ちょっと安心して熱視線で見てますからね。逆に新八くんにまじまじ見られたら気恥ずかしくて目を逸らしちゃうくらいなのにね(童貞メンタル)

そしたら新八くんでもさすがにその熱視線を感じたのか、んっ?と顔を上げて、くるっと振り返り、


「あ、高杉さん。おはようございます。朝ご飯もうできてましたよ、桂さん達も待ってるんじゃないですか(ニコッ)」

朝食の催促かと思われてる晋助ですけどね。自分のケツ見られてたとか、そんなんは新八くんだから全く考えませんよ。ねえ。朝からニコニコと屈託のない笑顔です。



そりゃあ、

「あ、高杉クン。朝飯食べたら何か俺の甘味買いに行ってきて、もちろんお前のおごりで」

などとね、傍らからもムカつく声も掛かるってもんですよ(銀さんやっぱり居たんだ)


「俺新八と掃除してるからさー、凄え忙しいから」

って、片手を枕にして寝転んでる時点でアンタは明らかに何もしてねえだろ銀さんよ?って言う(本当にな)


「新八一人だとこの広さは大変だしよォ。かと言って他の連中が掃除とかする筈ねえし」

って、片手枕でゴロリと寝てるこの位置とか、明らかにアンタは新八くんのケツ見るベスポジに居るよね?って言う。それに気付いた晋助が、


「……テメェ何もしてねえだろうが」

などとカチムカで言おうものなら、


「え?いややってるよ、力の限りやってるよ?俺ァ新八のこと後ろから見守る役だから。これが俺の全力だし」

とか堂々とのたまう。清々しいほどハッキリと言う、そしてその意味は晋助にしか伝わってない。何か微妙にエロいものを含んだ意味に晋助には伝わるのに、新八くんはいつもの銀さんのだらだらモードとしか伝わってない。

新八くんには伝わらず、晋助にしか伝わらない、このトライアングルの基本形の以心伝心がここにあります。あ、今は以心銀新じゃないからね、あしからず。


ますますムカムカした晋助が銀さんの前に回り込み(おお視線遮った)、銀さんを忌々しげに見下ろし、


「それは見守りじゃねェ、テメェのは見守りたァ言わねえ。どこ見てやがんだテメェは」
「え?何それ?マジ意味不明なんですけど。どこって新八だよ?新八のことをくまなく、全体的に」


だけども銀さんは手強い。凄えしらっと言う。


「あ?別に見なくていいだろうが、コイツのケツなんざ(イライラ)」
「いや別に新八のケツ見てるとか敢えて言ってねーけど。全然言ってねーんだけど。てか何お前、やば。マジやべーなそれ、何考えてんの?ねえ分かってんのお前、お前新八のケツ見てたんだ。へえ?ふーん。見てもいいけど3分で五百円な(スチャッ)」(右手差し出し)
「どんな商売だテメェは(イライラry」


ほら〜!晋助なんて銀さんの口八丁にかかれば即座にこんなんになるよ。凄え真顔で右手パーにして差し出してる銀さんですよ。すぐあこぎな商売に結び付けるんで、何しろ生きてる土台が銀さんと晋助は桁違いに違うからねえ。




だって晋助はどんなに悪たれや悪童と言われようとも、やっぱり根はお坊ちゃん育ちなんですよ。お坊ちゃん育ちの不良なんです。ボンボン故、幼い頃には潤沢に与えられた環境があった。名門私塾も(結局お気に召さなんだが)、名家の武家の息子という立場も、どどんとだだっ広い日本家屋であろうご実家には並み居るお手伝いや家令が山をなしていただろうし、幼少期からそんな環境で過ごしていたお坊っちゃま。

まあそんな風にして己を取り巻く環境をクソ食らえと思って飛び出してるのが、晋助が晋助である所以なんだけどね。お上や親から与えられた“侍”という立場だけに固執し、しがみついてる他の連中に嫌気がさしてた訳ですもんね。

長々と築き上げられ過ぎたせいで退廃しきった“侍”を気取るそんな連中が許せなくて、生温い恩恵に浸りきってる連中に嫌悪を覚えて、
テメェらが侍の筈がねえって、なら侍とはなんだよって、俺の求め得る“侍”とはなんだよって、幼少の当時は全力で迷走しててわからなくて釈然としなくて、

だからこそ名門私塾でも大暴れしてたし(晋助)、そんで怒り狂ったお父上に木に吊るされて、その流れで当時出会ったばかりの桂さんにはツナマヨおにぎり手渡されたりしてたし(美味しい)、

でもボンボンという立場に居ながら、晋助も葛藤してたんですよ。士族の息子という肩書きがあれば親やお上に全力で寄りかかることもできたろう、その剣技の才覚があれば幕臣に取り立ててもらえる出世への道も余裕で選べただろう。でも晋助はそれをしなかった。


もう名門の息子なんて立場なんざいらねえって、同じような肩書き持って安穏と過ごしてる他の士族のガキなんざ俺と同じ筈がねえって、


 テメェらが俺と同じ筈がねえ、

 んなもんは俺が許さねえ、

 『俺が俺である為に許さねえ』ってさ。



そんな晋助の傲慢が凄えかっけえ。そしてガキの頃から晋助マインドを確立させてんなお前、と思う。心から感心する。だって凄え傲慢っしょ、家を存続させる為でも己の立場を守る為でもなく、誰の為でもなく、己の魂を護る為に剣を振るう。

凄え傲慢。なのにひとっつも間違ってねえ。剣は人を殺める武器なんだけど、己の魂を護る武器でもある。

その方向性が間違ってる時も多々あれど、晋助は牙を研ぐことをやめられんのよ。やめたら晋助は晋助でなくなるからさ。いろんなところに噛み付く事を決してやめない。そんなガキだったんスよ。

そうやって翠のカワイイお目目にギラギラと闘志燃やし、色んな制度や社会に噛み付いてさ。まだ幼いながらも、そのギラつきは大人顔負けどころか、大人にもない灼熱を孕んでやがる。


『死ねよテメェら、むしろ俺がぶっ殺してやらァ』


的なね。ほんとお前ボンボンかよ?みたいな。そのギラつく目は既に幼い獣ですよ。そんな片鱗を漲らせて、肩を怒らせて往来なんて歩いてた時分には、

『──ねえ聞いた奥さん。高杉さん家の息子さん、今日もまた塾で大暴れだったみたいよ?(ヒソヒソ)』
『ええ?またなの?晋助くんでしょ?うちの息子もあそこ行ってるのに……何が不満なのかしらね、あんなご立派なお父様がいらっしゃるのにね(ヒソヒソ)』

みたいな(ご近所さんのうわさ話)


そう、晋助だって反社会的なガキもいいとこだったの。晋助はそんなガキだったもんでね。ある意味当時から本物ですね、ええ。本物のアレですよ、でもいいの。そんな晋助が好きだよマジに。

まあだからこそ、そんな晋助だって松陽先生に出会って刮目したし、銀さんや桂さんとつるんでたんだろうけどね。気が合うっつーか、村塾三人はそれ以前に魂の共鳴があっんだろうが。
けどもじゃあ銀さんはと言うと、晋助や桂さん、先生と出会う前からね、


銀さんは死体の山の中で握り飯食らうようなガキだったもんでな?(あっ)


そうそう、銀さんは終始そんな感じだったんですよ。あの時先生と出会い、拾って貰わなかったらどうなってたんだろうね。

めっちゃ強いけどどっかが凄え欠けてるガキだったの、銀さんも。でもその欠けてるところにすら気付いてねえ。当時は気付かせてくれる人もいねえし、

『そもそも気付いたところで、その発見は俺の腹を膨れさせる訳でなし』と。

銀さんはその時点からマジ銀さんだったんですよ。悲しいほどにな。

でもどっか欠けてる銀さんも好きだが、色んなもんを抱えて踏ん張ってる銀さんも大好きだな。そうやって何かを“護る”魂を教えてくれたのは先生なんだろうしね。



 生きる為でなく人を殺める為でもなく、己の弱さを斬る。
 そして己の魂を護る。

 その為に君は剣を取れ。剣を磨け。



って銀さんに教えてくれたのはさ、先生ですよ。その教えがいい悪いでなく、幼い頃の銀さんの胸にはストンと落ちていった事だろう。その時に初めて、世界っつーもんが見えたと思うよ。銀さんは。先生と出会って世界を知りましたと。
だって今までは生きる為に剣をがむしゃらに振るってきたんですよ。当時はもっともっと治安悪かっただろうから、親もいねえガキなんざどうなるか分かんないんだもん。弱かったらどっかに売り飛ばされるかもしれないし、それこそ野垂れ死ぬかもしれない。ガキである自分が自分で身を守り、この世界を生き延びる為には強くなるしかねえ。

先生と出会うまでの銀さんの剣は、そんな剣。

出会った後の剣は、己の魂を護る為の剣。もう理屈じゃねえ、建前もクソもねえ、だけど本能の赴くままにだけでもなく、
ただ自分の大切に想うもの、大切に感じる誰かを護る為に刀を振るえるようになったんだ。



そんな晋助と銀さんは生き様こそ似通ってるもんがあろうが、土台が違うってのはコレ、もう仕方ないでしょ?かたやお坊っちゃまで、かたや孤児だしね。仕方ないんですよ、だから銀さんの口八丁や生き延びる才覚に晋助が勝てる筈がない……

てか何の話してんだ私は(本当にな)

朝から新八くんのケツ見てただけなのに、なんでこんな話を展開させてんだ。え、分からない、自分の脱線力の高さがもう分からない(何その力)



場面を元に戻す。早急で元に戻しますと、でもそんなんやって朝からギャーギャー言い争ってる銀さんと晋助をさ、別に新八くんは特にもう怒らないと思うよね。だんだん慣れてきたから放っとくと思うよ、少なくとも胸ぐら掴み合うくらいじゃまだツッコまないよ(新八くんの順応力パねえ)

しかもまたバケツで雑巾をジャーと絞った新八くん、晋助に向き直るなり、

「ああ、いいっスよ高杉さん。銀さんいつもこんなんなんで、別に掃除では戦力として捉えてないんで。もうすぐ終わりますから」

とかね、ふうと息を吐いてるくらいです。大人か!(仕方ない場面が少年を一時大人にさせる)

ならまだギャーギャーやってる銀さんと晋助は何なんだお前ら、ガキか!(ガキです)




*脱線が名物みてーになってきたな(続く)*


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