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Many Classic Moments12 (攘夷高新)

*まとめ*




最近の新八くんときたら、何だかぼーっとしてる事も多いようですね。ぽけーっとしながらお寺の境内の掃き掃除したり、ぼんやりしながら皆さんのご飯作ってたり(包丁危ない)、とろーんとしながら自分の着物をチクチク繕ってたり(だから針危ないってば)

それもそのはずで、最近の新八くんは何だか晋助の事を考えてしまう瞬間が多いのですよ。
桂さん運搬事件(何かめちゃくちゃ誤解されそうなタイトル)があった晩、晋助が、

『テメェとの仲は誰にも否定しねえ』

なぁんて新八くんにどキッパリと告げたものだから、その意味を考えて、新八くんもまた真面目だから懇々と考えちゃって、その度に晋助のことが思い浮かぶから、思い浮かべた新八くんのお顔はかああっと火照り、シュンシュンシュンシュン……とさながら瞬間湯沸かし器のように即座に赤面し、


「(……あれってどういう意味なんだろう。何で高杉さん……あんな事言ったの?)」


考え込みすぎて若干知恵熱出てる勢いなのです。つーかもはや恋してるに違いないんだけど、まだ気付いてない新八くん(16歳童貞)。そしたら何か晋助の事もだんだんとカッコ良く見えてきちゃってね。これぞ初恋フィルター。

いつものように二日酔いでフラフラしてる姿、
いつものように銀さんとギャーギャー喧嘩してる姿、
いつものように面倒臭そうに投げやりに桂さんにツッコんでる姿、
いつものようにもっさんにイライラしてキレている姿、

そのどれにもキラきゅんっ☆とした初恋フィルターがかかり(いつもの姿チョイスがちょっとどれもアレか)、


「(高杉さん……って高飛車だし傲慢だけど、中身は置いとくとして、ひょっとしなくても顔はカッコいいよなァ。綺麗な顔立ちだし……高杉さんカッコいい)」


などとぽけーっと晋助の横顔を見ながら思っちゃって、そうやって熱く晋助を見つめた試しも今までそうそうなかったもんだからそんな事を考えた自分にもビックリしちゃって、気付いた瞬間にぶんぶんと首を振りながら、


「(えええ!?え?!僕おかしくね?!……何か……僕やっぱり病気かなあ。今度は頭?)」

とか、ほの赤い顔で至極真面目に考え込む新八くんなのです。
てか病気じゃないから!恋だからそれ!頼むから、マジで頼むから誰かこの子に教えてやってくれ!(土下座の構えで)



まあそんな新八くんですからね。この頃になってやっとかかり始めましたよね、恋の罠に。晋助が真横を通って行っただけで若干挙動不審気味ですよ、心臓はドキドキ通り越してドッドッと波打っております。もっと凄いことなんて山のようにしてきただろうに、今更意識し始めたようです。そんでやっぱり、そんな自分が訳わかんないの。


「(あああああ何なの僕!?今日なんて高杉さんの顔見れねーし!何かもう気持ち悪い、てか僕無理ィィィィ!!こういうの分かんねーし無理ィィィィ!!!吐きそうだよいっそ殺せよォォォォォ!!)」


ヒロインなのに苦悩しきって、血走り気味なお目目でグッシャアアアと髪を掻きむしっております(童貞メンタル万歳)






だからね、そんな風にして16歳の苦悩を持て余してる新八くんですからね、銀さんがいつものように夜中にお布団に入ってこようとしても、ピッと身を硬くして、

「銀さん、あの、自分のお布団戻ってください」

と素気無く断りそうですね。以前より強い口調で止めるという。でも銀さんだから素直には聞いてくれないかな。

「え?やだし(即答)」

真顔で答えてゴソゴソとお布団に入ってこようとしてるので、

「つーか何?いきなりマジになんなよ。こんなんいつもの事じゃねーか。俺らがくっついて寝てんのなんかガキの頃からあったろ?冷てえ事言うなよぱっつぁん」

などと全く悪びれてないのでね、新八くんもついついもっときつい口調になっちゃって、

「本当にダメです!!来ないで!もう僕らは子供じゃないんですよ!」

大声で銀さんを叱ったの。
もちろん周りはモブ志士の皆さんが寝てますよ?いや寝ずにハアハアしつつ、この二人を見守ってるモブ4も居るだろうが(本当にお前モブ達好きだな)

新八くんは銀さんを大声で叱った後はハッと我に返り、今度は小声で、

「ね、銀さん。もう僕のお布団に来たらダメですよ。でもあの、大声出してごめんなさい。おやすみなさい」

銀さんに謝り、周囲が起きてないか確認してから、銀さんに背を向けてもそもそお布団を被るのです。
銀さんはマジでビックリしただろうねえ。

だっていつもなら小声でしか叱ってこない新八くんでしょ?だから銀さんも叱られても新八くんのお布団に入って抱っこしてたし、スンスン首筋の匂い嗅いでたし、

何ならそろそろ手を出していこうかと思ってたのに、そろそろ新八くんの身体を撫で回していこうと思ってたのに、(銀さん)

そんな風に考えてた矢先の新八くんの突然の拒否。思いもよらない拒絶反応。


「……え?新八?」

新八くんが発した心からの拒絶の声に、銀さんも一瞬だけピタって身体を止めたわな。『は?』って思って。んで身体をむっくり起こして、傍らの新八くんのお布団を見下ろす。


「え、何で?マジ何で?今日だけダメなの」
「……いや、今日だけじゃなくて明日もです。明後日も」


新八くんは答えてくれるんだけど、銀さんには顔を見せてくれない。なんなら更にお布団を深く被っている。


「はああ?何それ。おま、お前何なの。新八のくせに生意気なんだよ。別にいいじゃねーか(ムカッ)」
「だめですったら!どうしても銀さんが来るなら、あの、僕高杉さんの部屋で寝てきますからねっ!」


おいおい!新八くんったら言うに事欠いて何を言ってんの!よりにもよってここで晋助の名前出すかね君は。

まあ今の新八くんの言葉にはそこまで深い意味もなく、晋助は魔除け的存在と言いますか(魔除け?)、銀さんがどうしても僕の嫌がる事するなら別部屋行きますっ、くらいの感覚でしかないんだけどね。でもそんなら桂さんでもいいのに、晋助の名前出すとこが恋なのです。

そりゃあ銀さんも怒り心頭になりますよ。

「……はああァァァァァ!!??何でそうなんの!?どんだけ斜め上だよ!てか何、斜め上通り越して異次元空間に投げられた感がハンパねーわ!(ガタタッ)」

って、もう銀さんがうるせえェェェェェェ!!怒んの分かるけど!んもう銀さん!
皆が起きちゃうじゃん、てかもう既にお堂のモブ志士の皆して起きてると思うね(ある意味衆人環視)。ハラハラしながら二人の会話に聞き耳立ててるよね、だって皆は銀さんと新八くんがデキてると思ってるしね。

そこで出てきた晋助の名前に、モブ4とモブ5が反応しない筈があるまい。隣同士のお布団から首伸ばして、ヒソヒソこそこそと内緒話してるよ。



モブ4「おいおいおい、何か思ってた以上にメガネがパねえよ!あのメガネ、よりにもよって高杉さんと銀時さん天秤に掛けてんぞ!鬼兵隊の総督と白夜叉ってオイ、メガネすっげえな!(コソコソ)」
モブ5「何だあのメガネ、銀時さんとデキてたんじゃないのかな?高杉さんってアレだろ、すげえ強えけど傍若無人っつーかさ……俺は銀時さんの方が男として好きだけどなあ(コソコソ)」
モブ4「ああまあ、でも鬼兵隊の連中とかすげーじゃんか。『総督!』っつってさあ。こっちが引くくれー崇拝してんよ?てか高杉さんなら女も選り取り見取りじゃねえの?(コソコソ)」
モブ5「いやここ一応戦場だろ?だから身近なとこに居るメガネも犯っとこうって感じじゃね?高杉さんだろ?てーかマジ銀時さんのがかっけーと思うわ、俺は(コソコソ)」
モブ4「だなあ。銀時さんのがかっけーのは俺も分かる。銀時さんのが絶対ェ強えしよ(キラキラ)」(ガキのような屈託のない瞳)
モブ5「だよな、だよな。やっぱ普通に銀時さんだよ。破天荒っつーか、刀持っててもすげー面白えしさ。あんだけ強えのに俺らとも全然喋ってるし。メガネ分かってねーわ、高杉さんにも犯らせてるとかさあ。ねーわ(はあ)」
モブ4「でもマジかー高杉さんも犯ってんのかなあ?てか案外、銀時さんと高杉さんでメガネ取り合ってるとかさ?(コソコソ)」
モブ5「うっげ。ねーだろそれは。ねーよマジで、そりゃ顔はまあまあカワイイしイケるけどさあ、メガネも男だぞアレ。さすがにねえよ(コソコソ)」
モブ4「あーな。でもまあ……やっぱりよくよく見てもカワイイじゃん、あのメガネ。銀時さんも高杉さんもふらーっとすんじゃねえかな(コソコソ)」
モブ5「ふーん。まあここ女居ねえしな……手頃な発散対象じゃアリかもな。でもそういうもんかあ?あのメガネにだろ?白夜叉と鬼兵隊総督が?んー……あーもういいや、もう寝るべ。ホモとか俺知んねーわ。高杉さんもよく知んねーし(ゴロリ)」(←普通の男子)
モブ4「ちょ、待てよォ!(ガバッ)メガネがどっちとデキてるか気になんじゃねーかよ!(コソコソ)」
モブ5「いや寝ろよお前、てかもうどっちにも犯られてんじゃねえの?それでいいよ。銀時さんと高杉さんの交代制だろ、もしくは3P(コソコソ)」(←眠いから適当)
モブ4「え、じゃあやっぱ二人に犯られてんのか、あのメガネ。すげー。それすげー……何かエロいよなあ、へへ(照れ)(コソコソ)」
モブ5「エロいかあ?戦場でしかありえねーだろ、野郎同士とかさあ。あ、でも頼んでみればヤらせてくれんじゃねえの?お前あのメガネならイケんだろ?ケツ貸してもらえよ(コソコソ)」
モブ4「えー、ちょ、それって、ちょ待てって、俺別に稚児趣味とかねえよ?マジだよ?へへ(照れ照れ)」


──って、もうこいつらでいっそBL始まった方が良くね(真顔)。晋助や銀さんやメガネの事を考えてる場合じゃない、こいつらでいっそ始めたらいいと思うよ。意外とノンケなモブ5が攻めっぽいけどね。モブ4はそこをどう攻略していくかが肝、そしてある日いきなりモブ5に……てかどうでもいい上にまたしてもくっそ長いよォォォォォ!!??(ダンッ)

何でこうも名も無きモブが好きなんだろうか。ほんとモブの会話考えてる時の私の楽しさ異常だわ、てかこいつら絶対鬼兵隊のモブ隊士と所々で喧嘩してるよね。鬼兵隊のモブ達は晋助シンパなのに、こいつらは銀さんのが好き派だしね。完全に喧嘩してるでしょこれ、晋助かっけー派と銀さんかっけー派でブチブチやり合ってんでしょ。

『どこ目ェ付けてんだ、あん?俺らの総督あんまなめてっとマジ殺すからな、てか俺らの総督がマジ一番かっけーから。あん?』
『はあー?総督とか俺らに言われても知らねーよコルァ、銀時さんのが普通に強えよ。二つ名が白夜叉だぞ白夜叉。夜叉って凄くね、並大抵の男が背負える二つ名じゃねえぞコルァ』

完全に不良のチーム同士の抗争じゃねーかコレ。完全にヤンキー同士のトップ抗争だよこれは、てかお前らモブが頭悪すぎて大好きだから。何こいつらバカなのに一生懸命だなあ、だから私はお前らモブが好きコルァ(お前もかい)

そしたらさあ……って、二段階にも渡ってモブ模様を展開させんなやァァァァァ!!!(ダムダムッ)(自分の脳みそをシャッフル)


ふうぅ……てか何でやっぱりモブ4は照れてるの?何?
やっぱりお前は新八くんで勃起してんの?(してますね)




……とまあ、こんな風にお堂の中にてある意味衆人環視で見守られていた銀新なんだけど、銀さんはもう即座にカッチーンときたの。だって新八くんったら、言うに事欠いて『高杉さんの部屋で寝てきます!』って言うとか。それほど俺と寝んの嫌かよ?ってさ。


「はああ?!信じらんねーお前、そんなに嫌なのかよ。俺と居るんなら高杉のとこ避難した方がマシってか?(ムカムカ)」
「え?いや違いますよ、銀さんが嫌な訳じゃなくて。てか僕が銀さんを嫌がる訳ないでしょ。でも……ダメなんです。ごめんなさい」


もうすっげえムカつき感丸出しでぶつくさ言う銀さんに、新八くんは素直に謝る。だって銀さんが嫌いな訳ないじゃない、むしろ新八くんは銀さんが好きですよ。側にいると誰より安心できるし、お兄ちゃん的な存在と言いますか、家族にも等しい銀さんだから。

でも晋助に対して抱き始めた、不可解で不可思議で不明瞭で、なのに胸が弾むような、うずうず疼くような、甘い棘がハートに刺さっているような気持ちは銀さんには持ってない。

それだけですよ。

てか何気に残酷ですね、恋する乙女心はね。家族と恋人の明確な差は、新八くんの中ではどキッパリと存在しているという。まだそれが明確に分かってないだけで、もう無意識下では確立してるんじゃないかなあ。
だからあくまでもソフトに銀さんに謝りつつ、銀さんをもうお布団に入れる事はしない、と暗には拒否ってますけどね。



そんな無言の拒否を見せる新八くんに、銀さんは少し黙って、ぽりぽり後ろ頭を掻きつつ、

「あーあ。ならいいよ。俺が無理やり何かするより、てめえが高杉のとこ行く方が嫌だわ」

と。これは銀さんの本音だからね。今自分が何かして、決定的に新八くんが離れてく方が銀さんはずっと嫌なのですよ。しかも自分から離れた新八くんが晋助のとこに行くなんて、そんなん認められないほどに嫌。
ぜぇったいに嫌(すげえトライアングルだなある意味)

「……ごめんね、銀さん」

申し訳なさそうに小さく呟く新八くんに、銀さんは軽くため息を吐く。そんでよいしょと再度横になって、傍らの新八くんに向かって、

「わーったよ。もういいよ。てかマジで何なのお前、遅れて来た反抗期かよオイ。……つーかマジ高杉のとこ行くなよ?なあ?」

ヒソヒソ囁いてます。何度も何度も確認してます。


「うん。行きませんよ」
「ならもうお前の布団には行かねえから、手ェ繋いで。それだけでいいから」
「うーん……まあ、それならいいですよ」


隣のお布団からもそもそ手を伸ばし、同じくお布団からそうっと出された新八くんの手をぎゅうっと握ってる。どこも行かないようにって、何となく力を込めて。
新八くんが寝るまで隣りで銀さんは確認してるし、ずっとそのままで居ることでしょうね。銀新かわいい。報われない銀さん萌え(ぽそっ)

けど次第にすうすうと聞こえてくる健やかな寝息を聞きながら、銀さんも少し考えた。お布団の上で片腕を枕にし、新八くんの寝顔を見ながら考えた。


「(何だよお前。新八のくせに、俺のこと拒否ってんじゃねーよ。つーか何?マジ何なのお前。こんなんずっと続くのかよ。それやべえよ。そんなんなったら……お前に何すっか分かんねーのに)」


ああ、これ辛いですね。銀さんの気持ちも分かりますよね。
かわいがってる新八くんに日常的に構ってることで、新八と一番俺つるんでるよな、って思うことで、銀さんは銀さんなりの矜持を保ってたんだよな。なのに今、少しだけだけど新八くんが離れてく気配を感じた。自分とは違う別の何かに向かって。

その“何か”が明確に分かっちゃったら、そしてそれが到底受け入れられない事だったら、銀さんも新八くんに何するか自分でも分かんないんですよね。それがとてもひどい事だとは薄々分かるけど、自分でもきっと自分を止められない。
銀さんも己の中に夜叉を飼ってるんだもん。



だってずっと前から新八くんが欲しかった。



(どこにも行くなよ。誰のもんにもなるな)
(お前は俺の側に居るのが仕様だろ?……なあ、俺の側にいてくれよ)


いつしか思わずにはいられないった。もう覚えてすらいないけど、今考えるとガキの頃からそう感じてたんだと思う。

それに自分なら、新八くんに受け入れられて然るべきだと思ってた。誰より新八くんと近しいところにいる、自分だからこそ。どれほど甘えようが許される気がしたし、実際今まではそうだったのに。

なのに。




(お前が俺から離れてくなら……)




その時はきっと、銀さんは自分で自分を制御できないだろうね。
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