すっかりと冬本番になってまいりました。十一月の後半まではふっつーに紅葉を楽しんでた筈ですが、気付けば既に年末。万事屋さん達が炬燵でぬくぬくする年末。皆で和気藹々とお鍋を囲む年末。たまさんによる家賃の取り立てに三人で逃げ惑う年末(それいつもの日常風景ィィィ)
冬だから早々お外で活発に過ごせやしないので、これを機に新八くんなんてちくちくとマフラーか何か編んでくれそうですよね。ふふ。……いや待って、マフラーか何か?……それならマフラーがいい。どうしてもマフラーがいい、絶対にマフラーがいい、受けが編むのはマフラーって私の中では決まってんの、譲れないの、受けが編んだマフラーは(もうそれでいいよ)(むしろ誰も何も言ってないけど)
でも新八くんがちくちくといじらしくマフラーを編んでたとしましょうか。もちろん完璧に美しくはないものですよ。銀さんが編んだら既製品顔負けの代物になるだろうが(銀さんは器用貧乏)、新八くんの手編みなので。ちょこっとだけ編み目もほつれてたり、でもそれを何度も解いて直してあったり、不器用さを乗り越えて一生懸命編んでくれた、新八くんの真心がこもった世界で一品の一品なわけですよ。欲しい。
しかし新八くんがそんなやってちくちく編棒動かしてたら、晋助なんてすっかりドヤ顔ですよ?ドヤ顔の果てに煙管ふかしてますけどね、ええ(晋助)。それを新八くんが自分にくれるものと信じて疑ってないので。全然疑わない。全く疑わない。つか、いらねえよそんなモン、ってスカした態度ね。あくまでも。てめえがどうしてもって言うなら仕方ねえ、みたいな。
「仕方ねえから貰ってやらァな」(ふっ)って、いつもの上から目線で煙管をスパスパやってるんで(てめえ腹立つなオイ)。晋助はいつものスタンス。
……だけど、そんなドヤ顔の晋助にムカつき果ててる男も一人居ますでしょ?
「てめーコラ、何を決めつけてんの?だからボンボンは嫌いなんだよ、合わねェんだよ。どうせてめえ以外の人間が全部脇役とでも思ってんだろ?あ?違ェから、それはお前の低い視線から見てる世界がただ狭ェだけだから。高い視点から世界を見てねえだけだから、仮初めの寂しいステージで無駄にいきがってるだけだから、恥ずかしくスカしてるだけだから。そこんとこ分かってんの?低杉くぅん」(プークスクス)
銀さんですよ(分かってた)。
銀さんもまた、新八くんの編んでるマフラーは自分のものと思って止まない。『だって新八だぞ?』みたいな。
「新八って俺のもんだろ。ならアイツが作ってるもんは俺のモンだろうが。以上会話終了」(真顔)みたいな。銀さんは疑ってねえ。つかてめえも晋助と大して変わらない視点を持ってるという事にそろそろ気付いて欲しい(無理だと思う)。
銀さん、晋助と同じところにアンタは居る。
そんなんなったら、銀さんと晋助は普通にまためんどくさくやり合うだけであります。
晋助「……てめえ……銀時ィ」(ギリギリギリ)(凄い目)
銀さん「いやどうでもいいんだけど、ンな目で見られても大して困んねえんだけど。何?何か言いてえことあんなら今言えよ。あっ、無理か。てめーまだ原作じゃベッドの上でねんねだもんな。てめー如きの体力じゃ未来永劫俺に勝てっこねェもんな」(真顔)
晋助「……(カチン)……フン。体力しか自慢できる事がねえのか?腕力だの体力くれェでしかこの俺に勝てねェてめーが、何を一端に抜かしてやがる。馬鹿の一つ覚えとはまさにこの事だろうなァ」(くっくっ)
銀さん「(ムカッ)……いやてめーよォ、毎回思ってっけど、その高い鼻っ柱はどうにかなんねえの?完全にそれ黒歴史になんだろ、完全に将来後悔することになんぞ、その物言い。つかやべえ、コイツ俺とタメじゃねーか。もう手遅れ?」(とても真顔)
晋助「(物凄くカチン)……てめえ如きに心配される筋合いはねェんだよ。それに、ここをどこだと思ってやがる。俺がここの主なんだよ、てめーこそ場違いに出しゃ張りやがって(チッ)」(注・ここのサイトは一応高新をまず推してるのです)
銀さん「あん?んなモン知らねえから、知ったことじゃねえから、俺ァ好き勝手にやるだけだから。何ならここで冬のロマンチック銀新描いてくわ、悪路木夢砕のペンネームあるし。ロマンスの神様Gペンに宿らせてくから」(ゴソゴソとミカン箱をセットし始める)(いや待って、銀さん強すぎんだろォ!?)
そんなんなって何故か銀さんがベレー帽を被りだし、Gペンにインクを浸すなどして晋助に張り合ってましたら(どんな張り合い方)、晋助と銀さんの後ろで咳払いをする声が。
土方さん「……ゴホン」
ひ、土方さんんんんんん!!!???
土方さんも言いたかったのですね、新八くんのマフラーは俺宛だと。アイツが俺に作ってるんだろうと、土方さんも攻めのお一人として主張したいわけです。でも銀さんと晋助に目は合わせず、あくまでもちょっと視線を外してゴホゴホやってるとこが土方さんです。
そしたら銀さんも晋助もたちまちにゴミ屑を見る目つきになり(お前ら)、
銀さん「……え?何アレ?何が言いたいの、アイツ。何かやたらこっちチラチラ見てんだけど、いかにも第三の男みてえなツラしてんだけど、話かけてくれみてえな雰囲気ハンパねーんだけど、そもそもアイツって言うほど新八と何かあったっけ?言うほど新八に何かしてんの?」(コソコソ)
晋助「俺が知るか。目を合わすな、視界に入れるな。……何かの間違いでここに居んじゃねェのか」(ヒソヒソ)
銀さん「だよな?俺らと違って何……ッもねえもんな、万に一つも新八と既成事実はねえもんな。単なるお巡りの域を出てねぇ接触しかしてねーだろ?つまり単なる通行人Aに土方って名称つけられてるくれェの存在感でしかねーもんな、ここじゃ」(ほんとに銀さんは)(銀さんでしかない)
でも新八くんがやたら土方さんに懐いてるのは銀さんも晋助も知ってはいるので、そうそう無下にもできず、そのうちに仕上がる新八くんのマフラー。見るからにフカフカとしていて、手作り感満載のマフラーであります。とても欲しい(だからさっきからお前の願望が)
そしたら、
「あっ、銀さ〜ん!高杉さんも!一緒だったんですね!」
ってとても素直な笑顔で駆け寄ってきてくださる新八くんですので、パタパタと草履を鳴らして頬を赤らめて、息も上がるほど一生懸命に駆け付けてきてくださる新八くんですので、真冬の新八くんはとっても可愛くて、いじらしくて、そんな新八くんには当然銀さんも晋助も二人してドヤ顔なんですけど(最終的に仲良いの?)、
そしたら新八くんなんて、二人を華麗にスルーして土方さんにマフラー見せに行っちゃうからね!(やっぱりなの?)
「あっ、土方さん!お疲れ様です!見てください、僕マフラー編んだんです。初めて編んだので、なかなか難しくって……時間がかかっちゃったんですけど」
と、とても素直な眩しい笑顔で土方さんにマフラーを掲げる新八くん。即座に真剣&木刀を抜く晋助と銀さん(落ち着いて)。
土方さんはそんな新八くんを見るうちに何故か胸が詰まっちゃって、とっても嬉しくて、
「……そうか」
くらいしか言えないのが理想かな!自然と緩んでくる唇をタバコをくわえ直す仕草で隠すの。でも当然自分にくれるんだろうと新八くんに向き直ろうとしましたら、
「でも大変だったけど、無事にできあがってよかったです。クリスマスに間に合いました。喜んでくれるといいな……姉上!!」
って満面の笑みを浮かべて新八くんが言うものですから、姉上のために編んでたと、むしろ姉上のためにしか編んでねえと、姉上のことを考え、姉上の笑顔のためだけに弟としての愛情をたっくさん込めて編んでたと、ハッキリキッパリくっきりと言うものですから、
煙草を咥える土方さんの横顔にもピシィッと亀裂が入る訳です(土方さんんん)
そして、その新八くんの宣言でようやく立ち直ってきた晋助と銀さん。
銀さん「……へ、へえ〜。アレお妙の為に編んでたんだ〜。いや俺は全然知ってたし?期待とか全然してねえし、最初っから分かってたし、新八ってばすげえシスコンだしィ」(ブツブツ)
晋助「……ふ、フン。この俺が期待なんざする訳がねェ。俺ァてめーら下民共のままごとを嘲笑おうと、」(ブツブツ)
銀さん「おいおいおい、何お前、何を後出ししてんの?すっげえ恥ずかしい奴なんですけど、今更感ハンパないんですけどォ。てめーはガキの頃から自分の間違い絶対認めねえもんな」(←自分を棚に上げ)
晋助「あ?てめえ……今度こそ斬られてェか」(←いやほんと短気)
銀さん「ああ?いや無理だって、てめーに俺は殺れねえって。何回も証明してるうちにてめーの方が死んでんぞ?」(←いやほんとどこまでも銀さん)
そんなんで、新八くんの、
「もう!やめて下さいよ二人とも!せっかくのクリスマスなのに、楽しい気分が台無しになっちゃいますよ。神楽ちゃんと定春がかわいそうじゃないですか」
っていう止めが入るまで仲違いを決してやめないお二人であります。新八くんはプンプン顏です。え、つか何で新八くんは晋助をナチュラルに万事屋のクリパに巻き込んでんの?誘ったの?てか晋助も来てんの?来るの?え?
……まあいいか(良くない)。
でも、
「本当にもう、仕方ない人達ですね。来年こそは土方さんを見習って真っ当になってくださいね!」
などと可愛い笑顔で言われましたら、即座にまた木刀と真剣を抜いてる人達ですね(だから仲良いの?)。
今年も全く変わらない人達であります。
来年こそはちょっとこう、もうちょい銀新も高新も成長……いや、何ら変わらない気が今からしています(早いよ)