marow

大人にならなければと思った理由には色々とあるけれど、その中でも毎週彼氏に会っていたことに気が付いた時にハッとなった。付き合った当初は飲み会にもよく行っていた彼が、あまり飲み会に行っていないことに気がついてとても申し訳なく思った。

彼の幅を狭めてしまっているのは私ではないのか、と。

わがままな私が優しい彼の世界を潰してしまっているのではないかと思った時、とても恐ろしくなった。恐ろしくなるほどなんだから、自分の行為に覚悟なんて全くない。そんな自分が彼の世界を潰してしまってはダメだと思って。

彼が友達と会う時、私は寂しいと思ってしまう。けれど彼は私が友達と会う時、快く送り出してくれる。

彼が友達と旅行に行く時、私は会えないと思ってしまう。けれど彼は私が友達と旅行に行く時、快く送り出してくれる。

私は彼が私にしてくれていることを全く返せていない。何も返せていない。私は彼に何にも与えられていない。与えられるばかりで、まるでシャワーのように降り注ぐ愛情を浴びる赤子だ。心ばかりがぶくぶく太って、傲慢になる。

今ならまだ、今なら、変えられるのではないかと。変われるんじゃないかと。彼の世界を彼のままに残してあげられるんじゃないかと。


だから変わる。そう決めた。