1/1

/昨日はうっすらと虹がかかる大晦日だった。本日も良い天気。

 

1/3

/時間管理を将棋の対局時計をカチカチ言わせるように無心に行いたい。作業にかけた時間をいちいちカチカチ記録しておきたい。と思ったら、一動作で記録の開始/終了を操作出来て勝手にグラフまで作ってくれるアプリがあり、ありがたいものじゃと早速作業日誌に役立てている。

/水滸伝は、「いかが相成りましょうや、まずは次回の講釈にて」と結ばれるもので続きをすぐに読みたくなり、また一話がちょうど良い時間で読み切れるからほいではお次の話をと、どんどん読み進めてしまう。これにて一件落着、ほっほっほと笑って貰わねば区切りがつかない。夜更かし読書。

 

1/5

/猫が見ている景色を追うと、過去に繋がる抜け道が見えます。

 

1/6

/小さな武家屋敷にお邪魔して、建物の面白さを見た気がした。光がどこかから入ってくるお部屋には、人も入りやすいのかもしれない。柱に刻まれた十字に、信仰の重さと柔らかな遊び心が並んで立つのを見た。囲炉裏の火はパチパチと燃えて、部屋の鼓動を生んでいた。

江戸時代の建物、遺跡が面白かった。機会があれば触れに行きたい。今までは縄文メインで見ていたので、興味の幅が広がった。

 

1/9

/冬は廊下が冷蔵庫。だからと言ってキャベツを廊下に転がしたのは誰か。奇妙なオブジェ。一階は冷凍庫一歩手前。置いた大根が凍みて涙。煮物にして美味しく頂きました。

/今年は日記を書き、行動記録を取っている。向上心からではなく、取らないと矢の如く過ぎ去る過去を思い出せなくなるため。と、歳……? いいや、世界が加速しているだけ。振り落とされるんじゃないぜ。(メモ帳片手に)

 

1/16

/一時間の散歩を四日続けられる程度には体力が回復し、まだまだいけるぞとくたくたになりながらも言ってみる。なお五日目には熱を出し、猫と一緒にひたすら眠ることになった。何事も徐々に慣らしていけばいい。

/冬の音、ストーブの音。静まりかえった部屋で、みな丸くなる中、ストーブだけがこんこんと血を送り出す。心音に近い音なのかもしれない。

/子供の頃に聞こえていた特別な音を覚えているだろうか。ふと思い出すとき、昔のように音は自分に纏わり付いては来ないけれど、同じ空間にいるのだと思う。見えないけれども、音も年を越えながらそこらへんにいる。

/夜のイメージ力を昼に発揮するにはいったいどうすれば。仕事中に思いつく創作についてのアイディアを帰宅してから実行するにはどうすれば。やはりこう、空っぽな時間を作らねばならない。19時と20時の間にセルを挿入しよう。幻のゴールデンタイムを過ごそう。その間私は不在ですと札を下げる。誰とも繋がらない小部屋を時間の隙間にねじ込む。

 

1/18

/デジタル、儚し。おまえは幻のようだよ。

/デジタルデータ、おまえこそ現代の幽霊なのだな。(幻のように消えていった沢山のデータを思い出しながら)(大事な仕事の書類ほどよく消える)(みんなで漁った 過去データ)

 

1/19

/あつあつのハーブティーを冷ましながら飲むまでが儀式

/今年のカレンダーもなかなか良い。黒井健の風景画を迎えた。『ごんぎつね』『手袋を買いに』で馴染んだ絵だ。部屋に飾るには柔らかすぎる色合いかしらと思ったけれど、飾ってみると部屋の光とよく馴染んだ。形がしっかりしているから安定感があるんだなあ。そして自然光が似合う絵。

絵に当てる光って重要だ。背筋伸ばして、高い場所に飾ったカレンダーを見ている。

 

1/22

/あなたの指先に、蛍が落ちる

 

1/24

/雪灯りをたよりに街を散策。雪の道は脆いので俯きながら歩こう。虎を背負うようなマフラー巻いて、側溝に気をつけて。お昼みたいな雪の夜。

/雪の道には人はいない。時々出くわすのは、黄色いライトの除雪機と、わんわん唸るのをなだめる交通整理の人。どちらも俯き加減で、もそもそと挨拶をする。回り道はあちらですと示されて、方向転換。雪の街は、しばしば機械が占拠する。

/寒くて色々なものが凍ってしまった。-9℃。雪は白砂、今はダルマも作れなければ雪合戦も出来ない。かまくらも作れない。街が砂場に沈んでしまったので、遊ばず眠る。

/夏は農耕機械が歩く。冬はもっと大きな除雪車。大きな働く機械、お好きでしょう

/家庭用除雪機を買うことを夢見て働く

 

/こう、絵を描きたい妄想を抱きながら、寒くてこたつでゲームをしていると、世界の終わりかなって気分になります。地震があったので、この極寒の週に何事か起こったら本当に生存が危ういなと色々なことを覚悟しました。

 

1/27

/温度が低すぎて指が痛い。冬は痛みを伴う。忘れがち。

/試験前に掃除をし、忙しい日々の合間にツイートを整頓する。これは!

 

/覚悟を決めたまえと色々な方面から言われている。最後に言うのは誰だろう。仏様がチョップを食らわせてくれながら覚悟を決めたまえと喝を入れてくれたら頑張れる。黄金のチョップ。痛そう。

 

/トイレが凍って、水道屋さんは溶けるまで待ちたまえと言って帰っていった。風呂場から水を汲み流す日々。-5度は暖かいと気付く。

/雪の夜の光は、舞台に注ぐスポットライトの色。雪の向こうに観衆がいる。

 

1/31

/昼間は久しぶりに太陽を拝んだ。これは夜も月見が出来るなと子供のようにそわそわしていた。今は数え切れない月がごうごうと音を立てて積もっている。雪を月ということにして満足している。これはきっと狼が月を食べた残骸。あとで箒を持った魔女や狼の娘や除雪機が、ちりとりに集めて空に戻すはず。

/除雪機が置いていく固い雪も、明日の朝は月の残骸だと思うことにする。