8/1
/関野純一郎、吉田博の絵に触れて、眼福。
8/4
/海岸の木切れに、天使が座っていました。声をかけても、隣に流木を運んで座ってみても、私に気付かないようでしたので、夢の切れ端と呼び変えて、立ち去るまで様子を見に来ようと思います。 #漂流する天使譚
/先日届いたお手紙から構想。天使にまつわるお話を、ボトルメールのように漂流させてみたくて。天使ってどんなもの?形はよくわからないけれど、物語の中に住んでいるそうです。もしもあなたが聞いた天使のお話があったら、このタグに乗せて漂流させてみて下さい。 #漂流する天使譚
/終わりの音色が鳴って、幕が下りるまでの間、私たちはずっと天を見上げていました。観客もいないものですから、拍手も聞こえてこなくて。幕ばかりが役目を持っています。#漂流する天使譚
/制作の手から離れて、生き生きと動き回り拍手喝采を浴びる姿に、誇りだとか物に宿る魂だとかを感じた。
8/5
/なんて風が強い日なんだ。
風が強くて寒くて、ちょっとずつ新しい風が吹き込む町だから、年間通して住んでいると心地良いのです。くそう、なんて風が強い日なんだ。
たくさんの人が応援してくれて、作るだけでは物に魂は入らず、手で押してくれるからみんなの命が宿るものだと思っています。作る器は、だから大きければ大きいほどいい。色んな人を乗せられるように、しっかり大工していきたい。
8/6
/今日も良い晩でした。
8/7
/子供のポケットから転がり落ちた。羽のある虫は、ビー玉やおはじき、夏の青い花、飴玉の間をトコトコ歩く。宝箱に潜む。お気に入りの本に潜む。花の種を運ぶ。植えた覚えの無い場所に咲く花は、一つの季節の間だけ、羽虫が住処とする借り屋。どうか引っこ抜かないで。 #漂流する天使譚
/夏は今日でおしまい
/目覚ましとは鳴り続けるものなのだ
/お手紙食べたのは、かれくさいろやぎさんでした
/手紙は去年の夏に投函されたものでした。高原で採った雲の様々な形について書かれていたお手紙でした。巡り巡って再び夏にやって来た雲は、開かれる前に食べられてしまいました。かれくさいろ山羊さんが、のっそりと立ち上がって欠伸をすると、夏の切れ端が逃げて行きました。
8/10
/まだ祭囃子が聞こえる気がしてしまう(夏の後始末が終わらない)
/自分の絵について、よく風が吹いていると言われます。言われてみればそうで、なんで風が吹いているのかなと考えていたのですが、ねぶたの影響がどうも強いらしいと感じます。ねぶた絵は浮世絵が下敷きにあり、浮世絵にも風が吹いているように見えます。ねぶたは子供の頃から親しんだ大きな「作品」です。作品とは言いますが、芸術品よりは工芸品だと思っています。生活の中に消えていくものという意味で。
/動物たちは盆より少し前に帰って来ているような気配
8/12
/眠くて眠くて曇り空まで眠気を降らせているように見える
8/16
/私の人生よりも時間が早く流れていくので、人生におけるイベントを時間列車の中から呆然と見ているだけでこれまでの色々な出来事が終わっている。掴み損ねて悔しがりはするけれども、世界の車窓からな人生劇場もわりと好き。
/列車光陰矢の如し号、まもなく発車します。閉まるドアにお気をつけ下さい。
/bon踊りが始まる
8/17
/オーキド博士やバートレット大尉、お世話になりました。ひゃくごじゅういちの夢はまだまだ掴みきれません。だから喜びなのです。ぴっぴかちゅう。
/夏には確かに色々なものが潜んでいるように思える。おっかないやつが。
/おっかないやつも、少し待てば、おぼつ蚊ない飛び方になることでしょう。健闘を祈る。
/寂しい空を見上げるといつも戦闘機
8/19
/ゲーム、Ibもプレイ。良いホラーでした。人物の考察が楽しい。もう一度美術館に篭りに行こうと思います。
8/20
/夏の終わりには、気付くと庭を眺めている。岸から離れる灯篭のように色々な物事から切り離される時間があるらしい。
/雪囲いをしないとな、とか考える。頭の中で降雪を確認するのもこの時期。
/悪鬼のようにも生きられず、しかし炎は身より出で、燃える道の上にいる。
/ぼくの話を聞いてくれ。彼が熱くなりそうな声を抑えながら演説しています。話の内容がさっぱり頭に入って来ないのは、私がそれほど興味を持たないからではないはず。彼の横で熱い手振りを真似る子供は、餅を丸めるような仕草で世を説いています。そんな世の中ならば住みたい。 #漂流する天使譚
/人が作るものである限り作品も年をとるのだと思う。劣化し埃をかぶること。制作者が代替わりすること。変わらないように見えて、きちんと時を刻んでいる。
8/21
/だから翼を探しに行くのさ
8/22
/駆け抜ければ秋
/蝉飼いの子供よどうか慈悲と時間を
/明日は空の旅。神林長平の敵は海賊を選ぶ。地面が心もとないときに助かる猫たちが登場する。元気になるシリーズ。自分の中で最高の出張のおとも。オキシタケヒコの筺底のエルピス3・波の手紙が響くとき、唐辺葉介のつめたいオゾンを携帯に入れて旅に出る。こちらは読むかどうかは分からない。
/背中っていいですよね。すき。遠くから眺めたい。
8/23
/飛行機がね!とても楽しかったです!雲も、上空から見る街もとても綺麗なんです!13年ぶりの空の旅にはしゃいでいます。
/この仕事が終わったら俺、田舎でゆっくり音楽を聞いて過ごすんだ
8/27
/南国は植物がもりもりしている
/海は透明でイルカが住んでいる
8/28
/夏をひと抱えずつ持って行く。入道雲はいつから無くなったんだっけ。正直に呟いたきみの言葉も陽炎が天へと運んだ。海への道は閉ざされて、自転車で登った坂も通ることはなくなった。空は遠く風は素っ気なく。魚や木々や、獣や天使が、夏をそれぞれ持って行った。 #漂流する天使譚
/線を一本引くことすら迷う。私には望まれるような綺麗な線を引けないとわかっている。
8/30
/唐辺 葉介、つめたいオゾン読了。冷たさすら感じなくなる閉ざされた楽園に放り込まれました。小さく、小さく自分をすり潰して、針の穴から世界を見るような目線。いつかの世界がそんな形だったことはありませんか。思い出すと背中が冷んやりします。
/オキシ タケヒコ、筺底のエルピス3、読了。絶望しかない、と一巻目から言っていただろう。それでも読み進めてしまうのは、次なる手が打たれているからで。駒を進めるように先へ先へ。絶望しかない。
/早朝の電光掲示板。カラスが気に入って使っている場所を今朝は天使が借りて、街を見下ろしていた。夜間の音の洪水が引いた後には、猫のあくびしか聞こえない。そろそろカラスに席を返さねばならない。見上げる者がいない空。朝日の回廊を渡る。 #漂流する天使譚