少し前の記事で飼育中のトビズムカデの卵を紹介したが、無事孵化した。

孵化後もしばらくは親が守り、幼体が脱皮すると続々と子が一人立ちしていく。


孵化後から脱皮までは黄色っぽくて黒い眼以外に模様のようなものも無い姿だが、脱皮するとムカデらしい形になり色も付く。

脱皮を確認した日の夜には少数の子と親が地上へ出てきて歩いていた。




約一ヵ月半の間、飲まず食わずでじっと卵、そして孵化直後の幼体を大切に守り抜いた親の姿。
高温多湿の環境で卵がカビたりしないように、付きっきりで卵の管理をした。
前より若干小さく見えたような気がするが、思っていたほど痩せたりしていない。
相変わらず濃い赤の脚がカッコイイ。





そして肝心の幼体は、何頭かは歩き出していたが、まだ巣に隠れているものが大半だった。





水入れの下にはビッシリと幼体が。
プラケースの底面まで掘られていたため、孵化や脱皮を観察することができた。




密集した幼体のアップ。
成体のように赤い部分は無く、青っぽいラインの入った黄色い体で脚も黄色。





このあと採集地へ幼体を放したが、二頭だけは飼育を続けてみることにした。

初めての餌はイエバエ(翅を取り除いたもの)。
捕獲の瞬間は見ることができなかったが、夜になりいつの間にか捕食していた。



その後姿を見せなくなかったが、数日後夜間に歩いている姿を見たので翌日キンバエ(翅を取り除いたもの)を与えた。
一頭はその晩に捕食、頭部や胸部の一部は食べ残した。
もう一頭はその翌々日に捕食、このキンバエは腹が大きいメスだった為か、腹の中身と胸部の一部を食べた。 

腹の中身を食べて殻は残すとは、この小ささで美味い部分が分かっているのだろうか。
それともハエでも硬すぎるのか?



親には産卵後初の餌にカマドウマを与えた(ほんとはちょっと贅沢にコオロギとか与えたかった)。
すぐに喰らいついてモグモグしていたが、それからはずっと水入れの下に隠れたきり出てこない。
たまに水入れを退かして様子を見るが、そうすると慌てた様子になるので動く力が無くなっているわけではない。
脱皮前なのか?しかし産卵後で体力が減っているであろう状態で脱皮なんてするのだろうか...。