久しぶりのメビウスについてです。(笑)

英雄は自分で英雄と言うことはない(が、そう呼ばれる)、という台詞が印象的だった。

以前も、月は火星の居住区に爆弾を投下して壊滅させたこと。
それによって、何人もの民間人が死んだこと。

民間人は、主人公が戦闘することで守られ、主人公に感謝していること。

民間人が差し入れてくれたスープを飲みながら、主人公はそんなアローズの話を聞いて説得され、火星軍に協力することを決める。

良い話だ。
そうだと思う。
実際、人の心の動きはそんなもんだろうと思うし、突っ込みを入れないほうが美しいのだろう。

だが……。

やはり一方からだけの話で戦争や対立を理解することは、出来ないのではないかと思う。
一応、双方に言い分があるんじゃないだろうか?

戦争はお互い様だしね。
言われるように月がひどい攻撃行為をしたとしても、火星側だって似たような作戦をしていないとも限らないじゃないか。
というか、一方的に攻撃されるならそれ戦争じゃないです。

大体、二度も領土(それも市街区近辺)に侵入されるとか、防衛側も少し考え直して下され。
というか、侵略行為をしているのは火星という設定だったのでは?
火星のほうが宣戦布告したんだよねぇ。
……戦争を仕掛けた側の日本をアメリカが空襲するのと同じ?
……だとしたら、日本と同じで火星さんは負け戦なのか。泣

民間人が貧しい中作ってくれたスープに、心を動かされない人は居ない。
つーか、しみじみしない人は鬼です。

しかし、だ。
宗教を初め、色々な団体が同様の説得方法を使って、無知の良い人を自分たちに引き込もうとしているものです。
だから、この話はリアルと言えなくもないんだが、違和感無しにこの話を読める人は、知らない間に何かの団体に引き込まれる可能性が高いと思う。

人の感情は美しい。
だが、それ故に危険。

そんなことを思わせてくれた5話後編でした。

むきになるのはおかしいのかもしれんけど、月でも火星の所業は悪く聞いてきただろうに、こんな話で祖国(月)を考えることもなしに裏切れる主人公が分からない。
まぁ、いつまでも葛藤していたら「死ぬ」わけだし、話も進まんから仕方ないんだが。

例えば私が外国に誘拐されて、協力を要請されたとして、それを民間人が可哀想とか、残虐なことをする日本がひどいとかいう話をその場で聞かされたという理由だけで、育った日本をそんなに簡単に捨てられるかというと、全くそんなことを思えないのです。

生きる為に裏切る。
民間人を守ることでもあるなら……と自分に言い聞かせるより他なかった。
という描写なのかもしれない。
多分そうなんだろうと自分で、思うことにする。(笑)