とある使用人の証言

注意

白夜ルートでありながら暗夜王国が勝利したお話です。マークスは、生存しております。ただし病んでいます。使用人の独自なのでマークスは、出ません。



暗夜王国で長年使用人をしている男は、落ち着きがなかった。

彼は、かつて仕えていたマークスのことで悩んでいた。

マークスが当時王子の頃内気で人見知りがひどくそのことで他の貴族から蔑まれることも少なくなかった。だけど彼は、先代のガロン王と過ごすことが増えたことで変わってきた。

内気からなりをひそめて誇り高くも威厳のある王族へと成長した。加えて彼に初めて教え子ができた。それは、秘蔵の王女カムイだった。彼は、同じ妹であるカミラとカムイと過ごすときの雰囲気が柔らかくなる。

私は、遠目で一度だけカムイ王女を初めて王城で見たことがあった。カミラ王女様もカムイ王女様もお美しくも分類が違った。お花で例えるならカミラ王女様は、紫の薔薇で。カムイ王女様は、水仙のように清楚で可憐。けれどもカムイ王女様は、白夜と暗夜の戦争で亡くなられた。そうしてマークス様は、行方不明になったガロン国王様から王位を継承した。


「マークス様って色々変な噂があって正直気味が悪いわ。」

「ジークベルト様の身元が分からないのに養子したのよね。」

「でもジークベルト様って小さい頃のマークス様に似ているところが多いのよね。」

「顔立ちも似ている。でも母親が誰かもわからないのよね。」

「そのうちに裏切り者のカムイ王女様の子供だって公表しそうー。」

「いやいやいやいやいや。」

「お前たちしゃべってないで仕事しろ!」

「すいません。」

おっしゃべりな使用人がそそくさと出ていた。

「●●●さがしたの。」

「ピエリ様私に何か用なのですか」

「ううん。ピエリじゃなくてマークス様が●●●に用があるの。マークス様の自室に来るようにと伝えにきたのよ。早く来てねー。」

「わかりましたすぐ行きます。」

「ねぇ聞いた●●●が粗相をして飛ばされたそうよ。」

「退職ではないの。」

「さぁ。聞いた話じゃ●●●がお妃様が召し上がる食事が熱くて口にやけどさせたそうよ。それでマークス様が怒って。」

そのあと使用人の噂話が大きくなっていた。

続く。















feif人柱アリス 三番目アリス5 マークスside

カムイが私の妻?嘘臭い。第一カムイは処女だと証明された。処女懐妊して息子二人産めるものか。

「兄さん‥」

「兄と呼ぶなぺてん師が。」

近いうちに医者でも呼んで遺伝子でも調べてもらおう。あの子達は、私の子供でもあるが。カムイは、嘘つきだと国民の前で公表しよう。


公務が一段落ついた頃。マークスを導いた竜が来た。

「席をはずしてくれ二人だけで話がしたい。」

カムイとジークベルトとカンナを自室に遠ざけると竜リリスと話すための部屋に入った。

「リリス久しぶりだな。私は、なりたかった自分になれて毎日充実している。」

「それはよかったです。時にマークス様私の約束はどうなりましたか?」

「すまない。しかし大丈夫だ。私は、暗夜国王。そのうちにアリスには「もういいです。」

リリスがマークスの言葉を遮り眩い光を放った。光が無くなると水色の髪をした聡明で儚げな歌姫が姿を現した。

「リリス変身できるのか。すごいな。」

「‥‥‥」

「リリス?」

「マークス様貴方を処分します。」

「へ?」

「お姉さまに会っていない時間軸のマークス様はもういらないのです。消えてください。」

ずきん!ずきん!頭痛がした頭が重い。マークスは、耐えられず床に崩れ落ちた。

「3番目アリスは、幼い子。」

「なぁ!」

ズキン!

「風格溢れる姿で不思議の国。色んな人を踏みにじみ おかしな国を造り上げた。」

「やめろ。」

リリスは懐からナイフを取り出すとマークスの脇腹をさした。

「ぐぁ‥‥何を。」

「そんなアリスは、国の国王。
歪な悪夢にとり憑かれて。朽ちゆくからだに怯えながら国の頂点に君臨する。」

自分の出している声で歌を口ずさむ歌姫姿のリリスが死神に見えた。ズキン!ズキン!マークスの頭痛がひどくなった。出血した脇腹よりも頭痛が痛い。

「‥‥死にたくない。助けてくれ」

「もう遅い。貴方は、カムイお姉さまを傷つけたから助ける必要もありませし。」

「カムイは、リリスにとってなんなんだ?ぐっ!」

頭痛がひどくなった。走馬灯らしいものが流れた。それはマークスにとって覚えがないカムイに関する記憶が浮かんできた。だけど何故だろう。カムイに対する感情が次々に沸いてきた。

「血の繋がらない妹。でも実のかぞくのように守って育ってたい。」

愛情の感情。

「育っててあげた愛情を裏切った。」

怒りの感情。

「裏切り者め」

次に父ガロンを謀かった憎しみの感情。

「お姉さまを不幸にさせた偽者のマークス様に説明してあげません。ナイフに毒を仕込んだのでそのまま毒に呑まれてください。」

毒というよりも誰かから見たカムイの記憶だ。

「‥‥!」

聞き覚えがある声が響いた。目線が霞んで見えないが。なんとなく見えるものが何かわかるような気がした。

「どうして!わざと勝ったせるようにしてくれたのですか!」

カムイの声だ。あぁこれは走馬灯なのによりによって別の死にかたをした自分の姿を思い出すのはおかしい。

「一生マークス兄さんを越えられないじゃないですか!」

別の死にかたをする自分はカムイらしい人にわざと殺されたんのだと悟った。でも不思議なくらい感情が穏やかだった。

「さようなら三番目アリス。」

これがマークスの最期に聞いたこえだった。

「え‥‥父上。父上。」

誰かの声が聞こえた。重い瞼をひらくとジークベルトが見えた。

「よかった。父上目が覚めてくれてもうダメだと思いました。」

「ジークベルト?私は生きているのか?」

「えぇ。一命をとりとめてよかったです。あぁ起き上がって平気なのですか。包帯とってはだめです。あれ?消えている。」

頭痛で苦しんだこともなく身体が軽くなった。ナイフで刺された傷痕もなかった。

「カムイは?カムイはどうした。」

「‥‥‥母上は」

ジークベルトの顔に怯えの色になった。

「ジークベルトどうした?はやく言え。愛する妻はどうした?」

「母上は死にました。」

マークスから離れジークベルトが部屋の扉まで来ると非情な返事が返ってきた。

「父上は、私の目標でした。威厳も慈悲もある高潔で。でも今は私たちから母親を奪った最低な国王です。」

氷のような眼でジークベルトが部屋を出ようとした。

「待って!カムイは何故なんだ。」

「貴方の身代わりになって死んだです。では失礼します。」

嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。


次回ジークベルトsideになります。細かいやり取りが書けない。















































前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2016年07月 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
アーカイブ