マークス王子が養父になる。

このお話は、白夜ルートです。

白夜ルートにもあるのにも関わらずジークベルトが赤ん坊として出ています。特殊な設定です。

レオンは、カムイとの間に出来たマークスとの子供とうたがったり。


カムイは、生まれ故郷白夜王国にに帰った。育った国暗夜王国を捨てて。育った兄弟姉妹を裏切った。

「ふんっ。ふんっ。」

主カムイを失った北の城塞の屋外にマークスは、素振りに来ていた。北の城塞に今じゃ人がいないものの。カムイの使った家具やたくさんの思い出が詰まっていた。

ぎゃー。オギャー。

ブンッ。ブンッ。

オギャー。オギャー。

「???」

誰もいない北の城塞で誰が泣いていた。階段を降りて。声が近いところを探した。

オギャー。オギャー。

声が大きくなる。カムイのいた部屋に入ると。

「赤ん坊?」

カムイのベットの上に泣いている赤ん坊がいた。何故赤ん坊がカムイの部屋にいるのか分からなかった。両腕で抱きしめると重くて暖かい。


「マークス兄さんその赤ん坊どうしたのさ?」

「見回りの途中で拾った。」

「拾ったじゃないよ。その赤ちゃんどうするの?」

マークスの腕で寝息をたてる綺麗な金髪をした赤ちゃんを見てレオンはため息を吐いた。

「可愛い赤ちゃんね。マークス兄様に似ているわ。」

「カミラお姉ちゃん私にも触らせてー。」

「えぇ。いいわ。」

「暖かい。あっ。この子男の子かな。女の子かな。」

一度赤ん坊を下ろしたエリーゼが男の子か女の子確認した。

「ついてた。」

「あら王子さまになるのね。」

性別を確認したエリーゼが指を指し。のほほんとカミラが言った。

「赤ちゃんを引き取る余裕はうちにはないだ。」

「えぇーー?こんなに可愛いのに。ねぇ。ジョセフィーヌ。」

「名前をつけてもダメ。」

「この子の名前はジークベルトだそうよ。」

「カミラ姉さんも名前をつけないの。」

「いいえつけたんじゃないわ。赤ちゃんの服に手紙が入っていたわ。」

カミラが手紙を見せつけた。レオンが手紙を取って読んだ。レオンは手紙を床に落とした。エリーゼが拾い読む。

「マークス兄さん隠し子をいつから作ったの?相手は誰?まさか裏切り者じゃないよね。」

「そんなわけない!」

「マークスお兄ちゃん手紙声に出して読んでみて。」

エリーゼが手紙をマークスに差し出した。手紙の内容は

「訳あって私もこの子の母親も赤ん坊を育ってることができなくなってしまいました。赤ん坊に帰る場所も引き取る身内もありません。赤ん坊の名前はジークベルドです。どうかこの子をよろしくお願いします。

ジークベルドの父親マークスより。」

達筆の文書。赤ん坊の名前。父親らしい名前。

「マークス兄さん本当のことを言って。この子は裏切り者とも間の子供のなんじゃ」

「違う!私が女性との付き合いがないことくらいレオンは知っているだろ!」

「ぶぇぇん!」

「よしよしごめんね。ジークベルドお父様が大声出しちゃって。よーしよーし。」

「兄さんの子供じゃないことを証明してよ。」

マークスにとうとう父王のように隠し子をつくったことを信じたくないレオン。

「お兄ちゃんジークベルドと書いてみて。父親の名前が同じでも筆跡も同じなわけないよ。」

ナイス!エリーゼ。マークスが筆を紙の上に書いた。

「書いてみた。」

レオンが紙の文字を見る。「ジークベルド」と「マークス」と書いた達筆具合が手紙の文字と同じ具合で書かれていた。

バタンッ。

「わわっレオンお兄ちゃん!」

レオンは気絶した。嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!
嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ!嘘だ




























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シノノメ生誕祝い

双子カンナ♂♀で未来を語らうお話。

真夏の暑さが柔らかくなった夜のシラサギ城の中庭。誕生日の主役で白夜王国国王シノノメがシートの上でお酒を飲んでいた。

「シノノメ兄さん見つけた。」

「主役が一人お酒を飲んでいたのですね。」

酒瓶と器を持った見目麗し青年と女性がシノノメの前に現れた。

「休憩中だ。そうゆうカンナもカナも酒飲んでいいのか?まだ成人してねぇだろう。」

「僕が酒を飲んだことを黙ってくれるなら来賓にシノノメのいる場所を知らせない。」

「シノノメ交換条件です。一国王が未成青年の飲酒を黙る代わりに」

「兄弟妹で酒がのみたいと言うならそう言え」

「ではご一緒にさせてもらいます。」

兄の近くに双子が座り空っぽの器に酒をついだ。

「おぅカナ気が利くな。」

双子は母カムイに似て美しくなった。特にカナは母カムイとの面影が出ていた。幼さからなりを潜めて目上からの敬語をするようにもなった。

「カナ嫁ぎ先はどうだ?なれたか?」

「最初はみんな戸惑っていたけどよくしてもらっているよ。旦那様も優しい。寒いのが不満だけど。」

「そうか。俺も暗夜王国に訪れるぜ。カナの夫ともゆっくり話してぇ。」

「スボラの格好にならないでね白夜国王様。」

「安心しろよ。王族としての威厳を保つぜ。」

くいっとシノノメは酒を飲む。カンナも酒を飲む。

「どうだ。カンナ酒の味は。」

「まだ苦いかな。」

「年を重ねれば美味しくなっていくぜ。なんならジュースにするか。」

「いいよ。このまま飲む」

こうして兄弟妹と酒を飲める日がきてくれた。争いあっていた両国が平和になるまで色々あった。けっして平坦な道のりではなかった。見知った者たちとの数々別れを苦く経験もした。そのあとの出会いを果たした者ともぶつかりあった。だからこそシノノメは終わりを見届けることが出来た。

「シノノメ盃の器多くない?」

「これは父さんと母さんの盃だ。あの二人が生きていたら飲むやつだ。」

「お父さんお母さんあの世で見ていたかな。」

「子供の成長を見ない親がどこにいるっていうんだ。二人とも見てたよ。カナの花嫁姿も新しい白夜国王の即位式にも。この盃は客用だ。」

「シノノメ」

「なんだ?カナ」

「お父さんとお母さんの盃二人で飲んでもいい?」

「飲んでいいかは父さんと母さんに聞け。」

「じゃもらう。はいカナ」

カンナが二口飲むと次にカナへ渡した。

「もう二口残したら次はシノノメ兄さんが飲んで。」

「兄弟の盃か。」

「うん。」

「父さん母さんの許可は?」

「霊は飲まないから飲んでいいって。その代わり白夜王国と暗夜王国の歴史を後世に伝えることをしろって約束取り付けた。」

「そうか。では父さん母さんの盃を飲もうか。」

シノノメが酒を飲んだ。ブワッと涼しい風が吹いた。カナの長い髪が風で遊ばれる。その風は心地よかった。












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家族が揃った。

「カンナへ。

手紙を読んだってことは初めましてこんにちはだな。俺の名前はシノノメ。カンナとカナにしては兄になる男だ。つまりは長子だ。母さんの出産に立ち会い無事に産まれたとき二人を今もおぼえているぞ。二人ともさるみたいにしわくちゃで元気が良すぎるくらい健康な赤ちゃんだったぞ。二人に会えるのを楽しみにしている。兄として会うときの合言葉は「初めましてシノノメお兄ちゃん」っていってくれよ。そうしたら俺も二人の名前を呼んであげるぞ。

シノノメより。」

「カンナ。あっまた手紙読んでいるの?」

「お父さんとお母さん秘境にきてくれるならシノノメを連れて来ればいいのにー。」

「カナはお兄ちゃんに会いたいの?」

「うーん。どんな顔をしているかみてみたいな。ナジャが言うにはシノノメはお父さんに似ているって話だよ。」

「お父さんみたいな?」

リョウマのことを思い浮かべる。母のように頻繁に双子の元へ来ることが少ない父。父は白夜王国の5人兄弟姉妹のうちの長男。見た目は長男としての厳格そうに見えても中身は気さくな人物だ。母が忙しいときでも父は双子と遊んでくれる。過ごす時間が少なくとも双子にとって大好きな父だ。

「あっでもナジャは遠目でしかシノノメお兄ちゃん見ていないから顔だちがお父さんに似ているって言ってた。今度お父さんにお兄ちゃん連れてきてって頼んでみようかなー。」

「カンナそんなことよりも」

「なぁに。カナ?」

「おもちゃ箱に指輪あったよ。」

「無くしていた指輪見つけてくれたんだ。カナありがとう。」

「カンナは持っているとすぐに無くすからダメだね。はい。」

カナの手のひらに長いミサンガのヒモが差し出された。

「指輪を紐にくくりつけて首ぶら下げればいいよ。」

「カナ頭いいー。」


リョウマの指輪。シノノメの手紙。兄と父の繋がりがある物は双子が産まれた時に贈られた物。この2つは双子にとって大切な宝物。


「うーん。いい天気何して遊ぼうかカナ。」

「あっ!カンナ今日お父さんとお母さん来る日だよ。」

「ご飯たくさん取りに行こうか。」

「私はお花摘んでこようかな。玄関に花があると喜びそうだし。」

「よーし。川に魚。森に果物。両方取りに行こう!」

「よーし。カンナはご飯で私はお花だね。」

「「それじゃ行こう。おー!」」

えいえいおーをした次の瞬間。カッツ。
双子の足元の近くに矢が刺さった。

「え?」

足には矢が当たってない。双子の目の前に白夜兵隊らしき人が立ちはだかっていた。人というよりも身体が半透明で目が紫色に光っていた。カンナはカナ一歩引き半透明な兵隊から距離を取った。

「何?怖い人たちたくさん来たよ。どうしようカンナ。」

「僕にも分からないよ。でも武器を持っているならみんなが危ない。カナは逃げて僕が止める。」

地面の棒を拾うとカンナは半透明の侍に降り下ろす。けれども侍はかわすとカンナを蹴った。カンナは地面に倒れた。

「カンナ!!」

「カナ来ちゃっだめ!」

痛くて泣きそうになりそうだけど泣いてはいけないとカンナは振るい立ち上がった。

「カナは遠くへ逃げるんだよ!」

「やだっ!カンナが逃げて!」

カナは石ころを拾い見えない兵に投げつける。石ころは兵隊に当たらず地面に落ちた。カナの腕力では届かなかった。

「はっ!」

侍が倒れた。カンナが倒したのではない。侍を倒したのは

「カンナ。カナ無事ですか?」

「「お母さん」」

大好きな母カムイが夜神刀で侍を倒したのだ。

「すいません。秘境にまで敵がきてしまって。でももう大丈夫です。カンナ歩けますか?」

「うん。蹴られたところは痛いけど。」

「こいつらはお母さんが倒します。カンナはカナを連れて安全な所へ隠れてください。」

「お母さんも逃げようよ。」

「大丈夫です。倒して見せます。」

カムイが見えない兵隊に夜神刀を降り下ろす。カムイは強くても多勢に無勢。見えない兵隊の数が多く連携でカムイに攻撃する。傷が増えてもそれでもカムイは刀を握る手を緩めかなった。

「カンナ!カナ!」

父リョウマと知らない青年が走ってきた。青年がカンナとカナを後ろに隠していた。手に槍を握りしめて。

リョウマも母に加勢するもの。それでも次から次へと見えない兵隊が現れた。

「ぐはっ!」

リョウマの肩に矢が刺さった。ふっんとカンナとカナは身体が熱くなった。

「やめるんだ!お母さんいじめるな!」

「やめて!お父さんをいじめないで!」

「おい!カンナ!カナ出るな!」

青年から離れた双子は両親の前に走ってきた。

「カンナ!カナ駄目!逃げてください!」

「「逃げたりしない!だってやっと会えたんだ(もん)!絶対に!絶対に!守るんだ!!!」」

双子の周りに発光した。光が消えると

「何!?二人が竜に!」

二頭の竜が見えない兵隊に飛びかかる。兵隊が薙ぎ払われると消えた。

「なんだよ!あれ!双子がどうして竜に!」

「シノノメ!兵隊を早めに倒してください!!二人とも竜になれるけど制御できてません。暴走する前に早く!!」

「おぅ!」

今は双子を守ろうとシノノメは見えない兵隊に躍りかかった。

続く。


































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双子の兄になる4

「シノノメの元へあずけられない。でも双子は別の秘境に預けることにします。」

「母さんどうしても俺のいる秘境に預けられないのか。」

「世話係りなれる候補者はこれ以上は増えません。これからカンナ達を預ける秘境には人が増える予定だそうです。」

すやすやと母親の腕で寝息をたてる双子の兄妹。双子は秘境に預けられたら会えなくなる。そう思うとシノノメは淋しいと思えた。

「秘境に行くまでまだ時間があります。双子に兄がいると教えてあげてください。」

「赤ちゃんは記憶が出来るのか?」

「目印になるのもを作って双子にプレゼントすればいいのです。手紙とか。指輪とか。私の薬指を見てください。」

「指輪が2つ?」

「指輪はリョウマ兄さんが私のために作ってくれたのです。私の護身用の指輪と結婚指輪です。」

「護身用の指輪が汚れているな。母さん護身用の指輪気に入っているだろう。」

「えぇ。リョウマ兄さん私が暗夜王国に拐われた後で作ってくれたのです。兄弟姉妹の時間を取り戻せた時に渡そうと持っていたそうです。」

父は気の回しがいいだなと思った。父の意外な一面を発見できた。シノノメから見たリョウマは無愛想で厳しい人だと思っていた。

「俺だって指輪持っているぞ。」

シノノメが首に提げた袋を取りだし中身をカムイに見せた。指輪にしては一回り小さい。

「その指輪はリョウマ兄さんと私の共同作業で作った指輪です。赤ちゃんだったシノノメの指をはかって作った指輪持っていて嬉しいです。」

「どうりで普通の指輪にしちゃはめられないと思ったら。」

赤ちゃんの頃ならはめれた指輪は六才のシノノメの指には入れない。それでも指輪には父と母の愛情が入っていた。シノノメが産まれたことを喜び祝福を込めて作ってくれたの指輪を持つだけでシノノメの体内は暖かい気持ちになれた。

「いい例だな。指輪はいいけど父さんと被るのはやだな。」

「それなら手紙にしますか。」

「カンナ宛とカナ宛の手紙にしたい。」

「お母さんが紙を選んできます。シノノメはメッセージを考えてください。」

「おぅ。ちゃんとカンナ達にお兄ちゃんがいるぞとわかるように書いとくぜ。」

こうして話がまとまり。シノノメは手紙を書くことにした。

数日後。シノノメは両親と一緒に別の秘境に来ていた。双子と一時の別れをするために。

「カンナとカナをよろしくお願いいたします。」

「お父さんのこと覚えていてほしいものだ。」

「カンナ。カナ。離れていてもかぞくだからな。ちゃんと両親の顔もお兄ちゃんの顔を覚えてくれよ。」

「たー。」

「あー。」

双子は無邪気に笑った。シノノメの指を掴むカナ。リョウマの髪をくいと引っ張るカンナ。

「リョウマ兄さんシノノメそろそろ戻りましょ。カンナ。カナ。元気に成長するのですよ。また会いましょう。」

元気にでも眼に涙をためながらカムイは双子と別れた。リョウマにおぶられたシノノメは後ろについてきていた母が鼻をすずたりもしていたけど見ないようにした。

大丈夫また会える。今度は会うときは家族が揃った時。父リョウマに。母カムイに。自分に。弟妹になる双子もいれて。いつかまた。









仙台海の社水族館

ミルクの練乳か美味しい。もちもちした小さな雪見大福。

可愛いアイス。小さい餅。安い。
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