いままで と これから。


同じようでいて
全く違うね。



ふたり、暮らし始めました。

とはいえ、
家電はあれども包丁がない
シャワーはあれどもガスがない
食器はあれども洗剤がないので
寝ているだけですけれども

なんとか暮らせる体裁を整え、家電を揃えるだけで精一杯で、一晩に一つずつ家具を拵え、持ってきた衣服で凌ぎながら部屋を作っています。

そろそろやばいんですけどね。服が。


洗濯機が繋がらなくて、洗えず
時間が取れなくて、必需品を買えず
私もユウくんも間の悪いことに夜遅い週間がかぶってしまって、どうしようもなくなっています。




でも、

ふたりで暮らし始めたからってあまり心境は変わらず、当たり前のように同じドアを開け同じ場所に座っていることが、何よりも幸せです。



強制されたわけでなく、
15分だけユウくんより早めに起きて朝ごはんをつくる
清々しい、カーテンを開けて朝日を入れて
ユウくんより少し遅めに出るわたし、
ユウくんを起こして(無理矢理)、
お化粧をしながら彼が着替えるのを待つ。


夜寝るときは、ふたり、
手を繋ぎ、思い思いの寝姿で眠る。

もう、腕枕も抱き合うこともしないけれど。

その距離感が嬉しくて、
日常になることが嬉しくて。

ぐいと袖を引き寄せたら、激しいキスが降ってきた。




わたしのいえがふたりのいえになって、
鍵を持ち歩くようになりました。
わたしのいえがふたりのいえになって、
一人の寂しさを知りました。

一人っ子のわたし、
ひとりは平気のはずなのに、
ユウくんのいない部屋はとても寂しくて
それだけで辛かったのです。



そして、



我が弟、
寂しがって怒り、寂しがって泣いている王子様、
ふたりの絆を、切に思うよ。

柔らかい君の毛並みを、また思いきり撫でたい。