君のあだ名を頭の中で繰り返しながら、ふと思ったんだ。



私の名前は、もちろん
Ryo.じゃなくて本当の名前があって
ユウくんも、もちろん
本当の名前はユウくんじゃなくて、
ここだけで使ってる名前なんだけど

ふとね、さっき思ったんだ。

私は実はずっと前から彼のことが好きだったんじゃない?って


ユウくんのこと、
最近は割と ユウ、って呼び捨てにするけど
たまにユウくんって、例えば、ゆーちゃん、みたいに呼んだりする。

その呼び方は出会った時、名字じゃ味気ないからって決めた呼び方だったりする。


同期は当時たくさんいたけれど
そんな風に思ったのはユウくんだけだった。


職場柄、ずっとゆーちゃんとは呼ばずに
名字呼び捨てのことが多かったんだけど
ゆーちゃん、だと前と同じだからユウ、って呼び捨てにして欲しいって付き合った日に言われた。

だけど、私の周り以外は置いといて、
ゆーちゃん、って呼ぶのは私だけだなと
ふと昨日思った。

珍しい呼び方じゃないし他にも呼んでる人たくさんいるんだろうけど、私が知ってるのは私だけで
男同士なら呼び捨ては当たり前だし
ゆーちゃんって呼ぶのは恋人らしいなって
特別な呼び名だなって
当たり前のように口にして。
そして、じんわり染み込んだ。



きっと私は昔から、構ってほしくて構ってあげたくて仕方なかったんだ。本当はね。



嘘だ、って言うだろう。
昨日、前々から友人だったユウくんの職場の方とご飯に行ったけど、その時に話した馴れ初めも
付き合うまでは興味なかった、って私はいつも言う

それが本当だと思ってた。
けど、もしかしたら。
もしかしたら、それは事実じゃなくて。



気を許したら、ゆーちゃんって呼ぶ。
みんなの前でも。
普段二人で過ごす時みたいに。
みんなの呼ばない呼び方を、そっと口にする。

いい人で安心した。

ってね、必ず言ってもらえるの。
何よりもの褒め言葉。
そう言ってもらえるたびに、あなたのことを誇りに思うんだ。


ありがとう。
素晴らしき変人に拍手を。