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ぼくのなつやすみ


※例に違わずシリアスチックで盛大に厨二っぽい過去との邂逅
某スレ参考





そういえばあの頃私たちが作った秘密基地は
どうなったんだろうか
ラムネのビー玉 集めた桑の実 蝉の抜け殻
それらを全てほったらかして、私は大人になってしまった

むかし、私がまだ、幼かったころ。あの頃の。

夏休み、今とは違う暑さだった。

毎日友達と遊びに行って、アイスを食べて、プールで騒いだ、夏の終わりの花火。
虫よけスプレーの匂いで、夏を思い出す。

朝起きて、蝉の声が聞こえるとそれだけでワクワクした。
ラジオ体操のために早起きして、体操が終わると半分このチューペット食べながらお姉ちゃんと(ラジオ体操の)スタンプカード眺めながら家に帰った。
夏休みの午前中にやってるアニメを見て、開放されてた学校のプールに行って、その時に友達と午後の約束して、家に帰ってご飯食べて、また出掛けて、夕方まで遊ぶ。

一日中遊びに行ってた。今のように一日中寝ているとかありえなかった。

夕焼けとヒグラシが鳴いて、明日は何をしようって、またワクワクしてた。
夏のご飯はそうめんや冷やし中華ばっかで、お母さんやばーちゃんに文句ばっか言ってたけど、その頃は今と違って自分で料理なんかできないから、しぶしぶ食べるんだよね。
でも内緒で食後にスイカが出てきたりするとすごく嬉しかったなあ。お姉ちゃんとおっきいスイカ取り合ったりして、いつも私が負けて、ばーちゃんに慰めてもらってた。

夜はクーラーのついた部屋で野球見て、風呂から上がったら即行で寝たなあ。疲れてたからぐっすり寝れた。

そんな一日。そんでまた朝が始まんの。
楽しかった、すんげー夢中だった。

世界も広かった。校区外には行っちゃあいけなかった。門限もあって。移動手段が自分の足とチャリしかなくて。未知の世界だった。

半ドンの土曜の授業終わりにみんなで午後から遊ぶ約束をして、ちょっとした遠出が市営のプールに行くことだった。チャリで全力疾走して、友達が全力でこけて泣いた。日焼けなんて気にしなかった。むしろ誰が一番黒いかを競ったくらい黒かった。膝小僧に傷がない日なんてなかった。

初めてお母さんに内緒でお姉ちゃんたちと夜更かししてゲームをした時の高揚感。
夜の外に出たときのムワっとした生温い風に包まれて、火をつけた手持ち花火。
屋上から眺めた祇園の花火と蚊取り線香の匂い。夏の匂い。

今じゃあ触れもしないセミを毎日虫かごと網を持って追いかけ回してさ、何が楽しかったんだろう。たしかアブラゼミよりクマゼミの方がレア度が高かった。
じりじりと肌を照り付ける太陽に汗かいて疲れたら、カルキ臭い水道水平気でゴクゴク飲んでさ。

びっくりするくらいに空が高くて。公園の遊具の下に、ラムネのビー玉埋めたなあ。あの湿った土の中にはあの頃の夏の匂いも一緒に入っているんだろうなあ。

二度と経験できない、夏の匂い。

夕立が降ると涼しくなって、土の匂いが変わるんだよね。
外で遊んでる途中で雨が降ると、それすらももう遊び道具だった。どうせ濡れるからって、友達と水風船買いに行って、公園でウォーター戦争したなあ。雨降り始めたから帰ろうとしてた全然面識のないガキンチョも巻き込んでたww

びしょ濡れでそのまんま家に帰ると、お母さんが「なんちゅう格好してんの!」って怒鳴って、でも顔は笑ってて、それが嬉しくて全力で遊んだ。

小銭握りしめて走った駄菓子屋。町内の祭りで半被着て、爆竹を箱単位で爆発させて戦争してたらショートパンツに火がついて、友達のお母さんにめちゃくちゃ怒られたなあ。最終的には笑ってたけど。

小学校の卒業の一週間後くらいに、いつも一緒にいたグループの女の子が東京に引っ越すからって、毎日遊んだ。夏の思い出じゃないけど、まだ携帯を持ってなかった頃だから、中学の始めまで文通してたや。今では連絡も取ってないけど、元気にしてるかな?

学校で野菜の栽培しててさ、それの水やりのためだけに学校に通ってた年もあったなあ。わざわざそのためだけに誰もいない学校に来て、今考えるとアホらしいのに、全く苦じゃなった。

高学年になると交代で飼育当番になってさ。学校から家が近い分、みんなよりも世話してた時間が長かったから、学校の誰よりもアヒルに好かれてた自信があった。
校舎が立て直しになるからって、別の学校に引き渡されたピーちゃんとテンとチャボは今頃どうしてるんだろう。もういないかな、

アヒルの世話だって、初めは怖くて無理だった。小学校に入る前はお姉ちゃんの後ろにくっ付いて回ってた。たまにウザがられたけど、友達と遊びに行くのにも私を連れて行ってくれてた。何をするにもお姉ちゃんのマネごとばっかして。ゲームには一度も勝てなかった。

でも、ゲームの裏技も、蝉の採り方も、アヒルの餌のやり方も全部お姉ちゃんが教えてくれた。私がお姉ちゃんに付き添われて学校のグラウンドで逆上がりの練習をしていたのを友達が見ていて、「ひとりっこだからうらやましい」って言われた。逆上がりが出来ないのがバレたことで頭がいっぱいで、お姉ちゃんに文句を言ったあの頃の私。もっと大事な言葉があったのに。バカだなあ。

『時は加速する』

昔は空き地みたいなところだったのが、駐車場になって、気付いたら家が建ってて、漫画みたいな出来事でちょっと笑った。ていうか泣いた。自分の馴染みが深い場所が、自分の知らない間に変化するのって、きっとみんなが思っている以上に辛くて寂しい。

子供のころは早く大人になりたくて
バイトして、自分の好きなモン買って、車を運転して遠い場所まで簡単に行けて、大人になればあの頃よりも楽しいことがたくさんあると思ってたのに、
あの頃に勝る楽しさなんて一つもないよ。

なんで毎日あんなにやることがあったんだろう、暇な時間なんてあり得なかった。
今の私は何してんだろう。

あの頃の夏 今よりずっと夏だった 本当の意味で夏だった

免許も取って、自分の好きなご飯も作れて、お金だって稼げるのに、
大人になるって、こういうことだったのかな……。

夏の夕暮れは昔を思い出すから切ないのかなあ。

こんなこと思い出して、考えて、ちょっと寂しい気持ちになれるのは、私の心がまだ死んでないからかなあ。
家族や故郷を離れて、慣れない土地で頑張れているからかなあ。
今で何をするにでも諦めることが多いけど、まだやれるかなあ。
モノになるかはわからないことでも、行動できるかなあ。

あの頃の自分なら、きっと考える前に行動してたよね、成功するかしないかじゃなくて、行動できないことに泣いていたよね。
忘れ物……というか落し物が見つかった感じなのかな。

バカみたいな子供時代で、今でも碌な人生歩めてないけど、自分の子供には似たような経験をさせてあげたいなあ。もちろんポケモンとかマリオブラザーズとかのゲームもやってたけどさ、それすらも今じゃ思い出話だし、ゲームが遊びの全てじゃなかった。

今の私みたいにあの頃はこんなことあったなあ……って振り替えられるような、人生で一番楽しかったって思えるような夏休みを送らせてあげたい。中学受験なんかより、よっぽど人生を左右することだと、私は思う。

でもまだ、私にその番が来るまでは、自分の夏休みの思い出、もう一度作りたいなあ。
あの頃に負けないくらいの素敵な思い出、

今年の夏が待ち遠しいな

continue...
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