翌日の新聞の一面にはデカデカと東都タワーで起こった事件が報じられていた。
墜落したヘリからは誰の遺体も発見されなかった。
奴らが誰を狙っていたのかも、何が目的なのかも明かされていない。

そして、誰がヘリコプターを落としたのかも。

「おーおー、派手にやったね名探偵」
だがそれでもこいつには誰のせいかバレていた。
だからわざわざこの家に来たのだろう。
「るせー」
我が物顔で他人の家にいるこの怪盗に、コナンは唇を噛む。

本当に運が良かった。

だが奴らの手がかりも手に入れ損なった。

あんなに危険な目に合ったのに。

「ま、これに懲りて危険な目はするなってことだ」
「危険を恐れてちゃ手かがりはもう手に入らねぇよ。あんたもそうだろ?」
「違ぇねぇ」
学ラン姿のこの怪盗が笑う。
「さぁて、んじゃ俺は次の仕事の下準備に取り掛かっからよ、邪魔すんじゃねぇぞ」
「それはこっちのセリフだ」
白の魔術師は片手を挙げ、玄関から外へ出て行った。