ネット復旧が、月内には絶望的になりました。
……ちくしょう。
仕方ないのでワードで文章書いたり、積んでたゲームをプレイしてます。
今やってるのはトラスティベルです。
「うわっ」
誰かが、そんな風に呻いた。
自然と生徒たちは壁際、もしくは窓際に寄る。
全てはとある1人の生徒のためだ。
スパーダ・ベルフォルマ
名門ベルフォルマ家の出でありながら素行不良。学校にも籍を置いているものの、なかなか登校しない。呼び出しもほぼ無視で、教師の方もベルフォルマ家の名を恐れて強く言えない立場にいた。
そんな不良生徒が、久しぶりに学校にやって来た。一体何カ月ぶりだろう。
異能者捕縛適応法により捕まったという噂があったものの、真実は定かではない。
だが、勉学はともかく身体能力が優れているのは有名な話だ。
何故、全然登校してこなかったスパーダが突然学校に来たのか理由は分からない。
だが、触らぬ神に祟りなし。誰も関わらないように、気に障らないように大人しくしていた。
エディとニーノも、当然のようにそう倣った。
「お、おいルカ……」
「お前もさっさと……」
だがルカは廊下の真ん中に立ったまま。
当然、スパーダ・ベルフォルマも道を塞ぐ形となる。
ただでさえ気弱な、最近は改善されてきたとはいえまだまだ自信を持てていないルカと、不良がぶつかればどうなるか。それは分かり切ったこと……だった。
「よう、ルカ」
誰から見てもガラの悪そうな笑みを浮かべるスパーダ。だがルカはそれに物怖じせず、小首を傾げる。
「スパーダ、学校に来てたの?」
「おう、スパッと退学届出してきた。これでこんな所からオサラバさ」
「そっか。スパーダもレグヌムからいなくなると、寂しくなるね。エルも子どもたち連れてナーオスに行っちゃったし」
「ま、ずっと会えないってわけじゃねえしな。それに時々戻るからよ、そんときはお前ん家顔出すぜ」
「うん。楽しみにしてるよ」
「じゃあな」
スパーダは、いつかのようにあっさりとルカの横を通り過ぎていった。
あまりに親しげな様子に、生徒の誰もが呆気に取られた。
しかも相手は、あのルカ・ミルダだ。
「ルカ、お前いつの間に知り合ったんだよ……」
ニーノが恐る恐る聞いた。