話題:本の感想

岡田 暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 』読了

以前「初心者でも理解できる!!」を謳った音楽理論書を読んでみるも、見事30ページで玉砕。笑
そらそーだ、まずはバックグラウンドを知ろうということで読みました。

まーオモシロイ!!
西洋音楽の発端とされる6世紀の「グレゴリオ聖歌」から、第二次大戦終戦後の現代ポピュラー音楽台頭までの俗に言うクラシック音楽(このクラシック音楽という差別化も概括的だと読めばわかる!)にスポットを当てていく。
ただ時代ごとの重要な楽曲を連ねるだけでなく、その時代の思想や史実とリンクさせながら進めていくので俺のようなクラシック初心者でも十分楽しめる。
どんどんと話が展開していくそれはまるで小説。グングン進める。
で、マジおもしれぇと思ったのがその時代の音楽が音楽だけじゃなく、他のカルチャーとも、さらには社会ともリンクしてるのが夢中にさせてくれる。
例えば、音楽にダイナミズムが追及されると、芸術では劇画タッチが流行り、思想では人間中心の人文主義が、社会的面では宗教改革や大航海時代が始まる。といった偶然とは思えない関連が時代ごとに続いていく。
その点で歴史を知るにも良い文献だと思う。

音楽美であったり作曲家、不協和音、音楽ファン、皮肉などなど後の現代ポピュラー音楽にも繋がることを考えて読むとほんとオモロイ。
こりゃオススメです!!