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明るい部屋―写真についての覚書

写真について取り扱った本。
写真の撮り方の基礎とか技術とか云々の専門書ではなく、「写真を観客(見る側)として写真をみる」に言及したエッセイ。

まず一章でいきなり「写真=死」と初っ端からぶっ飛ばしてきます。ブンブン

みなさん「なんかこの写真ええなー」っていう経験をしたことあると思います。
では、ナゼそれが良いのか?何も感じない写真との違いは?その写真が自分にもたらす影響は?それは普遍的なのか個人的なのか?感覚的?経験的?っていう汲取りづらく、それでいて意識下の根底にある確固たる論拠を著者自身の経験からより哲学的な自論へと発展していく。
一見すると、バルトの偏った考察がガンガンあさっての方向に向かって膨張していくようにも見えるけど、「母の死」を発端として、それに沿ってより探求していき、思い悩み、実証をしていく、その情熱的であり感傷的な様には感動すらする。
つまり、衝撃的!


おい・・・

まぁ、そうなるわな笑
否、読んでみるべし。写真の見方は確実に変わる。
1985年の書籍になるんで、フィルム写真を軸にしてます。しかし、これをふまえて昨今のデジタル文化と照らしてみてもオモローと思われ

にーしても、就 職 活 動 大 丈 夫 ?
ですよねー^^
テヘペロリコツン^^☆


話題:本の感想

「北斎」-風景・美人・奇想-



昨日、学校でこんな展覧がやってることを知り、ちょうど今日、天
王寺で演劇を観る予定があったのでそれまでの時間つぶしとして行ってきました。

北斎といえば風景画って印象しかなかったけど、かなり実験的な試みをした人なんだなと思いました。
人工物(主に建築)の細かな線の書き込み、大して自然物(木や波)に使われる歪んだ線や(西洋絵画でいう)点画のような不均等さ
富嶽三十六景の細かな書き込みと、「うわ!そこもってくぅ!」っていう大胆な構図、画の半分ぐらいが真っ白ってぐらいの空白の使い方。これ見て思ったのは「こいつぁー大友克洋やでぇ」と思わせるほどイラストちっくなソレ。

美人画では「おまえ何頭身だよ笑」って思わせたり、馬鹿みたいに首が曲がってたり、肌が真っ白だったりと無茶苦茶やねんけど、結果的に「ああ、美しい」と思わせるテクニック。これはモネやマネに衝撃を与えて、フランス印象派に影響を及ぼしたのにも納得できる。

そして、奇想と呼ばれる、妖怪を題材にした挿絵。これは完全に漫画、まず見開きで置かれてる冊子自体、ジャンプぐらいの分厚さ。
効果線や注目を絞るスポット、枠から飛び出て際立たせる手法など現在のマンガにも見られる手法が見て取れる。
ああ、日本がマンガ大国になるのも納得だ。と思える。
ナルトの手のこった見開きページでありそう。マジで

いやー時間つぶしのつもりがガンガン脳汁でたわ。
ほぼ個展なんやけどそれなりに出展数もあって(第二展覧室があるのを知ったときは正直ダルかった。しかしコッチのがアツい!)オススメっす。一般1300円・大学生900円やしな。
迫力に威圧されるマンガとか好きな人にはオススメ。ぜんぜん飽きずにみれる。

http://hokusai2012.jp/

話題:芸術

西洋音楽史―「クラシック」の黄昏

話題:本の感想

岡田 暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 』読了

以前「初心者でも理解できる!!」を謳った音楽理論書を読んでみるも、見事30ページで玉砕。笑
そらそーだ、まずはバックグラウンドを知ろうということで読みました。

まーオモシロイ!!
西洋音楽の発端とされる6世紀の「グレゴリオ聖歌」から、第二次大戦終戦後の現代ポピュラー音楽台頭までの俗に言うクラシック音楽(このクラシック音楽という差別化も概括的だと読めばわかる!)にスポットを当てていく。
ただ時代ごとの重要な楽曲を連ねるだけでなく、その時代の思想や史実とリンクさせながら進めていくので俺のようなクラシック初心者でも十分楽しめる。
どんどんと話が展開していくそれはまるで小説。グングン進める。
で、マジおもしれぇと思ったのがその時代の音楽が音楽だけじゃなく、他のカルチャーとも、さらには社会ともリンクしてるのが夢中にさせてくれる。
例えば、音楽にダイナミズムが追及されると、芸術では劇画タッチが流行り、思想では人間中心の人文主義が、社会的面では宗教改革や大航海時代が始まる。といった偶然とは思えない関連が時代ごとに続いていく。
その点で歴史を知るにも良い文献だと思う。

音楽美であったり作曲家、不協和音、音楽ファン、皮肉などなど後の現代ポピュラー音楽にも繋がることを考えて読むとほんとオモロイ。
こりゃオススメです!!

カント入門

話題:本の感想

石川文康『カント入門』
哲学史において現代にも影響を与え続ける『純粋理性批判』を著したカント。
その偉大なるカント像を彼の内面のドラマから読み解く。

本著のむすびには、「カントは新書には適さない」と書いてる。
ふむふむ、なるほど確かにこの一冊には、激動の思惟をもったカントについてを238ページに詰め込まれてる。
新書スタイルでサラサラと読むとなると難しい。正直、展開に翻弄されてかなり頭を抱えることになる。
しかし、読める。読み終えることができる。そして、確かにカントに触れられた一冊やと思える。
彼の様々な理論を、著者の丁寧な文章と理論的な展開で示してくれるし、例もわかりやすく図ものっけてくれている。
正にカントを内面から知ることができる。
そして、「展開に翻弄される」ことがカントの、推理や証明の多さを、またその合理性を実証してくれたように思う。

ま、翻弄されないようにしろって話やねんけどな笑
勉強不足ですはい^^;

羅生門・鼻

話題:本の感想

芥川龍之介『羅生門・鼻』(新潮文庫)読了
「羅生門」「鼻」「芋粥」「運」「袈裟と盛遠」「邪宗門」「 好色」「俊寛」が収録されている短編集
どれも平安時代を舞台に古典を意識した短編で構成されてる。

羅生門は誰にも潜む〈悪〉に対して、上手いストーリー展開と心理描写、オチが用意されてる。
心理でゆうと「袈裟と盛遠」の交差し合う〈想い〉もgood!!
「邪宗門」は、これはもうバトルマンガ。HUNTER×HUNTER キメラ=アント編っすわ笑
いやマジで。
アツイ展開がテンコ盛り。終わり方なんかも「あーハンターハンターや」と思わせる。

古典意識っつーことで難しい漢字や漢文がでてきて、しかもそれがキーポイントってのがある。
特に「俊寛」なんて理解できてません。

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