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黒人霊歌は生きている―歌詞で読むアメリカ

黒人霊歌の歌詞をもとに、当時のアメリカ黒人の思想や精神をみていく。
それを説明するのに、歌詞の原文と和訳を適宜引用しており、それに対する因果性の説明もあるので、捉えづらい精神の形容を理解し易い。
また歌詞だけでなく、当時の黒人霊歌の歌詞を収集した人物やその著作からの引用も多い。
特に、ゴスペルとブルースが黒人霊歌の精神を分担し、歌詞に表れるその性格の違いや対比は感動的。

黒人音楽というと、20世紀以降の音楽、特に後半をイメージしてしまうが、原点は19世紀の黒人のアメリカにおける民族精神だと気づかされる。
オススメです。



話題:本の感想

ポピュラー音楽の世紀

一つ前の記事、「大衆音楽史」と似たような内容かなと思いきや、全く違う。

誤解しやすいが、西洋音楽理論に沿った音楽ひいては商業主義だけがポピュラー音楽を生むわけではない。
地域で親しまれている音楽もまたポピュラーミュージックである。
この本では後述を扱っており、その地域特有の伝統的な音楽が、地元民アーティストの試行錯誤で親しまる音楽となる様子をみていく。
すでにワールドミュージックとして、この本で扱う音楽ジャンルは確立しているものの、それが本質ではないことがわかる。決してメインストリームだけが帰結ではない。



話題:本の感想

大衆音楽史―ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで

いいかげん忘れそうなんで感想を

音楽がどのように、俗にいう「大衆音楽」として消費されていくかを、ジャズ、ブルース、ロック、レゲエ、パンク、ヒップ・ホップを例にとって、その過程をみていく。
以前、紹介した西洋音楽史―「クラシック」の黄昏と同じく、無機質な歴史をダラダラと書いているわけではなく、その当時の社会背景とを考慮しながら、人間味のあるドラマチックな音楽史がみえる。
多くのジャンルを新書にまとめたものなので、全てを網羅しているわけではないが、ハンドブック感覚でパラパラと読むには十分かと思います。
個人的には、レゲエとパンクがオモロかったです。
アマゾンのレビューをみてみると、名称などの間違いが多いらしく評価はよろしくないみたい笑




話題:本の感想

苦役列車

西村賢太の中編小説
2010年にはコレで芥川賞とってます

事あるたびに、捻くれ者を呈して、そのクズっぷりに共感できる。
割とこういうクズっぷりって、誰にでもあるんやろな。
クズってのはきっとね、体の中でグングンと膨れ上がって、いよいよ自力で抑えきれなくなると、エイリアンのチェストバスターよろしく、飛び出して今までの自分とはさようなら。
それからはエイリアンとして過ごす事になるのでしょう。

あーオレってクズやー!と沈んだときに読むといいよ。
クズなのに変わりないけど、上には上がいるように、下にも下がいるんだなって思えるから。



話題:本の感想
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