スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

ミュシャが見たパリ 時代を映すポスター

前回のミュシャ展の記事でも書いたが、どこまでも描き込まれているのに全体のハーモニーがとれているのは不思議に思う。
複雑なものは、多少ともどこか違和感を感じるがミュシャにおいてそれはない。

モデルのポージングやレタリング、造形とシンボルの接合、背景のパターンからその配置まで不自然なく心地好い。

後に秩序や安定、合理性が求められるなかでミュシャのようなアール・ヌーウ゛ォ調のポスターは減少するが、私から見るとミュシャのポスターには秩序や安定があり合理性も持っているように思える。

"時代を映すポスター"とあるように、血の足音のする時代が華奢なポスターを許さなかったのだろう。

話題:芸術

2013年度新聞・通信・テレビ・ニュース報道展

報道が芸術として成り立つだろうか。

いきなり、この展覧会とは関係ない話しから始めるが、世界報道写真大賞2012に選ばれたパレスチナのガザ地区で撮影した作品をめぐって、報道写真を加工するのが認められるのか議論があったらしい。

もちろん、写真の知識はないし、報道についても詳しくないが、報道写真にこの議論は付き物なんだろうと思う。
写真加工だけではなく、過去にはハゲワシが餓死寸前の少女を狙っている『ハゲワシと少女』という写真でピューリッツァー賞を受賞したことで、報道写真の倫理に対する議論が起こったのは有名だ。

やはり、報道機関には事件や現場などの真相・真実が求められ、イデオロギーの介入しているところでは中立が求められる。
しかしそもそも、時間が途切れることなく連続する自然の性を、その一瞬を切り取って保存してしまう撮影という行為自体が虚偽になってしまうのではないだろうか。

こういうことを踏まえると、報道写真というのはおもしろいものだと思う。
報道写真家は、なかなか難しい仕事なんだろうなあ。

この2013年度新聞・通信・テレビ・ニュース報道展では、こういった社会的背景が複雑なものや、倫理感が強く関わるものはないが、合成写真や奇妙な構図の写真は多くあった。
しかし、どれもその違和感を感じさせない。ダイレクトでシンプルなものだ。
報道写真は、これでいいのだと思う。真実もまたダイレクトでシンプルなものだ。
確かに歪曲はあるかもしれないが、なにかただの静止画とは違う、抽象絵画のようなドラマが見て取れる。
写真だけが存在する没アーティストでもない、確かに写真家が存在する。

阪神百貨店梅田本店での展覧は明日までで、以降、京都、兵庫をまわるみたいです。
詳しくはネットで検索してください!(b^ー°)

話題:芸術

ミュシャのデザイン集『装飾資料集』

ミュシャの展示が安かったので鑑賞してきました

ミュシャと言えば、ポスター作家として有名やけど、専門知識がなくてもその存在感のすごさは伝わる。
これほどに女性を女性らしく描けるのか。と思うと、見るたびにため息。

モチーフやレタリング、構図まで全てがフェミニンで可憐だけど、線がハッキリとしていて存在感がすごい。
それもあって、パッと見は平坦に見えるかもしれないけど、服のシワや髪の毛や影などの線の重ね方、進め方は、流動的でダイナミック。
細かなモチーフや模様も全て、キッチリと描きこまれ見ていて飽きないし、それほどに緻密でありながらストレスを感じることもない。
そのように、写実的に捉えられながらも、イラストのように再構築され、それでいて、肉感があり生命力に溢れてる。
レタリングや装飾など、とにかくセンス抜群で見ていて笑みがこぼれる。

↓公式サイトにとびます
mucha.sakai-bunshin.com

話題:芸術

「北斎」-風景・美人・奇想-



昨日、学校でこんな展覧がやってることを知り、ちょうど今日、天
王寺で演劇を観る予定があったのでそれまでの時間つぶしとして行ってきました。

北斎といえば風景画って印象しかなかったけど、かなり実験的な試みをした人なんだなと思いました。
人工物(主に建築)の細かな線の書き込み、大して自然物(木や波)に使われる歪んだ線や(西洋絵画でいう)点画のような不均等さ
富嶽三十六景の細かな書き込みと、「うわ!そこもってくぅ!」っていう大胆な構図、画の半分ぐらいが真っ白ってぐらいの空白の使い方。これ見て思ったのは「こいつぁー大友克洋やでぇ」と思わせるほどイラストちっくなソレ。

美人画では「おまえ何頭身だよ笑」って思わせたり、馬鹿みたいに首が曲がってたり、肌が真っ白だったりと無茶苦茶やねんけど、結果的に「ああ、美しい」と思わせるテクニック。これはモネやマネに衝撃を与えて、フランス印象派に影響を及ぼしたのにも納得できる。

そして、奇想と呼ばれる、妖怪を題材にした挿絵。これは完全に漫画、まず見開きで置かれてる冊子自体、ジャンプぐらいの分厚さ。
効果線や注目を絞るスポット、枠から飛び出て際立たせる手法など現在のマンガにも見られる手法が見て取れる。
ああ、日本がマンガ大国になるのも納得だ。と思える。
ナルトの手のこった見開きページでありそう。マジで

いやー時間つぶしのつもりがガンガン脳汁でたわ。
ほぼ個展なんやけどそれなりに出展数もあって(第二展覧室があるのを知ったときは正直ダルかった。しかしコッチのがアツい!)オススメっす。一般1300円・大学生900円やしな。
迫力に威圧されるマンガとか好きな人にはオススメ。ぜんぜん飽きずにみれる。

http://hokusai2012.jp/

話題:芸術
前の記事へ 次の記事へ