フロイトの夢に関する研究は、ブルトン他シュールレアリストの根本に多大な影響を与えているということで入門。
並べてあった他のフロイトに関する本に比べて薄く、割には目次をみると生涯から思想までまとめられているようなので入門には良いかなと思いこれにした。
感想としては、確かにまとめられてはいるけど、やはり説明不足だと感じる。専門用語に詳細な定義はなく、それを文脈から読み解くといった感じ。
しかし、たったの120ページほどなのでこれは仕方がない。

やはり、シュールレアリスムの思想の基礎がいくつか見えた。
例えば、フロイトの夢理論にはかなり依存しているところがあるように思う。

現在では「フロイトの言ったことは全てウソだ」という学者もいるらしく実際、危ういなと感じる理論もあった。
一方で、フロイトの科学的精神による非妥協性はブルトンにも通ずるところがあり、フロイトの人間性について勉強してみてもおもしろいと思う。

シュールレアリスムの作品にあるエロティックなモチーフは、フロイトのイビドーに関するところがあるのか。
フロイトの世界観の捉え方や宗教観もおもしろい。
また、男女の性差の考察もおもしろい(男性主義的であるので注意が必要だが)

次もフロイト関連の本を読んでみようと思う。



話題:読書日記