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切っても切れない(はなべ)

不意にはなべ。

*****

(まずい、完全にしくった。オレ、なんつー。いや、押し倒したかったわけじゃなくて)

「……」
「いや、その、つまり…いや」

(待てよ、こういうところで引いたら痛いか!? ここは、もう、一気に)

ジィッ…

(ダメだ…相手の目ぇ見てらんねぇ)

「あ、のさ、ゴメン…な…って、イテ! ……おま…なに? どこ蹴って…」

「ここ、こんなにしといて、ゴメンとか笑ってんじゃねぇよ」
「やめろ、バカ、足、どけろ」
「答え出すまで、このまんまな」

ポンポンポンポン

「やめろって、蹴るなよ!!」
「なに怒ってんだよ。軽くだろ」
「阿部! いい加減にしろ!!」

「……花井なんて、じゃあ、知らない」
「え? おい、阿部!?」

ガシ

「放せよ」
「嫌だ」
「放せって」
「放さない。お前のことは、放さない」
「すげー、めんどくさい…」
「阿部!」
「なに?」
「好きだから、お前のことが好きだから!」
「………」
「だ、だから。だから、な……」

*****

「あれからもう4カ月か…」
「おー、いた。阿部、お待たせ」
「べつに待ってねえし」
「え?」
「嘘だよ。なんでそー、いちいち反応するんだよ」
「してないよ!」
「ああ、そう? あ、そうだ花井」
「なんだよ?」
「気持ちいいんだけどさ、やっぱ首に跡つけんのはなしな。オレ、あとで気づいて焦った」
「…………すみません」
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