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おでこ

オレの大好きな阿部君はよく眉間にシワができる。

いつかくっきり跡がついちゃうんじゃないかってほど、よく眉をひそめてる。

おでこのなかに、キュッとしたシワ。

オレはそんな阿部君の顔を見ると心配になってよくおでこをさする。

ナデナデってしてると、阿部君はよけい眉間を寄せるけど、だんだん顔が赤くなってくる。
それから耳が赤くなってくる。

そうして、
もういいよ、いいから
って言ってくる。

そして、なでてたオレの手をとってキスしてくれる時がある。

だから、オレは眉間のシワが好き。

あれ?

そんな話だったっけ?

あ、阿部君がいまも眉をギュッとひそめて。

ナデナデ しよう


「阿部君…!?」
「んー?」
「おで こ!」
「んー? 」

オレはいそいそとおでこをなでだした。

「みはし」
「なぁに?」
「これ、恥ずかしいんだけど」
「じゃ、おでこ、治して」
「あのなあ」

ますますシワが強まった眉のあいだを両手の指先でのばすとさすがの阿部君もなにもいわなくなる。かわいい。

「さっき どうした の」
「えー?」
「悩んでる」
「あー、大丈夫」
「無理しちゃ ダメだ」
「本当、平気だって。んな顔すんなよ、お前の方が眉ひそめてるぞ」
「ひっ」
「だから田島がー」
「お?」
「もし、ふなっ○ーの中の人になれたら、野球部やめてたかもな、とか言ってんの聞いたから、なんかこう、イラっと」
「…………」
「なに笑ってんだよ」
「心配」
「あ?」
「しなくても 大丈夫 だよ?」
「だからなんだよその笑い方は!」


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恥ずかしがり屋?(ハルアベ)

「なあ、どうして手ェつないでくんないの?」
「はあ? やですよ、そんなの」
「オレもフツーに手ェつないで歩きたい」
「男同士で…」
「誰もいないところでもお前嫌がるじゃんよ」
「だから好きじゃないんですって」
「つうか、お前、外で冷たすぎるんだよな」
「な、なんですか」
「もう付き合って半年はたつのに、いまだに外で会うと、すごい距離とるときあるだろ。なんか、用事があって付き合わされてるそんな仲良くない後輩みたいな態度」
「例えがよくわかんないですが」
「とにかく、なんであんな事務的になるとき多いのかなって」
「さあ…」
「いや、いっつもそうだったらわかるんだけどさ、冷たいヤツだなーって。たださ、お前、温度差が激しいから」
「?」
「二人っきりで部屋とかにいると、ベタベタになるときあるだろ?」
「はっ….あ?」
「アレんときとかさ、よく恥ずかしくないなってこと多いんだけど…なんか、恥ずかしさのツボが違うの?」
「………っ」
「タカヤ」
「ツボとかいう言葉、あんま好きじゃないんですけど」
「でもなんかゼッテー違う! オレと照れるところが絶対ズレてるって」
「うるさいなあ」
「ほれみろ、やなことだって感じると目ぇそらすし」
「うるさい」
「困るとそうするんだろ。ほら、オレの顔みてみろ」
「嫌だ…」
「なあ、今度一緒に手をつなごうよ。なあ」
「しつこいのは…キライです」
「なんだよ、自分がその気になると、好き好きしか言わなくなるくせに、ズルイよなあ」
「じゃあもう、言わないっ…」
「そうじゃないって、怒るところ違うよ」
「………」
「なあ、いつかでいいからさ、手つないで歩こうな」


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アイスの時間(ハナべ)

アイスはパピ◯。
******

蒸し暑い日。公園にて。

「阿部、これでもいいか?」

近くのコンビニから戻ってきた花井が、ベンチに座っていた阿部にアイスを差し出した。
二つにわかれるチューブ型のアイス。味はコーヒーだ。

「おお、サンキュ」

阿部が礼を言うと、花井はその隣に座ってアイスの袋を開きだす。

「コンビニでどれにしようかなーって悩んでさ、なんとなくいまの気分でそれにしたんだけど」
「うん、いいんじゃね。オレ、この味、好きだし」

阿部の言葉に花井は安心した顔をする。

「うまいよな! オレも好きなんだ!」

笑顔で言ってから花井はハッとした。

(うわ、オレ、なんかテンション高くね?)

気恥ずかしさをまぎらわすかのように、ブチっとアイスを二つにわけると、ズイと片方を阿部に渡す。

それぞれがアイスを口に咥えて、しばしの静けさ。

冷たい感触が舌の上に嬉しい。

花井が横目でみると、阿部は無心でアイスを吸っている。

その横顔が妙にキレイで愛しくて、花井はそれを眺めていた。

チラ、と気配を感じて阿部が目をこちらに向ける。

「あ、いや。うまいな」

ドキッとして花井は思わず口を開いた。

コクリと阿部はアイスを咥えたまま軽く頷く。

「食べ終わったらカラはくれよ。オレ、捨ててくるから」
「いや、それは自分でやるよ」
「いいって、それ、よこせよな」
「なんでだよ」
「いいから!」

アイスの後始末について自分は考えていたんだ、と思ってもらおうととっさに考えたのか、花井は妙にアピールをしてから阿部とは違う方向を向いてアイスの続きを食べだした。

と、座っているベンチの後ろにある茂みの向こうから、歩きながら話しているのであろうどこかの男性二人の会話が聞こえてくる。

「お前、彼女と最近、どうなの?」
「べつに、フツーだよ」
「ふーん」
「こないださあ、一緒にアイス食べた時」
「おお」
「大きなアイス買っちゃったの。そんで、一生懸命食べてる姿、ヤバかった。やたらかわいくってさ」
「なんだ、仲いいじゃねーか」
「食べ終わったあとさ、舐めてるあの棒、欲しいって気持ちがムラっとわいたんだけど」
「変態だし」

ワハハ、と二人はやたら大きな声で笑って遠ざかったいく。

(くだんねーこと言ってんなあ)

花井はそう思いながらなんとなくまた阿部に目を向けると、バチリと視線があった。

チュッ

阿部がだいぶ少なくなったアイスを咥えたまま吸って、花井のことをジッと見てくる。

(え?)

なぜだか花井は胸がドキリとした。そして次の瞬間襲ってくる、妙な焦り。 

「んだよ、その目は!? 違うからな! オレ、そんな風に思ったわけじゃ!」
「ただ見ただけだよ。なに騒いでんだよ」
「ええ?」
「食べ終わったヤツは、やっぱオレ、自分で処理するから」
「だーから! 違うって言ってんだろ、お前こそなに言ってんだよ」
「花井、声、大きすぎ」

アイスを食べたのに、余計に暑く感じる花井なのだった。 

おしまい

おはようございます

毎日暑いですね。
更新停滞の中、ひょっと浮上してまいりました。

通勤電車の中などでは、いまだボンヤリとネタなんかを考えているのですが、ブログに引っ張りあげるきっかけがつかめませんでした。

うーん。

自炊にかける時間を減らしてブログを書けばいいのか!(ぼーっとネットみてる時間を減らせばいいんだと思うよ)

そんなこんなで生きてます(汗)
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