雑記帳

昔々、竹を取って籠や細工物を作るおじいさんとお婆さんがいました。
名前をウィルとノーマといいました。
「ちょっと待て！俺がお爺さんだと！？」
「いいじゃないの。ウィルっちももうすぐ三十路の親父なんだし。それにさぁ、どうしてあたしがお婆さんなのよ？」
「うるさい！人数不足だ！」

ゴガッ！

「あだっ！」
ウィルが野山に入って竹を取っていると、根元が光る竹がありました。
「何だこれは！？まさか新しいモンスターか！？」
モンスターだと思ったウィルは竹を一刀両断にしました。
すると中には美しくて可愛らしい少女が２人、入っていたのでした。
「何だと！？やはり新種のモンスターか！？」
うきうきしたウィルはその少女達を家へ連れて帰ることにしました。





ステラとシャーリィと名付けられた少女達はすくすくと育ちました。
たった三ヶ月で２人は１７歳と１５歳になりました。
不思議なことに、ウィルが竹を切るとガルドがざくざく出てくるのです。
おかげでウィルとノーマは大きな家で豊かに暮らすことになりました。

ステラとシャーリィの美しさは、側にいるだけで心が清らかになるようです。
噂を聞いて男の人達は２人に求婚しようと集まってきました。
「こちらにステラとシャーリィという少女達がいると聞いたのだが！」
やって来たのは国の騎士であるクロエです。
なぜ女性なのに宮仕えできるのか……というのは突っ込まないでください。
「帝より、宮中に入るようにとの仰せだ！」
「そんなクーひどすぎ！」
「わ、私に言うな！」
「あんな奴らのところにはやらせん！」
ウィルはハンマーを持ち出してきました。
「た、確かに私もそう思うが……命令なのだ！」
「ならクーは命令ならあいつに従うの？」
「うっ……」
どうやら帝は嫌われているようです。
「……分かった。帝には拒否されたと伝えておこう」
そう言ってクロエは去っていきました。

ですがその帝はしつこいので有名でした。
狩りの帰りにウィルの家に訪ねてきたのです。
さすがの２人も帝に逆らうわけにもいかず……ステラとシャーリィを会わせることになってしまいました。
「ねぇシャーリィ、帝の名前って何て言ったかしら？」
「え、えーっと……確か……」
「おう嬢ちゃんら！待たせたの！」
「「キャアアアア！」」
狩り衣……ではなく上半身裸の帝、モーゼスを見て２人は年頃の娘らしく悲鳴を上げました。
「ちょい待て！どーいう反応じゃ！」
「だから会わせたくなかったんだ……」
「私は慣れたが……嫌なものは嫌なんだぞ……」
「帝役でも相変わらずの馬鹿山賊……」

そんなワケで嫌われた帝でした。

ステラとシャーリィは、最近月を見ては嘆き悲しむようになりました。
「ねぇねぇ、どったの？」
「訳があるなら聞こう」
「実は……。私達はこの国の者じゃないんです。月から来た水の民なんです」
「次の十五夜に月からの迎えが来ることになってしまったのです」
それを聞いたウィルとノーマは使いたくもないコネを使って帝に屋敷を守らせることにしました。


月が天高く登ったとき、月からの迎えがやって来たのです。
「メルネスとその姉よ。そんな薄汚い陸などさっさと捨ててしまえ」
偉そうにやって来てワルターが言います。
「嬢ちゃんを守るんじゃ！」
ですがモーゼスが命令しても皆月の光に目をやられ、ろくに戦えませんでした。
「さあ来い」
「させるかぁ！」

そこにやって来たのがセネルでした。
クロエの同僚であるセネルもこの戦いに参加していたのです。
月からやって来るであろう水の民に備え、ちゃっかりサングラスをしてます。

「セネセネ！いけ〜！」
「セネル、貴様どうしてここに！？」
「俺はステラとシャーリィを守るんだ！」
「セネル……」
「お兄ちゃん……！」

拳の応酬。

「いい加減にしなさい！」
割り込んできたのはフェニモール、テューラの姉妹です。
姉妹は２人でワルターの不意をつき、気絶させました。
「ワルターさん、シャーリィの幸せを考えるならあそこにいさせてあげてください！」
「というかこんなくだらない事に付き合ってられないんだけど……」

２人は気絶したワルターを引きずって月へと帰っていきました。

「ステラ！シャーリィ！」
「セネル……！」
「お兄ちゃん！」

しっかりと抱き合う３人。

「いい話じゃのう……」

幸いにもこの時代は一夫多妻制。
セネルはステラとシャーリィ、２人の姉妹と結婚して幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。


ナレーターはこの僕、ジェイでお伝えしました。

嘘
Journey through the Decade
Share The World
TAKE ME HIGHER
Crach
残酷な天使のテーゼ
ウィーアー！


今日のカラオケで歌ったもの。
前回と被ったものは含みません。ちなみに歌った順です。